PHPで業務のシステムや会員サイトを作るときによく使われるWebフレームワーク「Laravel」に、2件の脆弱性が見つかりました。1件は、APIの認証をすり抜けて他人として振る舞えるもので、深刻度はCVSS 4.0で9.2です。自社で開発したり、委託して作ってもらったりしたシステムにLaravelが使われていないか、確かめる必要があります。Laravelの公式の勧告から整理します。
何が見つかったか
Laravelの開発チームは2026年10月19日、フレームワーク本体(laravel/framework)の脆弱性2件を、GitHubのセキュリティ勧告で公表しました。ドイツのCERT-Bundも同じ日に、深刻度「高」の注意情報を出しています。
| 勧告 |
中身 |
深刻度 |
対象の版 |
直った版 |
| GHSA-f9x3-7vq9-cph6 |
トークン方式のAPIの認証(TokenGuard)のすり抜け |
CVSS 4.0で9.2(Critical) |
12.68.0より前、13.29.0より前 |
12.68.0、13.29.0 |
| GHSA-5wcm-3v2w-8362 |
読み取りの窓口から、関連の表のデータを消せる |
CVSS 3.1で6.5(Medium) |
12.45.0以降12.68.0より前、13.27.0より前 |
12.68.0、13.27.0 |
2件とも、10月20日時点でCVE番号は付いておらず、悪用の記載もありません。
重いのは、APIの認証のすり抜け
1件目は、Laravelに組み込みの「TokenGuard」を、標準のトークン方式のAPIの認証として設定している場合の不具合です。MySQLかMariaDBを使う構成では、攻撃者が文字列ではない特別な形の値を送ると、認証の照合がうまく働かず、意図しない利用者のデータと一致してしまうとしています。
LaravelのGitHubの勧告(GHSA-f9x3-7vq9-cph6)。深刻度は9.2出典: Laravel(GitHub)「Token-based API guard Auth Bypass」(引用)
その結果、ログインしていない攻撃者が、相手のAPIのトークンを知らなくても、ほかの利用者として認証され、この認証で守っている窓口(ルート)で、アカウントを乗っ取られるおそれがあります。勧告の評価では、ネットワーク越しに、権限も利用者の操作も要らずに狙えます(ただし、MySQL・MariaDBなどの条件が要る)。
2件目は、データの関係をまとめて読み込む処理の不具合です。特定の条件では、読むだけの窓口への細工した要求で、関連する表の中身を消すような操作が起きてしまうとしています。読む権限しかない利用者が、元に戻せない形でデータを失わせるおそれがあります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Laravelで作った業務のシステムや会員サイト、APIを動かしている会社です。とくに、TokenGuardでAPIを守り、データベースにMySQLかMariaDBを使っている場合は、急いで更新します。
- 影響する: システムの開発や保守を外部に任せている会社です。Laravelを使っているかどうかを、自社で把握していないことがあります。
- 影響しない: Laravelを使っていない会社です。Laravelを使っていても、12.68.0以降・13.29.0以降に上げ済みなら、2件とも直っています。