AdobeとNVIDIAは、制作・マーケティング分野での協業拡大を発表しました。Photoshop、Premiere、Substance 3Dなどの最適化を進め、制作時のAI処理や編集作業の高速化を図ります。発表日は資料に記載されていません。
制作ソフトの高速化は、対応環境と作業内容が確認点
今回の協業は、両社が先に発表した戦略的提携を基盤としています。Photoshop、Premiere、Substance 3Dの3製品を、RTX Sparkの統合メモリとAI演算に最適化します。NVIDIAは、最適化した3製品のAI処理、編集、色調整、効果処理が最大2倍高速になると説明しています。
製品ごとの取り組みも異なります。AdobeはPhotoshopを、画像処理などを担うGPUで合成処理を高速化する設計へと見直しました。Premiereでは、再生や映像を書き出すレンダリング、効果、色調整、AIツールをRTX向けに最適化します。Substance 3D Painterでは、表面の質感を扱うテクスチャ処理を高速化するとしています。
「最大2倍」はNVIDIAが示した性能情報です。自社のすべての制作作業が同じ割合で短縮されるという説明ではありません。調達を検討する際は、製品名だけでなく、現場が待ち時間を感じている処理との対応を確認することが重要です。
Frame.ioと顧客対応にも協業を拡大
Frame.ioでは、動画データの読み解きや前処理、検索などに使う「埋め込み」と呼ぶ数値データの生成にNVIDIA GPUを活用します。NVIDIAによる一部処理の初期測定では、埋め込み生成が約5倍高速化し、検索用の軽量データであるプロキシは約80%縮小したとしています。これは処理基盤の測定結果であり、利用者の操作全体が同じ倍率で速くなることを示すものではありません。
顧客対応向けのBrand Conciergeも対象です。両社はNVIDIA Nemotronのオープンモデルで最適化しました。NVIDIAは自社サイトの顧客対応に採用しており、組織のデータやコンテンツを基に対話を個別化すると説明しています。最適化したBrand Conciergeは、発表上は年内に企業顧客へ提供する予定です。
日本での提供は発表には書かれていません。日本向けの提供時期、日本語対応、価格、利用リージョンも不明です。また、対象プランや必要なソフトウェアの版、管理画面での設定箇所は、今回の資料では確認できません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Photoshop、Premiere、Substance 3Dを使い、制作環境の更新やRTX Sparkの導入を検討している会社です。必要な構成と、日常業務で使う処理が最適化の対象かを確認する材料になります。
- 影響する: Frame.ioを利用する会社や、Brand Conciergeの導入を検討している会社です。制作端末の最適化とサービス側の処理基盤更新を分けて確認する必要があります。
- 影響しない: 今回の対象製品・サービスを利用せず、導入予定もない会社は、この発表を理由とした更新・調達の検討を切り分けられます。ただし、契約プランや版ごとの対象外条件は発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- 今日、利用状況を整理します。 社内のIT資産台帳や契約一覧で、対象製品・サービスの利用部門、契約プラン、利用版を確認します。台帳で分からない項目は、制作・マーケティング部門の責任者に照会します。
- 現場に、遅い作業を具体的に聞きます。 Photoshopの合成、Premiereの再生・書き出し、Substance 3D Painterのテクスチャ処理など、発表にある処理と実際の困り事を照合します。最大倍率だけで端末更新の必要性を判断しないためです。
- 購入・更新を決める前に、提供条件を問い合わせます。 Adobeや契約先に、対応版、対象プラン、必要な機器、追加費用、日本での提供予定を確認します。設定画面の案内が資料にないため、変更すべき設定の有無と確認手順も併せて質問します。
- 今日、関係部門へ「発表」と「利用可能」を分けて共有します。 制作・マーケティング部門と調達担当に、性能値はNVIDIAの説明であり、Brand Conciergeは提供予定であることを伝えます。自社での検証と提供条件の確認を、購入判断の前提としてそろえます。