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OpenSSLの脆弱性14件、深刻度「高」はDTLSの1件。Linux各社の修正と確認手順

OpenSSLが2026年9月29日に14件の脆弱性を公表しました。深刻度「高」はDTLSの1件で、多くはQUICなど特定の機能を使うアプリだけが対象です。14件の一覧と、Ubuntu・Debian・Red Hat・Rockyの修正、情シスの確認手順をまとめます。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
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OpenSSLの脆弱性14件、深刻度「高」はDTLSの1件。Linux各社の修正と確認手順

この記事のまとめ

  • OpenSSLは2026年9月29日、脆弱性14件を公表しました。深刻度は「高」が1件、「中」が1件、「低」が12件です。
  • 「高」はDTLSの再送処理のCVE-2026-84782です。DTLSを使うアプリが対象で、メモリの内容が相手に送られる、または異常終了する恐れがあります。
  • 残りの多くはQUIC・CMP・SM2など、特定の機能を使うアプリだけが影響を受けます。FIPSモジュールへの影響は、14件とも「なし」です。
  • ドイツのBSIは10月11日(UTC)付でRed HatとRockyの修正を加えました。LinuxはOSの更新、同梱製品はメーカーの案内を確認します。
こんな方に#30代#40代#50代実務

OpenSSLは2026年9月29日、脆弱性14件を公表しました。深刻度は「高」が1件、「中」が1件、「低」が12件です。ドイツのBSI(CERT-Bund)は同じ日に注意情報WID-SEC-2026-3638(深刻度「hoch」=高)を出し、10月11日(UTC)付の更新でRed HatとRocky Linuxの修正を加えました。

14件のうち深刻度が高いのは1件で、多くは、特定の機能を使うアプリだけが影響を受けます。Linuxサーバーは、OSのパッケージ更新で対応します。

公式の資料で確かめられたこと

項目 内容 出どころ
公表日 2026年9月29日 OpenSSLのアドバイザリ
件数・深刻度 14件。高1件(CVE-2026-84782)、中1件(CVE-2026-84783)、低12件 同上
修正版 4.0.3、3.6.5、3.5.9、3.4.8(いずれも2026年9月29日公開) OpenSSLのダウンロードのページ
延長サポート 3.0.23、1.1.1zj、1.0.2zsは、プレミアムサポートの契約者だけが対象 アドバイザリ
FIPSモジュール 14件とも「影響なし」(該当のコードがFIPSモジュールの範囲の外) 同上
BSIの評価 深刻度「hoch」(BSIの評価)。初版9月29日、最新の第7版は10月11日(UTC) BSIの注意情報
悪用の状況 資料に書かれていない 確かめた資料すべて

3.1・3.2・3.3はサポートが終わっており、分析していないとも書かれています。

深刻度「高」はDTLSの1件

深刻度「高」のCVE-2026-84782は、DTLS(UDPの上でTLS相当の通信をする方式)の、ハンドシェイクのメッセージの再送処理の不具合です。アドバイザリの原文は次のとおりです。

The retransmitted message can disclose a heap memory to the peer as plaintext handshake data or cause a crash and a Denial of Service when the read reaches an unmapped memory region.

出典: OpenSSL Security Advisory [29th September 2026]

メモリの内容が、平文のハンドシェイクのデータとして相手に送られる恐れと、異常終了によるサービス拒否(DoS)の恐れがあります。対象の版は、4.0・3.6・3.5・3.4・3.0・1.1.1・1.0.2です。

OpenSSLの脆弱性の一覧のCVE-2026-84782の項。深刻度High、公開日2026年9月29日、対象は4.0から1.0.2まで、Issue summaryの冒頭
OpenSSLの脆弱性の一覧。CVE-2026-84782の項(深刻度High・対象の版)出典: OpenSSL「OpenSSL Vulnerabilities」(引用)

「中」はOpenSSL 4.0だけ

CVE-2026-84783は、X.509証明書の拡張情報のキャッシュで起きる解放後使用です。原文によると、対象はOpenSSL 4.0だけで、3.6以前は影響を受けません。信頼するCA証明書への最初の検証が複数の接続で同時に行われたときに限り、複数スレッドのTLSクライアントなどが異常終了する恐れがあります。

14件の一覧

いずれも、14件の原文(OpenSSLのアドバイザリ)から拾いました。対象の版は、「高」が4.0〜1.0.2のすべて、「中」が4.0だけです。QUICの5件は3.4以降の系列が対象で(35191だけは3.5以降)、3.0以前は対象外です。SM2の署名の77696と、DTLS 1.2の75806は4.0〜1.1.1です。

CVE 深刻度 内容 影響する使い方
CVE-2026-84782 高 DTLSの再送処理。メモリの内容の漏えい、異常終了 DTLS
CVE-2026-84783 中 X.509拡張のキャッシュの解放後使用 複数スレッドのTLSクライアント、クライアント証明書を求める複数スレッドのTLSサーバー
CVE-2026-35189 低 失効リスト配布点を大量に含む証明書で、メモリを大量に消費 相手の証明書を受け取るクライアント、クライアント証明書を求めるサーバー
CVE-2026-35191 低 QUICの増幅の上限(3倍)を超えて応答する アドレス検証を無効にしたQUICサーバー
CVE-2026-42772 低 QUICのストリームの再構成でCPUを消費 QUIC
CVE-2026-54872 低 ブレインプール曲線など、専用の実装が無い曲線のECDSA・SM2署名で、処理時間から秘密の情報が漏れる 該当する曲線のECDSA署名、SM2署名(P-256・P-384・P-521は対象外)
CVE-2026-54873 低 QUICのパケットのメモリが長く保持される QUIC
CVE-2026-54875 低 SM2の秘密鍵の処理の時間・キャッシュから情報が漏れる ARM64・RISC-VでのSM2の署名・復号
CVE-2026-72897 低 SSL_set_SSL_CTX()でのハンドシェイク中の切り替えで、範囲外のメモリにアクセス SSL_set_SSL_CTX()を呼ぶTLSサーバー(条件あり。原文は初期設定ではないと説明)
CVE-2026-75804 低 QUICの接続全体のフロー制御が効かず、メモリを大量に消費 QUIC
CVE-2026-75805 低 CMPクライアントのNULLポインタ参照による異常終了 PKCS#10のCSRで失効を要求するCMPクライアント
CVE-2026-75806 低 短すぎるAEADのレコード1つで、DTLS 1.2の接続が切れる DTLS 1.2のAEAD暗号スイート
CVE-2026-77696 低 SM2の署名生成で、処理時間から秘密の情報が漏れる SM2の署名(全プラットフォーム)
CVE-2026-84784 低 QUICの接続IDの廃棄の要求がたまり、メモリを大量に消費 QUIC

アドバイザリが書く条件は、おおむね次のとおりです。

  • QUICの5件(35191・42772・54873・75804・84784): QUICを使うアプリだけが対象です。35191は、アドレス検証を無効にしたQUICサーバーに限ります。OpenSSLのQUICの実装を使うかどうかは、アプリ側で決まります
  • CMP(CVE-2026-75805): openssl cmp -cmd rr -csr かOSSL_CMP_exec_RR_ses()でCSRを使って失効を要求するクライアントだけです。証明書、または発行者と通し番号で指定するクライアントは影響を受けません。また、悪意のあるCMPサーバーか、メッセージ保護の秘密を持つ中間者が必要です
  • SM2・ブレインプール曲線(54872・54875・77696): 署名などの処理時間を測れる攻撃者が前提です。54872について、原文は漏れはごく小さいと書いています

修正が出ているか(各社の公式の情報)

BSIの参照にある各社の情報のうち、編集部が開いて確かめたものです。

提供元 情報 内容
Ubuntu USN-8847-1(2026年9月29日) 26.04 LTS: libssl3t64 3.5.5-1ubuntu3.6、24.04 LTS: libssl3t64 3.0.13-0ubuntu3.16、22.04 LTS: libssl3 3.0.2-0ubuntu1.30。更新後は再起動が必要と書かれている
Debian DSA-6531-1 trixieの修正版は 3.5.7-1~deb13u3。対象のCVEは13件(CVE-2026-84783を除く)
Red Hat RHSA-2026:76918(10月6日)、RHSA-2026:77396(10月7日) RHEL 10とRHEL 9のopenssl。重大度は「Important」で、修正するのはCVE-2026-84782
Rocky Linux RLSA-2026:77396(2026年10月9日) Rocky Linux 9のopenssl。重大度は「Important」で、修正するのはCVE-2026-84782

Ubuntuの22.04と24.04は、パッケージの版の番号が「3.0」系のまま修正が入っています。BSIの注意情報は、9月29日の初版から10月11日(UTC)の第7版まで、Red Hat・Ubuntu・SUSE・Oracle Linux・Rocky Enterprise Software Foundationの修正を順に加えてきました。

書かれていないこと

次の点は、確かめた資料には書かれていません。この記事でも書きません。

  • 14件のいずれかが悪用された、という報告
  • OpenSSLを同梱する個別の製品(VPN装置・NASなど)が影響を受けるかどうか。メーカーごとの案内によります

影響する会社・しない会社

  • 影響する: LinuxサーバーのOpenSSLが修正前の版の会社。DTLSを使うアプリがあれば、先に確認します
  • 影響する(確認が要る): OpenSSLを同梱した製品(VPN装置・NAS・ミドルウェア・自社開発のアプリなど)を使っている会社。同梱の版は、OSの更新では変わりません
  • 影響する(確認が要る): OpenSSL 3.4・3.6を自分で入れている会社。公式のサポートは、3.4が2026年10月22日、3.6が11月1日に終わります(OpenSSLの資料)
  • 影響しない(CVEによる): OpenSSL 3.0・1.1.1・1.0.2のうち、各CVEで「not affected」とされた系列。たとえばQUIC関連は3.0以前が対象外です
  • 影響しない(その機能を使わない会社): DTLS・QUIC・CMP・SM2を使うアプリが無い会社は、「高」以外の多くの件の条件に当たりません。使う機能は製品ごとに違うため、仕様で確かめます

情シスが今日やること

  1. Linuxサーバーを洗い出し、OSの版を確かめる。Ubuntu・Debian・Red Hat系(RHEL・Rocky・Oracle Linux)・SUSEのどれかを確認します。BSIの参照には、これらの各社の情報が挙がっています
  2. パッケージの更新を適用する。Ubuntu・Debianは apt update と apt upgrade、Red Hat系は dnf update openssl が一般的な手順です(編集部の補足)。Ubuntuのお知らせには、更新後は再起動が必要と書かれています
  3. 更新できたかを、版の番号だけで判断しない。openssl version の番号は、バックポートのため、修正済みでも古いままのことがあります。Ubuntu 22.04の修正版は 3.0.2-0ubuntu1.30 です。パッケージの版(apt list --installed | grep libssl、rpm -q openssl)と、変更履歴のCVE番号(apt changelog や rpm -q --changelog openssl)で確かめます(編集部の補足)
  4. OpenSSLを同梱する製品は、メーカーの案内を確認する。VPN装置・NAS・ミドルウェアなどの、メーカーの脆弱性情報のページを見ます。案内が無いときは、問い合わせます
  5. DTLSやQUICを使う自社のアプリ・サービスがあれば、開発・運用の担当者に確かめる。更新後にプロセスの再起動が済んでいるかも確認します(編集部の補足)

1から3は、公式の情報にある修正版の番号を前提にした、編集部の確認手順です。各社が示した手順ではありません。

版は次のテンプレで台帳に残せます。

よくある質問

QOpenSSLを使っているシステムは、すべて危険ですか?

Aアドバイザリはそう書いていません。「高」のCVE-2026-84782はDTLSの再送処理の問題で、QUIC・CMP・SM2などの問題も、その機能を使うアプリだけが対象です。ただし、どの機能を使っているかは製品ごとに違うため、版の確認と更新は必要です。

Q悪用されていますか?

A悪用の報告は、確かめたOpenSSLのアドバイザリ・脆弱性の一覧・BSIの注意情報・各社の修正情報には書かれていません(2026年10月12日時点)。

Qopenssl versionの番号が上がらないのですが、更新できていませんか?

AUbuntu 22.04のように、修正済みの版でも「3.0.2」のままのことがあります(USN-8847-1)。ディストリビューションが、修正だけを古い番号の版に取り込んでいるためです。パッケージの版(例: 3.0.2-0ubuntu1.30)と、変更履歴のCVE番号で確かめます。

QOpenSSL 3.0や1.1.1を使っています。公式の修正版は取れますか?

AOpenSSL公式の3.0.23・1.1.1zj・1.0.2zsは、プレミアムサポートの契約者向けです。LinuxのOSの標準パッケージを使っている場合は、各社が配る修正を入れます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月12日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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