製品のサポートや、開発者 向けの交流の場として、Discordのサーバーを運営している会社は少なくありません。そのサーバーが「発見対象」になっていれば、12月中旬から、利用者の書き込みがGoogle などの検索で見つかるようになります。
Discordは2026年10月27日(米国時間)、公式ブログでこの変更を発表しました。日本の利用者は、設定を変えなければ自分の投稿が公開の対象になります。会社の側で決めておくことは、運営する立場と、社員が書き込む立場で分かれます。
Discordの公式ブログの例。発見対象のサーバーのウェブページ 出典: Discord「Making Content from Discoverable Servers Easier to Discover」 (引用)
11月16日と12月中旬に、何が公開されるか
公開は2段階で進みます。管理者と利用者の設定は、発表の当日から使えるようになっています。
時期
公開されるもの
止める方法
10月27日から
何も公開されない。管理者と利用者の設定だけが先に使える
―
11月16日
全ての発見対象のサーバーに「サーバーウェブページ」ができる。11月16日以降の会話から作った自動の要約(チャンネル概要)も載り始める
管理者がチャンネルを外す、要約を選ぶ、要約をオフにする
12月中旬から
公開チャンネルの投稿そのもの(チャンネルメッセージ)が、ウェブページと検索に出る。段階的に進み、最初の投稿が出るまで数週間かかることもある
管理者がチャンネルを外す。利用者が自分の投稿をオフにする
どちらも、投稿した人のユーザー名とアバターは表示しないとしています。ウェブに出る可能性のあるチャンネルには印が付き、書き込む前に分かるようになります。
サーバーウェブページは、これまでも作れましたが、手順が必要だったため、作っていないサーバーもありました。11月16日からは、作っていなければサーバープロフィールの内容で既定のページが公開されます。投稿を検索に出す仕組みは、すでに「NBA 2K」「Rust」「Dead by Daylight」のゲームのサーバーで試されていました。その試験で出たのは、管理者とモデレーターの投稿だけだったといいます。
対象は「発見対象のサーバー」だけ
発見対象のサーバーは、サーバーディスカバリーに載り、招待リンクがなくても誰でも参加できるサーバーです。メンバーが1,000人以上、作ってから8週間以上、活動と安全の条件を満たすことが要件で、6万3,000以上あります。
種類
今回の変更
発見対象のサーバー
対象
コミュニティサーバー(参加に招待リンクが要る)
対象外
ふつうの非公開のサーバー
対象外
DM、グループDM
対象外
ウェブページを持ちたくない場合は、発見対象をやめてコミュニティサーバーに戻す方法がある、とDiscordは書いています。その代わり、サーバーディスカバリーからは見つけてもらえなくなります。
投稿した人が選べることと、選べないこと
利用者は、「ユーザー設定」の「データとプライバシー 」で、自分の投稿をウェブに出さない設定にできます。1つの設定で、参加している全ての発見対象のサーバーに効きます。
この設定の初期値は、地域で違います。EU、英国、カナダ、ブラジル、オーストラリア、韓国では、法律上の制約から初期設定でオフです。日本を含むそれ以外の地域ではオンです。10代の利用者は、大人になるまで対象から外れ、オンにもできません。
選べないこともあります。
設定をオンのまま書いた投稿は、あとでオフにしても、Discordで削除しない限りウェブに残ります。オフにした後の投稿だけが出なくなります。
自動の要約は、利用者の設定では止められません。チャンネルの話題から作られるもので、止められるのは管理者だけです。
ITmediaの記事によると、検索エンジンに残った検索結果やキャッシュは、元の投稿を消しても、消えるまでに時間がかかる場合があります。
ユーザー名が出なくても、書いた中身や前後のやり取りから、誰の投稿か分かることはあります。社名や製品の名前、エラーの文面が並べば、どの会社の話かは見当が付くでしょう。
公式ブログの概要。11月16日と12月中旬の2段階で公開が進む 出典: Discord「Making Content from Discoverable Servers Easier to Discover」 (引用)
影響を受ける会社と、受けない会社
影響を受ける会社: 自社で発見対象のサーバーを運営している会社です。ゲーム、ソフトウェアやサービスの利用者サポート、開発 者向けのコミュニティ、ファンのコミュニティなどです。
影響を受ける会社: 社員が、使っている製品の公式のコミュニティなど、発見対象のサーバーに業務の話を書き込んでいる会社です。日本の利用者は初期設定でオンなので、設定を変えなければ対象になります。
影響を受けない会社: 社内の連絡に、招待リンクが要るサーバーだけを使っている会社です。DMとグループDMも対象外です。Discordを使っていない会社には、今回の変更は関係ありません。
運営する会社が、11月16日までに確認すること
何も変えなければ、公開チャンネルは全て対象のまま、11月16日にウェブページと要約が公開されます。管理者の設定は「サーバー設定」の「ウェブ上のプレゼンス」にあります(ITmediaの記事では、「コミュニティ」の中の「ウェブプレゼンス」)。
自社のサーバーが発見対象になっているかを確認する。サーバーディスカバリーに載せた覚えのない担当者が多いはずなので、運営チームに聞く。
公開チャンネルを洗い出し、ウェブに出すチャンネルを選ぶ。サポートの質問のチャンネルは、利用者が注文番号、エラーの画面、ログ、設定の値を貼りやすい場所です。出すなら、貼ってはいけないものを投稿のルールに書いてからにする。
自動の要約を使うかを決める。使うなら、どのチャンネルから作るかを選び、載る要約を管理者が選べるようにしておく。
サーバーウェブページの中身を、11月16日より前に自分で整える。既定のページはサーバープロフィールから作られるので、古い説明が残っていないかを見る。
メンバーに告知する。12月中旬から投稿が検索に出ること、自分の分は「データとプライバシー」で止められること、止める前の投稿は削除しない限り残ること、の3点です。
広報 や法務が関わっていないサーバーなら、この機会に、誰が設定を決めるのかをはっきりさせておくとよいでしょう。サーバーの設定は管理者の権限があれば誰でも変えられるので、決めた内容と日付を、運営チームの記録に残しておきます。
社員への案内で伝えること
社員が業務で書き込む先は、自社のサーバーだけではありません。ゲームエンジン、開発ツール、クラウドサービスなどの公式のコミュニティにも、発見対象のサーバーがあります。不具合の相談で、社内のホスト名や設定の一部、エラーのログを貼っていれば、それが検索で見つかる可能性があります。
案内では、次の3つを伝えれば足ります。
12月中旬から、発見対象のサーバーの投稿が検索に出る。日本では初期設定でオン。
出したくなければ、12月中旬より前に「ユーザー設定」の「データとプライバシー」でオフにする。オンのまま書いた投稿は、あとで設定を変えても残る。
社内のホスト名、ログ、キー、お客さまの情報は、どの設定でも貼らない。
3つめは、今回の変更の前から同じです。発見対象のサーバーは、もともと誰でも入って読める場所でした。変わるのは、その中にいなくても、検索から読まれるようになることです。
SNSの利用のルールで、「公開の場所」にDiscordのコミュニティを入れていない会社もあるでしょう。12月中旬の前に、ルールの対象に入っているかを見直しておくと、社員に案内するときにも説明しやすくなります。