Googleは2026年10月12日付の発表で、Looker Data Appsを紹介しました。自然言語で要望を伝えると、AIエージェントが対話型のWebアプリを生成し、Looker内で動かせる仕組みです。現在はプレビュー提供中で、データを見るだけでなく、条件を変えた検証や元のレコード更新まで扱えるとしています。
ダッシュボードを残し、業務操作を加える
GoogleはLooker Data Appsを、既存のダッシュボードの置き換えではなく、用途を広げるものと位置付けています。業務に合わせた独自の画面や、複数ページのアプリを作成できます。
利用者は、計算や検証に使う値を入力し、条件を変えたシナリオを試せます。Googleによると、リアルタイムのシミュレーションに加え、元のレコード更新や、Salesforce、Jiraなどへのイベント送信も可能です。画面の閲覧権限だけでなく、どのデータを更新し、どの外部サービスへ送るかが、試用時の確認点になります。
生成されるのはReactを使ったアプリです。コードを書かずにLooker内へ配置できるほか、Claude CodeやAntigravity CLIでも開発できるとしています。外部ポータルへの配置には、ダッシュボードと同じ埋め込み手順を使えます。
日本での提供は発表には書かれていません。日本向けの提供時期、日本語対応、価格、対応リージョンについても記載がありません。
既存の権限を継承、生成したSQLも確認可能
アプリのロジックは、LookMLのセマンティック層で集中管理するとしています。セマンティック層は、データの意味や集計ルールを共通化する仕組みです。既存のモデルに加え、利用者ごとに参照できる行を制限する行レベルのセキュリティと、アクセス制御を継承します。
クエリ検査機能では、生成されたSQLを監査できます。SQLはデータベースに処理を指示する言語です。試用時は、見た目や回答だけでなく、実際にどのデータを取得する処理になっているかも確認したいところです。
Googleによると、LLMという大規模言語モデルのトークン消費は、アプリの設計・生成時だけに発生します。実行時には発生せず、利用者の操作はLookerのAPIとモデルで処理されます。APIはシステム同士をつなぐ窓口です。ただし、この説明だけで利用全体が無料になるとは判断できません。設計・生成時の消費と、それ以外の利用条件は分けて確認する必要があります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Lookerを使い、ダッシュボードで確認した結果をもとに別の画面で更新作業をしている会社です。更新操作を含むアプリを試す場合、閲覧対象に加えて更新対象の整理が必要になります。
- 影響する: LookerからSalesforceやJiraへのイベント送信、外部ポータルへの埋め込みを検討する会社です。利用部門だけでなく、連携先やポータルの管理担当との確認が必要です。
- 影響しない: 既存のダッシュボードをそのまま使う会社について、今回の発表は置き換えを求めるものではありません。
- 影響しない: Lookerを使っていない会社の既存業務に、今回の機能が直接変更を加えるものではありません。導入可能なプラン・版・会社規模の条件は、発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- 今日、Lookerの管理担当に、社内の利用状況とプレビューを試したい部門を確認します。日本での利用可否や対象プランは発表から判断できないため、試用日を決める前に契約窓口へ確認事項を送ります。
- 試用前に、Looker側の既存モデル、行レベルのセキュリティ、アクセス制御の設定を管理担当と確認します。管理画面の具体的なメニュー名は発表にありません。閲覧対象と、試したいレコード更新の対象を分けて記録します。
- 試作アプリの確認時に、クエリ検査機能で生成されたSQLを調べます。データ管理担当に、参照先と集計条件が意図どおりかを確認してもらいます。
- 外部連携を試す前に、Salesforce・Jiraや外部ポータルの管理担当へ、送信するイベントと配置先を知らせます。業務部門とともに、試験に使うデータと更新範囲を決めます。
- 試用の承認前に、契約・予算担当へ、設計・生成時にはトークン消費があることを共有します。実行時にトークンを消費しないという説明と、サービス全体の料金条件を混同せず、未確認の費用を整理します。