JVN iPediaは2026年10月19日、Microsoft Windows Serverに関する脆弱性「CVE-2026-103560」の情報を掲載しました。DNSサーバーの不適切な認可により、ローカルで改ざんが可能になるとしています。Windows Serverを管理する情シスは、サーバーの版とビルド番号を照合し、ベンダ情報で必要な対策を確認してください。
「認証の欠如」でも、攻撃には低い権限が必要
JVNは、この脆弱性を「認証の欠如(CWE-862)」に分類しています。一方、攻撃条件の評価では低い特権レベルが必要とされています。分類名だけを見て、権限を持たない第三者が外部から攻撃できる問題と読み替えないことが重要です。
脆弱性の深刻さを示すCVSS v3基本値は5.5で、評価は「警告」です。攻撃条件の複雑さは低く、利用者の関与は不要とされています。
影響が高いとされるのは、情報を正しい状態に保つ「完全性」です。機密性と可用性への影響はないと評価されています。今回の資料は改ざんのリスクを示したもので、情報漏えいやサービス停止が起きたという発表ではありません。
対象はWindows Server 2012から2025、ビルド番号も照合
JVNが示す影響対象は、次のとおりです。
- Microsoft Windows Server 2012
- Microsoft Windows Server 2012 r2
- Microsoft Windows Server 2016:10.0.14393.9612未満
- Microsoft Windows Server 2019:10.0.17763.9376未満
- Microsoft Windows Server 2022:10.0.20348.5761未満
- Microsoft Windows Server 2025:10.0.26100.33650未満
2016以降は、製品名だけでなくビルド番号による条件があります。台帳に「Windows Server 2022」とだけ記録されている場合、その情報だけでは対象かどうかを判定できません。
2012と2012 r2については、今回の資料にビルド番号の境界が示されていません。また、修正用の更新プログラムの番号や適用手順も記載されていません。JVNは、ベンダ情報を確認して適切な対策を実施するよう求めています。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Windows Server 2012または2012 r2を利用する会社です。対象として掲載されているため、管理担当者や運用委託先への確認が必要です。
- 影響する: Windows Server 2016・2019・2022・2025を利用し、実際のビルド番号が上記の境界未満の会社です。DNSサーバーの運用状況も併せて確認してください。
- 影響しない: 2016・2019・2022・2025で、ビルド番号がそれぞれの境界以上の場合、今回示された「未満」という対象条件には該当しません。ただし、他の脆弱性への対策状況まで保証するものではありません。
- 影響しない: DNSサーバーを使っていない構成を対象外と判断できる条件は、今回の資料には書かれていません。役割の有無だけで対応不要と決めず、ベンダ情報で確認してください。
情シスが今日やること
以下は社内での確認手順の提案です。JVNが指定した対応期限は、今回の資料には書かれていません。
- 今日中に台帳から候補を抽出する。 資産管理台帳でOS名とビルド番号を確認し、対象のWindows Serverを一覧にします。番号が未記録なら、サーバーの管理担当者や運用委託先に実機での確認を依頼します。
- DNSサーバーの運用情報をそろえる。 候補ごとにDNSサーバーとしての利用有無と管理担当者を記録します。不明な項目は「対象外」ではなく「未確認」として残します。
- 対策を決める前にベンダ情報を確認する。 JVN iPediaの「JVNDB-2026-038866」とCVE番号を手掛かりに、該当製品の更新情報と適用手順を確認します。ビルド番号の境界だけから更新プログラムを推定しないでください。
- 確認結果と次の作業を関係者に知らせる。 今日の確認で判明した対象サーバー、未確認項目、対策の確認担当者を運用責任者へ共有します。更新が必要な場合は、適用前に業務担当者と作業予定を調整し、適用後はビルド番号を再確認して台帳に残します。