Googleは2026年10月15日付の発表で、データを扱う基盤「borderless Lakehouse」とGeminiの統合を紹介しました。新たな統合はプレビュー提供中で、同社によると、複数クラウドのデータを移動せず、自然言語で検索できます。一方、クラウド間の接続やBigQueryのデータ形式対応など、周辺機能は一般提供になっています。
Geminiから外部データを検索、統合はプレビュー
今回の統合では、データの所在などを管理するカタログとの連携を通じ、Geminiから外部データへのアクセスを設定できます。接続先にはDatabricks Unity CatalogやSnowflake Horizonが含まれます。
Googleによると、利用者は複数クラウドにあるレコードを自然言語で検索できます。作業を進めるAIエージェントも、同じデータを推論の根拠やコード生成に使えるとしています。外部データをGeminiで扱う構想ですが、新統合は一般提供ではなく、試験利用の段階です。
日本での提供は発表には書かれていません。利用できる時期、日本語対応、日本向けの価格、対象リージョンも記載されていません。
接続・キャッシュやBigQuery連携は一般提供
一般提供になった機能は、Geminiとの統合とは分けて見る必要があります。AWS・Azure向けのCross-Cloud Interconnect対応では、1接続当たり10 Gbpsまたは100 Gbpsの専用接続を使います。クラウド間キャッシュも一般提供となり、Googleによると、再読み込み時にはGoogle Cloud内のデータを使います。
BigQueryでは、データの保存形式に関するApache Iceberg V3仕様への対応が一般提供になりました。対応内容にはバイナリ削除ベクトルとソート順が含まれます。BigQueryとManaged Service for Apache Sparkの間で、Icebergを相互に読み書きする機能も一般提供です。
AlloyDBのレイクハウス連携も一般提供になりました。同社によると、AlloyDBの最新レコードと、過去のデータを蓄積するウェアハウスのデータを、コピーせず同時に照会できます。また、Salesforce、SAP、Workdayとの、データをコピーしない「ゼロコピー連携」も一般提供になっています。
既存資産の取り込みでは、DataflowによるDatabricks Delta Lake資産の同期が一般提供となりました。Lakehouseコンソールから取り込み、変換、同期を行えるとしています。Dataproc MetastoreからLakehouse runtime catalogへの自動移行経路も提供し、Googleは既存のスキーマとデータ来歴を維持し、停止時間は発生しないと説明しています。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Databricks Unity CatalogやSnowflake Horizonを利用し、Geminiから外部データを検索する仕組みを検討している会社です。まずプレビューとして評価する対象になります。
- 影響する: BigQueryとAWS・Azureを組み合わせている会社や、AlloyDB、Databricks Delta Lake、Dataproc Metastoreを利用している会社です。接続、照会、同期、移行のうち、自社の構成に合う機能を確認する価値があります。
- 影響しない: 今回の外部データ連携や基盤機能を利用せず、導入も検討していない会社は、これらの導入評価の直接の対象ではありません。ただし、既存利用者への設定変更の要否や、対象プラン・企業規模の条件は発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- 今日、利用サービスを棚卸しします。 データ基盤の管理者に、BigQuery、AlloyDB、Databricks Unity Catalog、Snowflake Horizonなどの利用有無を確認します。「Geminiを使っているか」だけで対象を判断せず、接続元のカタログとデータの管理担当も整理します。
- 試験を始める前に、接続対象を決めます。 Geminiからの検索を検討する部門と、どの外部データを検索・推論・コード生成に使うかを一覧にします。発表には具体的な管理画面の設定経路が書かれていないため、画面操作は確認できる手順に基づいて進めます。
- 今日、提供段階を社内に共有します。 AI活用の担当者とデータ基盤の管理者に、Gemini統合はプレビュー、接続や同期などの対象機能は一般提供と分けて知らせます。日本での提供条件と価格は未記載であることも添え、導入判断の前に確認する項目にします。
- 同期・移行の実行前に、既存構成を照合します。 Delta Lake資産の同期を検討する担当者は、Lakehouseコンソールで取り込む対象を確認します。Dataproc Metastoreからの移行を検討する担当者は、現在のスキーマとデータ来歴を記録し、移行後に照合できるようにします。