社員のパソコンやライセンスの台帳に使われるオープンソースの「Snipe-IT」が、10月20日に8.8.1を出しました。依存する部品の脆弱性12件を直したもので、ドイツのCERT-Bundは深刻度「高」の注意情報を出しています。ただ、開発元は「製品からは届かないものが大半」と説明しています。むしろ情シスが見ておきたいのは、10月上旬に公表されたSnipe-IT自身の不具合です。無効にした利用者がGoogleのSSOで入れる件など、ログインにかかわるものがあります。リリースノートと開発元の勧告から整理します。
8.8.1で直った依存部品の12件
Snipe-ITは、2026年10月20日(日本時間)に8.8.1を公開しました。8.8.0から673のコミット、77件の課題の解決、81件のセキュリティの修正を含むとしています。変更の一覧には、次の12件のCVEを、依存する部品を新しくして直したと書かれています。

| 部品 | CVE | 中身(CVEの題) | CVSS |
|---|---|---|---|
| enshrined/svg-sanitize | CVE-2024-24821、CVE-2026-107379、CVE-2026-107380 | Composerの部品を通じたコード実行のおそれ、DTDによる停止、DTDの文字の衝突による保存型XSS | 8.8、6.5、5.4 |
| laravel/framework | CVE-2026-102279 | デバッグの画面のXSS | 3.1 |
| symfony/http-foundation | CVE-2026-108082 | Cache-Controlのヘッダーによる処理の停止(ReDoS) | 8.7(v4) |
| symfony/yaml | CVE-2026-109413 | YAMLの読み込みの無限の再帰で処理が落ちる | 8.7(v4) |
| symfony/cache | CVE-2026-45073 | PdoAdapterのSQLインジェクション | 6.3(v4) |
| mtdowling/jmespath.php | CVE-2026-54133 | 関数名を通じたコードの差し込み | 9.8 |
| phpseclib/phpseclib | CVE-2026-55599、CVE-2026-84308 | 証明書の検証での外への要求(SSRF)、X25519の計算の時間差による秘密鍵の復元 | 5.8、6.3 |
| squizlabs/php_codesniffer | CVE-2026-67434 | 開発用の道具のコマンドの差し込み | 7.3(v4) |
| livewire/livewire | CVE-2026-81887 | 画面側の処理のXSS | 5.1(v4) |
点数だけを見ると高いものがあります。しかし開発元は、リリースノートで「変更の一覧のCVEに驚きすぎないでほしい。開発用の道具や、製品の動きには出てこない部品のものが大半で、実際の運用には当たらなかった。ただ、更新しておくことは大切だ」と説明しています。CERT-Bundの注意情報は、これらの部品のCVEをまとめて載せたものです。なお、CVE-2024-24821は2024年に公表されたComposer(PHPの部品の管理の道具)の脆弱性で、今回の部品の更新の中で直したものとして、一覧に並んでいます。米CISAのKEVには、10月20日時点でどれも載っていません。
なお、8.8.1はPHP 8.2以上が必要で、8.4以上を勧めています。更新の前に、サーバーのPHPの版を確かめます。












