Googleは2026年10月20日、Google Distributed Cloud(GDC)のうち、外部ネットワークから隔離した「GDC air-gapped」の機能拡充を発表しました。Gemini 3.5 Flashを一般提供し、Geminiを使う企業内検索をプレビュー提供します。隔離環境でAIを使いたい企業にとって、モデルの選択肢と文書活用の機能が増えます。
モデルと計算基盤を拡充、検索は試験段階
GDCでは、オープンモデルのGemmaとMistralを新たにサポートします。計算基盤では、NVIDIA Blackwell(B300)GPUを搭載したA4 UltraもGDC air-gappedで一般提供します。
Googleによると、仮想マシン(VM)当たりのネットワーク帯域は最大25 Gbpsから32 Gbpsに拡大します。完全管理型のCloud DNSも一般提供を始めました。AIモデルだけでなく、処理やネットワークを支える基盤も拡充する発表です。
一方、企業内検索はプレビュー提供です。Gemini 3.5 Flashの一般提供とは段階が異なるため、導入計画では区別する必要があります。日本での提供は発表には書かれていません。日本語対応、日本向けの価格、提供時期やリージョンについても記載はありません。
検索は外部接続なし、会話とファイルは保持
企業内検索には、関連する情報を検索して回答生成に使う「検索拡張生成(RAG)」を採用しています。Googleによると、公開インターネットやGoogle Cloudのグローバル基盤に接続せずに動作します。
利用者は会話にファイルを追加し、情報検索、要約、比較、翻訳を依頼できます。音声、動画、画像、表計算も、別途の文字起こしや、画像から文字を読み取るOCR処理なしで扱えるとしています。文書と異なる言語で質問することも可能です。ただし、これだけで日本語対応が確認できたとは扱えません。
回答には毎回出典が付きます。入力上限は1ファイル100 MB、1チャット500 MBです。会話とファイルはセッションをまたいで保持されるため、評価時には検索精度だけでなく、投入する資料と保存方針も確認したいところです。
アクセス管理では、既存のIDプロバイダーと連携し、グループ単位で検索機能の利用を管理します。Googleによると、各利用者のチャットとアップロードファイルを閲覧できるのは本人だけです。プロンプト、回答、文書、埋め込みと呼ぶ検索用の数値データは、組織の隔離ネットワーク外に出ません。
表計算データの分析では、Pythonコードを生成してローカルで実行します。生成コードはネットワークを厳格に隔離し、gVisorという隔離実行環境の中で動かすとしています。外部に送らない仕組みと、内部でコードを動かす仕組みの両方が、評価の対象になります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: GDC air-gappedを利用している会社。一般提供されたモデルや計算基盤を、自社の利用計画と照合する対象になります。
- 影響する: 隔離環境で社内文書の検索や要約を検討している会社。企業内検索は候補になりますが、プレビューであることを前提に評価する必要があります。
- 影響しない: GDC air-gappedを利用せず、導入も検討していない会社。今回の機能拡充の対象環境には該当しません。
企業規模や契約プランによる利用条件は、発表には書かれていません。日本の企業が利用できると決めつけず、個別確認が必要です。