政府の電子申請システム「e-Gov」の申請アプリで、起動できない、ログインできないといった不具合が相次ぎました。2026年9月26日に提供が始まった新版で、大きな仕様変更が重なったことが背景にあります。社会保険や労働保険の手続きを、このアプリで行う担当者に影響が出ました。10月16日に修正版が公開されています。この記事は、e-Govの公式のお知らせに書かれていることだけをまとめます。
何が起きたか
新版のe-Gov電子申請アプリ(Windows版3.0.3・macOS版2.0.3)は、次の大きな仕様変更をともなっていました。
これらに関わる不具合が、次々に確認されました。公式のお知らせと暫定対処のまとめには、画面が白くなってログインできない、起動時に接続エラー(SSLの接続が確立できない)で終了する、社内プロキシの認証エラー(407)で起動できない、ログイン時にシステムエラーが出る、リダイレクトのまま停止する、といった症状が挙げられています。
さらに、2026年10月16日の14時40分頃から15時52分頃にかけては、アプリ起動時に「最新版が公開されています」と表示されて利用できない事象も発生し、復旧しています。この事象の原因は、公式のお知らせには書かれていません。
一時保存データの消失に注意
とくに実務への影響が大きいのが、一時保存データの扱いです。公式の案内によると、一時保存先をクラウドに変えたため、旧版の一時保存データは引き継げず、新版に初めてログインした時点で削除され、復元できないとされています。作成途中の申請が消える恐れがあります。
修正版と、暫定の対処
2026年10月16日の18時以降に、修正版(Windows版3.0.7・macOS版2.0.7)が公開されました。恒久的な対処は、この修正版への再インストールです。公式が案内する暫定の対処には、次のものがあります。
- ブラウザでe-Gov電子申請サイトを開き、「e-Gov電子申請アプリケーションを起動」から起動する
- 社内プロキシを経由せず、自宅のWi-Fiやモバイル回線で起動を試す
- EdgeのIEモードの設定や、アプリの「管理者として実行」の設定を解除する
なお、不具合の技術的な根本原因や、申請期限の救済措置については、公式のお知らせでは確認できません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: e-Gov電子申請アプリで、社会保険・労働保険や各省庁の手続きを行う企業の人事・労務の担当者や、社労士です。アプリが起動・ログインできない間は、申請を出せません。
- 影響する: 社内プロキシを使う環境です。プロキシの認証エラー(407)で起動できない事象が報告されています。
- 影響する: 作成途中の申請を一時保存していた人です。新版への初回ログインで、旧版の一時保存データが消える恐れがあります。
- 影響しない(可能性が高い): e-Gov電子申請アプリを使わず、別の手段で手続きをしている場合。ただし、電子申請が原則の手続きもあるため、確かめが必要です。
情シス・総務が今日やること
- 更新は、先に試す。行政手続きのアプリでも、大型アップデートの直後は危険地帯です。検証用の端末で先に動くか確かめてから、全社に展開します。
- プロキシ・IEモードの棚卸し。社内プロキシやIEモードの設定が、起動を妨げることがあります。設定を確かめ、暫定対処の手順を担当者に共有します。
- 作成中の申請を守る。更新の前に、作りかけの申請は提出するか、控えを残します。クラウド化で復元できない設計変更がある点に注意します。
- 期限に余裕を持つ。提出の期限ぎりぎりを、アプリの更新や不具合のリスクにさらさないよう、前倒しで提出する運用にします。