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日本を狙う攻撃、AIの関わり方は3通り トレンドマイクロ解析 入口は古い管理画面とVPN

トレンドマイクロは、日本の組織を狙った3つの攻撃基盤を解析し、AIの使われ方に大きな幅があると公表しました。44のAIエージェントで19組織以上を調べたもの、AIのGPU基盤まで狙ったもの、ヤマハのRTX1210の設定ファイルの認証情報でVPNにつないだものです。入口はどれも古いシステムと設定の不備でした。情シスが先に確認することを整理します。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆編集部が確認:
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日本を狙う攻撃、AIの関わり方は3通り トレンドマイクロ解析 入口は古い管理画面とVPN

この記事のまとめ

  • トレンドマイクロは、攻撃者が公開状態のまま放置したサーバーに残っていたファイルから、日本を狙う3つの攻撃基盤を解析しました。AIが攻撃の工程全体を動かしたもの、計画とツール作りを助けたもの、ツール作りだけに使われたものに分かれます。
  • 1つめはCyberStrikeAIの44のエージェントで、19組織以上(日本16以上)を調べていました。3つめは、ヤマハのRTX1210の設定ファイルに残った認証情報で、企業の社内ネットワークに直接つないでいました。
  • どの基盤も、入口は認証のない管理画面や既定のパスワードなど、昔からの不備でした。公開しているシステムと境界の機器の棚卸しが、いちばん効く対策です。
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ヤマハのVPNルーター「RTX1210」の設定ファイルに残っていた認証情報で、企業の社内ネットワークに直接つないでいた。トレンドマイクロは10月23日、日本の組織を狙う攻撃者の基盤を解析した結果を公表し、こうした例を挙げました。27日には英語版も出しています。

解析したのは3つの攻撃基盤で、どれもAIを使っていました。ただ、AIの関わり方には大きな幅がありました。攻撃の工程を丸ごとAIのエージェントに任せたものもあれば、ツールの作成にだけ使ったものもあります。共通していたのは入口で、認証のない管理画面や既定のパスワード、設定ファイルに残った認証情報といった、昔からの不備でした。

トレンドマイクロの記事の表「3つの攻撃基盤の全体像」。事例Aは、AIが担う範囲が工程全体の自律実行(エージェント型ハーネス)、AI利用は確認、活動期間は2026年10月の短期集中、主な標的国は日本中心で台湾・香港も、標的は中小企業・地域公共の旧式Webシステム全般、試行対象は19組織以上でうち日本16組織以上、深い侵害が言えるのはごく一部で1社の侵入連鎖が最も明確。事例Bは、計画立案と道具作りの広範な活用、確認、2026年8〜9月の約24日間、日本中心で韓国のAI資産も、旧式Webシステムと外部公開されたAI/GPU基盤、日本の6,000以上のIPアドレスを走査しうち数社を重点的に攻撃、1〜2社で最深侵害と大量のデータ窃取。事例Cは、道具作りなど一部に限定、高確度、2026年1〜10月の長期・並行、日本・韓国中心で英・仏・伊・カタール・コロンビア等も標的リストに、VPN機器(日本で普及するヤマハRTX1210等)やWebLogicの露出を見つけ次第、1,300以上のWebLogic候補と35以上のVPN入口、一部でVPN接続の成功は多数だが深部までの侵害は限定的。作業言語はいずれも簡体字中国語
トレンドマイクロの解析。3つの基盤で、AIが担う範囲と標的が違う出典: トレンドマイクロ「ARTEXだけではない:日本を狙う3つの攻撃基盤に見るAI関与の実態」(引用)

材料は、攻撃者が公開状態のまま放置したサーバー(オープンディレクトリ)に残っていた、ツールや標的の一覧、記録、コマンドの履歴です。被害を受けた側の記録は含まれていません。トレンドマイクロは、攻撃者の「成功した」という書き込みをそのまま信じず、攻撃者側に直接の証拠があるものだけを「確認」として扱っています。被害の組織の名前は出さず、侵害の指標(IPアドレスなど)も、捜査への影響を避けるため法執行機関にだけ渡すとしています。被害が疑われる組織への通知も準備しているそうです。

事例A: 44のAIエージェントが分業し、19組織以上を調べた

1つめの基盤では、CyberStrikeAIというオープンソースの侵入テストのツールが悪用されていました。偵察、脆弱性の調査と検証、攻撃、遠隔からの指令、居座り、情報の持ち出し、報告書の作成までを、44のエージェントが分担して自動で回す作りです。日本語のフォームや偽のログインの画面も、基盤が自分で作っていました。

2026年10月の短い期間に、19組織以上(うち日本16組織以上)が検証の対象になり、組織ごとに同じ形式の報告書が残っていました。一つの組織への接触は、見つからないよう低い頻度に抑えられていたといいます。1社の記録だけを見ていても、気づきにくい攻撃です。

一方で、深い侵害まで言えるのはごく一部でした。多くの標的について、基盤自身が「セッションなし、Webシェルなし、持ち出しなし」と記録しています。最も深く入り込めた1社でも、入口は認証のない公開の管理画面でした。

事例B: 人が主導し、AIは計画とツール作り。AIの基盤も標的に

2つめは、人が主導し、大規模言語モデル(LLM)に攻撃の計画とツール作りを手伝わせていた基盤です。攻撃者は、これは許可された検査だという偽りの前提をLLMに与え、安全のための制限をくぐろうとしていました。

狙いは古いWebシステムだけではありませんでした。標的の一覧には、AIのワークフローの基盤や推論のサービスが入っていて、他人のAIサービスの利用権を乗っ取って使い回すツールも用意されていました。AIの計算能力を安く大量に手に入れるのが狙いだったとみられます。ただし、AIのクラスターへの侵入を狙った数百回の試みは、すべてエラーで終わっていました。

被害が大きかったのは、古いシステムのほうです。少なくとも1社では、FTPからデータベース、管理者の権限、Webシェル、SSHまで握られ、片付けたあとも裏口を何度も戻されていました。別の1社では、既定の認証情報のまま公開されていた地図のシステム(GISサーバー)から入られ、地籍や商業のデータ数十万件、Windowsの認証情報、メールが持ち出されていました。

事例C: RTX1210は脆弱性ではなく、設定ファイルの認証情報

3つめは、自動化と記録の習慣を持つ、腕の立つ攻撃者の基盤です。AIはツールの作成にだけ使われたとみられ、コマンドの履歴の見出しや、絵文字を使ったスクリプトのコメントに、AIが書いたものに特有の跡が残っていました。

2026年1月から10月にかけて少なくとも6つのキャンペーンを走らせていました。狙いは外から見えるVPN機器と、OracleのアプリケーションサーバーWebLogicで、見つけ次第に攻撃しています。標的の機器は、Cisco SD-WAN、Citrix NetScaler、F5 BIG-IP、ヤマハのRTX1210です。

機器 使われた手口
Cisco SD-WAN、Citrix NetScaler、F5 BIG-IP 公開済みの脆弱性や、管理の機能の悪用を試みた
ヤマハのRTX1210 製品の脆弱性ではなく、手に入れた設定ファイルに残っていた認証情報で、企業の社内ネットワークに直接接続できていた

RTX1210は、国内の中小企業や拠点で広く使われているVPNルーターです。トレンドマイクロは、まとまった数が狙われていたことから、攻撃者が日本の導入の実情をよく分かっていたとみています。VPNへの接続の成功は多数あった一方、社内の奥まで入られた例は限られていたそうです。

AIが変えたこと、変えていないこと

トレンドマイクロの整理は、次のとおりです。

観点 内容
AIが変えたもの 同時に扱える標的の数、試す速さ、標的の国の言葉への対応、記録と報告の自動化
AIが変えていないもの 悪用される脆弱性の種類、入口の性質(公開された古いシステムや既定の設定)、深い侵害に至る割合
AIの弱み 計画の段階のものを実施済みと記録する、自分の結果を楽観的に評価する

AIは攻撃者の「人数」を増やしたものの、探しているのは相変わらず鍵のかかっていない扉だ、という見立てです。報告の中の「成功」の数をそのまま信じないこと、という注意も付いています。

国内の組織を狙う攻撃では、AIの侵入テストのツール「ARTEX」が使われた例も報告されています(国内約20社を狙う攻撃にAIの侵入テストツール「ARTEX」 韓国では90社侵入の容疑者を逮捕)。今回の3つの基盤は、それとは別の系統です。3つが同じ攻撃者のものかどうかも分かっておらず、作業の言葉が簡体字の中国語だったことは、攻撃者の所属を決める根拠にならないとしています。

影響を受ける会社

  • 古いWebシステムや管理画面を、インターネットに公開したままの会社です。事例AとBの入口は、認証のない管理画面や既定の認証情報でした。中小企業や地域の公共団体のシステムが多く狙われています。
  • 拠点や在宅勤務のVPNに、RTX1210などのルーターを使っている会社です。設定ファイルの扱いと、そこに書いた認証情報の使い回しが問題になります。保守の会社が設定ファイルを持っている場合も含みます。
  • Cisco SD-WAN、Citrix NetScaler、F5 BIG-IP、WebLogicを外に出している会社です。公開済みの脆弱性の修正が済んでいるかが分かれ目です。
  • 社内で推論のサービスやGPUの基盤、AIのワークフローの基盤を動かしている会社です。外から見えていれば、それ自体が標的になります。

確認すること

トレンドマイクロが示した優先順位を、社内の作業に置き換えました。

  1. インターネットに公開しているWebシステムを一覧にし、古いものは更新するか、外から切り離します。
  2. 管理画面が外から見えていないか、既定の認証情報のまま残っていないかを点検します。GISのような部門のシステムや、検証のつもりで立てたサーバーも含めます。
  3. VPN機器の設定ファイルを、だれが、どこに保管しているかを確認します。保守の会社に渡した写しも対象です。設定ファイルに書いた認証情報は、ほかの機器やアカウントで使い回していないかを見直し、流出の恐れがあれば変更します。
  4. 社内のAIの基盤(推論のサービス、ワークフロー、GPUのサーバー)が、外から見えていないかを確認します。
  5. 低い頻度で広く試す攻撃は、1台の記録だけでは目立ちません。ログイン画面への失敗や、見慣れない送り元からの少数の接続も、まとめて見る仕組みを考えます。
  6. 業務でLLMを使う会社は、「正規の業務です」と前提を与える依頼で、生成させてはいけない内容が出ないかを、使い方の決まりとあわせて確認します。

AIが使われていてもいなくても、狙われるのは閉め忘れた扉です。RTX1210の設定ファイルがいまどこにあるか、まずはそこから確かめたいところです。

よくある質問

QAIを使った攻撃には、特別な対策が要りますか。

Aトレンドマイクロは、防御の優先順位は変わらないとしています。3つの基盤とも、入口は公開された古いシステムや、既定の設定のまま残った不備でした。公開しているシステムの棚卸し、既定の認証情報と管理画面の点検、VPN機器の設定の管理が先です。そのうえで、社内のAIの基盤が外から見えていないかを加えます。

出典・参考

編集部が確認:。確認した監修者は、この下に載せています。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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