2027年10月11日。この日で、VMware vSphere 8のESXi・vCenter・vSANは一般サポートが終わります。今日(2026年10月26日)から数えて、残りは約11か月半です。
日経クロステックは同日付の記事で、Broadcom が東京で開いた年次イベントでVMware Cloud Foundation(VCF)9.1への移行 を促したと伝えています。この記事では、Broadcomの公式資料で確かめられる終了日・移行先・ライセンス の形と、オンプレミスで仮想化 基盤を持つ情シス が今年度から来年度にかけて決めることを整理します。
終了日はいつで、何が対象か
BroadcomのKB(ナレッジベース)は、vSphere 8.0の一般サポート終了を2027年10月11日と告知しています。対象はESXi 8.x、vCenter 8.x、vSAN 8.xで、3つとも2022年10月11日に公開された版です。
同じ日に終わる製品は、vSphere だけではありません。別のKBの一覧には、次の製品が並びます。
製品
版
サポート終了日
VMware ESXi / vCenter Server / vSAN
8.x
2027年10月11日
VMware Cloud Foundation
5.2.x
2027年10月11日
VMware NSX
4.x
2027年10月11日
VMware HCX
4.x
2027年10月11日
VMware Aria Operations / Automation / Operations for Logs
8.18.x
2027年10月11日
VMware Live Recovery
9.0.x
2027年10月11日
VMware Cloud Director
10.6.2
2028年8月12日
Broadcomが告知した、2027年に終わる製品と版の一覧 出典: Broadcom ナレッジベース (引用)
終了日の後は、技術サポートも新しい修正パッチもなくなる、とBroadcomは書いています。なお、VDI用のライセンス(VVF for VDI)は別のライフサイクルで、この表の日付とは違います。
一方、vSphere 7は2025年10月2日に一般サポートが終わっています。当初は2025年4月2日の予定で、Broadcomが6か月延ばした経緯があります。7のまま動かしている環境は、期限の議論の前に、すでに修正パッチが出ない状態です。
Broadcomが勧める移行先とライセンスの形
KBは移行先として、VMware Cloud Foundation(VCF)9かVMware vSphere Foundation(VVF)9を挙げています。VCFはvSphere・vSAN・NSXと管理ツールをまとめた製品で、VVFは従来型のvSphere環境向けの製品です。
VCF 9.1は2026年5月5日に発表され、リリースノートの日付は5月12日です。Broadcomは、メモリー階層化で最大40%のサーバー費用削減、クラスターの更新が4倍速いなどの数字を挙げています。いずれも同社の社内の見積もりや試験にもとづく数字で、情シスの環境でそのまま出るとは限りません。
ライセンスの形は、2023年12月から変わっています。BroadcomはVCFとVVFをサブスクリプションのみの提供とし、永続ライセンスの新規販売を終えました。小規模な環境向けには、vSphere StandardとvSphere Essentials Plus Kitのサブスクリプションが残っています。
課金の単位は、VCFの公式の資料(2025年11月版)によるとコア数です。1プロセッサーあたり最低16コアで数えます。サーバーのコア数が少なくても、この最低数で計算される点は、見積もりの前提として押さえておく必要があります。
サポートの期間も変わりました。VCF 9からは、大きな版を6年間サポートし、必要なら1年の延長サポートを買える「6+1」です。初期の小さな版は27か月、最後の版は45か月を見込む、とBroadcomは説明しています。VCF 9.x全体の終了は2031年6月17日と見込まれていますが、これは見込みの日付です。
公開日から単純に計算すると、VCF 9.0(2025年6月17日公開)の27か月後は2027年9月ごろです。これは編集部の計算で、Broadcomが9.0の終了日として示した日付ではありません。移行先を9.0にするか9.1以降にするかは、Broadcomのライフサイクルの一覧(サポートポータル)で日付を確かめてから決めてください。
うちの会社は関係あるか 版と契約で分ける
次のように分けて考えます。
影響する: vSphere 8.xのESXi・vCenter・vSANを使っている会社。2027年10月11日に一般サポートが終わります。
影響する: VCF 5.2.x、NSX 4.x、HCX 4.x、Aria 8.18.xなどを使っている会社。終了日は同じです。
影響する: vSphere 7.xのまま動かしている会社。すでに2025年10月2日に終わっています。
影響しない: VCF 9.xやVVF 9.xへすでに移っている会社。ただし9.xの各版の終了日は別に確かめます。
影響しない: 仮想化基盤をクラウドの仮想マシンサービスだけで動かし、自社でESXiを持っていない会社。ESXiを使うクラウドの場合は、提供事業者に確認します。
終了日の後も、仮想マシンは動き続けます。ただし脆弱性が見つかっても修正パッチは出ません。仮想化基盤は社内のすべてのサーバーの下にあるため、修正が出ない状態は、取引先のセキュリティの点検表や監査でも指摘されやすくなります。
残る・上位版へ・ほかの基盤へ 3つの道の比べ方
道は大きく3つです。どれが正しいかは、会社の台数・更新の時期・予算で変わります。
道
向いている会社
先に確かめること
残る(サポートが切れたまま使う)
来年度中に廃止するシステムが主で、外部への接続が少ない
修正が出ない期間の対策、監査や取引先への説明、廃止の日付
上位版へ(VCF 9かVVF 9)
仮想マシンが多く、止められない業務が多い
対応ハードウェア、バックアップなど周辺製品の対応版、サブスクリプションの見積もり
ほかの基盤へ移る
台数が少ない、またはクラウドへ移す予定がある
移行の期間と費用、運用の手順の作り直し、元の契約の終了日
上位版へ進む場合は、いまのサーバーが次の版に対応しているかを、Broadcom Compatibility Guideで機種ごとに確かめます。対応外ならサーバーの更新も必要になり、費用の見積もりが大きく変わります。
移る場合は、仮想マシンの変換は作業のごく一部です。バックアップ、監視、障害時の復旧、運用の手順書を作り直す時間のほうが長くかかります。
来年10月までに確かめること
日本の多くの会社では、2027年10月11日は来年度の下期に入った直後です。上期のうちに切り替えを終えるなら、今年度中に方針を決め、来年度の予算に入れる必要があります。
台帳で版を洗い出す。 ESXi・vCenter・vSANのすべての版を一覧にします。vSphere 7が残っていれば、最優先にします。
契約の更新日を確かめる。 今のサブスクリプションの期間と、更新の見積もりが出る時期を代理店に聞きます。コア数で数える点も伝えて、最低16コアの条件で試算してもらいます。
ハードウェアの対応を調べる。 Broadcom Compatibility Guideで、サーバーとストレージが次の版に対応するかを機種ごとに確認します。
周辺製品の対応版を確認する。 バックアップ、監視、ウイルス対策、運用の自動化ツールが、移行先の版に対応しているかを、各製品の提供元に聞きます。
3つの道の費用と期間を並べて、経営に出す。 2026年度中に方針を決める場合は、遅くとも年明けに見積もりを取り、予算の会議に間に合わせます。
終了日はBroadcomが更新することがあります。vSphere 7は一度延びました。延びることを前提に計画を組むのは避け、公式のKBを月に1回見る担当を決めておくと確実です。