クラウド基盤サービスのIDCフロンティアは、「IDCFクラウド」の一部がランサムウェア攻撃を受け、障害が起きたと公表しました。東日本リージョン1の4つのゾーンを停止し、影響は495社に及んでいます。外部へのデータの流出はなかったと判断する一方、ポータルの登録情報への不正な照会も確認されています。この記事は、同社の公式のお知らせに書かれていることだけをまとめます。
何が起きたか
IDCフロンティアは、2026年10月7日の午前3時40分頃、第三者による不正アクセスでIDCFクラウドの一部システムに障害が発生したと公表しました。第2報で、これがランサムウェア攻撃と判明したとしています。
対象は、東日本リージョン1の4つのゾーン(tesla、henry、pascal、joule)です。IDCFクラウド TypeS と、IDCFプライベートクラウドは対象外としています。障害の影響を受けたのは495社です。
侵入の経路は特定できたとしていますが、具体的な内容は、セキュリティ上の理由で公表されていません。この記事も、中身を推測しません。
「流出なし」と「不正な照会」と「194社」を分けて読む
今回のお知らせは、紛らわしい3つの話が同時に出てきます。公式の説明に沿って、分けて整理します。
| 事柄 |
公式の説明 |
| データの外部流出 |
第5報で「外部へのデータの流出はなかったと判断」。仮想サーバー内のデータの照会・持ち出しの痕跡は確認されず |
| ポータルの不正照会 |
クラウドポータルで48社の登録情報(企業名、ログインID、復元が困難なランダムなパスワード、通知先メール、月額料金の合計)に不正な照会を確認。うち2社のメールに担当者の個人名を含む可能性 |
| スナップショットの194社 |
スナップショットを利用していた194社について、バックアップデータの取り出しが可能だと確認(当初は困難と見ていたが、安全性を確認して判断を改めた) |
「194社」は、第三者がデータを見た件数ではありません。バックアップを取り出せると確認した件数です。混同しないよう、注意が要ります。
現在の状況
被害を受けた4つのゾーンは停止したままで、スナップショットを元のゾーンに戻すことはできないとしています。利用者には、別の環境での再構築を案内しています。他のゾーンや他のリージョンは利用を続けられますが、安全の確認は継続中です。同社は、監督省庁と警視庁へ報告し、緊急対策本部を設置したとしています。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 東日本リージョン1の4ゾーン(tesla、henry、pascal、joule)を使っていた会社です。障害の影響を受けた495社が対象です。
- 影響する: スナップショットを利用していた194社です。バックアップの取り出しや、別環境での再構築の案内が、個別に来ます。
- 影響する: IDCFクラウドポータルの登録情報に不正な照会があった48社です。ログインIDや通知先メールなどが照会されました。
- 影響しない(対象外): IDCFクラウド TypeS、IDCFプライベートクラウド、他のゾーンや他のリージョンのみを使っている利用者(ただし安全確認は継続中)。
情シスが今日やること
- バックアップを別系統でも持つ。クラウドのスナップショットだけに頼ると、ゾーンが停止したときに、元の場所へ戻せないことがあります。別のリージョンや、別の事業者にも、バックアップを分けて持っておきます。
- ポータルの認証情報を見直す。クラウドの管理ポータルのログインIDやパスワード、通知先の設定を確かめ、必要ならパスワードを変えます。
- 事業者の障害報を一次情報で追う。障害の範囲や復旧の見通しは、第1報から更新されます。SNSやまとめではなく、事業者の公式のお知らせで追います。
- 止まったときの段取り。使っているクラウドが止まったとき、どの業務が止まり、どう代替し、誰が判断するか。事業継続の段取りを、この機会に確かめます。