Microsoftは、Office 2021とOffice LTSC 2021のサポートを、2026年10月13日に終了します。Microsoftの日付は米国太平洋時間(PT)の表記で、今日(10月8日)からあと5日です。延長はなく、有償の延長更新(ESU )もありません。
この記事は、Microsoftの公式資料だけを根拠に、対象の製品、終わった後に起きること、移行先を選ぶ確認点をまとめます。
終了日と対象の製品
Microsoft Learnのライフサイクルのページによると、日付は次のとおりです。
製品
開始日
終了日
載っている版
Office 2021
2021年10月4日
2026年10月13日
Home and Business、Home and Business for Mac、Home and Student、Home and Student for Mac、Professional
Office LTSC 2021
2021年9月15日
2026年10月13日(メインストリームの終了)
Standard、Standard for Mac
日付は、ページに「米国太平洋時間」と書かれています。時刻までの指定は資料に書かれていません。
Microsoft LearnのOffice 2021のサポート日程のページ 出典: Microsoft Learn (引用)
Microsoft 365 ブログ(2026年9月14日)は、Visio LTSC 2021、Microsoft Project LTSC 2021、ほかの複数の製品のサポートも同じ10月13日に終わると書いています。LTSC 2021のスイートと単体製品が対象です。Learnの一覧に載っている版は上の表のとおりなので、自社の版は、Learnの製品検索で確かめてください。
終わった後に起きること
Microsoftのサポートページは、10月13日以降の変化を次のように書いています。
Office 2021の脆弱性 が新しく報告・発見されても、セキュリティ修正や不具合の修正、技術サポートは出ない。
Office 2021のソフトウェア更新は届かない。
電話やチャットでの技術サポートは受けられない。
サポートの内容の更新はなく、オンラインのヘルプの多くが廃止される。
同じページは、Office 2021のアプリは動き続ける場合があるとも書いています。ただし「重大で有害なセキュリティ上の危険にさらされるおそれがある」としています。Microsoft 365ブログは、これに加えて、コンプライアンス 上のリスク、システムとの非互換などが起きうると書いています。
MicrosoftサポートのOffice 2021サポート終了のページ 出典: Microsoft サポート (引用)
Microsoft 365などのサービスにつなぐ点も確認が必要です。LearnのFAQは、メインストリームサポート中のOfficeは、Microsoft 365のサービスへの接続がサポートされると書いています。古い版は接続できても、その接続はサポートされず、性能や信頼性の問題が出ることがあるとしています。Exchange OnlineやSharePoint Onlineを使う会社は、10月13日にサポートが終わるとこの条件の対象外になるため、接続の確認が必要です。
移行先は何があるか
Microsoft 365ブログは、移行先を次のように示しています。
会社の状況
Microsoftが示している移行先
一般的な企業
Microsoft 365 E3、Office 365 E3、またはMicrosoft 365 Apps for enterprise
300人未満の組織
Microsoft 365 Business Premium、Business Standard、またはMicrosoft 365 Apps for business
ネットから完全に切り離す必要がある環境
Office LTSC 2024
Microsoft 365 Appsは、常に最新の版が提供され、モダンライフサイクルポリシーで継続してサポートされます。Office LTSC 2024は、固定ライフサイクルポリシーで2029年10月まで(Learnでは2029年10月9日)サポートされます。Office 2024(Home、Home & Business)も、Learnでは同じく2029年10月9日が終了日です。
日本での提供と価格は、今回確認した資料には書かれていません。購入窓口と価格は、Microsoftまたは販売店の案内で確認してください。
影響する会社・しない会社
影響する: 買い切り型のOffice 2021(Home and Business、Home and Student、Professionalなど)を、会社のPCで使っている会社です。
影響する: Office LTSC 2021、Visio LTSC 2021、Project LTSC 2021を、ボリュームライセンスで入れている会社です。
影響する: 社員が個人で買ったOffice 2021を、業務で使っている会社です。資産台帳に載っていないものが残りやすい場所です。
影響する: 工場の端末や専用機など、ネットにつながない環境でOffice 2021を使っている会社です。Microsoftは、こうした環境の移行先にOffice LTSC 2024を示しています。
影響しない: Microsoft 365 Apps(サブスクリプション)を使っている会社です。モダンライフサイクルで継続サポートされています。
影響しない: Office 2024、Office LTSC 2024を使っている会社です。終了は2029年10月9日です。
影響しない: Office 2021より前の版は、今回の発表の対象ではありません。それぞれの終了日は、Learnのライフサイクルのページで確認してください。
情シスが今日やること
以下は、10月13日までの時間が短いことを踏まえた確認の順番です。Microsoftが指定した作業の手順ではありません。
今日中に、Office 2021の台数と版を洗い出します。資産管理ツール、ソフトウェアの一覧、Microsoft 365管理センターのレポートを使い、Office LTSC 2021、Visio、Projectも含めます。
台数が分かったら、各台を3つに分けます。Microsoft 365 Appsに移せるもの、ネットから切り離すためLTSC 2024にするもの、使うのをやめるものです。
Microsoft 365 Appsに移す場合は、契約の種類(従業員300人未満はBusiness系、それ以外はE3系かApps for enterprise)と、ライセンスの購入窓口を調達担当に確認します。日本での価格と納期は、販売店に問い合わせます。
10月13日までに移行が終わらない端末は、期限後の使い方を決めます。インターネットに出さない、メールの添付ファイルを開かせない、など、利用部門に守ってもらう条件を書いて知らせます。この条件の例は編集部の提案で、Microsoftの資料に書かれたものではありません。
移行の計画と、期限後に残る端末の一覧を、経営層と情報セキュリティ 担当へ報告します。Microsoftは、組織向けの移行にFastTrack(Microsoftの支援サービス)の利用を挙げています。