GitHub Enterprise Cloudを契約 している会社は、Copilot の席料を払わずに社員へCopilotを配れるようになります。ただ、席料が無くなる代わりに含まれる利用枠も無くなり、チャットやエージェントの利用は最初の1回から請求に乗ります。
GitHubは10月28日(米国時間)、この契約を「Copilot access」として始めました。今のCopilot BusinessとCopilot Enterpriseは、そのまま残ります。切り替えるかどうかは会社が選び、自動で移ることはありません。
席料は0ドル、使った分は最初の1回から
違いは、席料と、席料に含まれる利用枠の有無です。GitHub Docsの比べ方は次のとおりです。
契約
1人あたりの席料(月)
含まれるAIクレジット(月)
Copilot Business
19ドル
1人1,900(会社全体で共有)
Copilot Enterprise
39ドル
1人3,900(会社全体で共有)
Copilot access(GitHub Enterprise Cloudのライセンス あり)
0ドル
なし
Copilot access(ライセンスなし=Copilot Standalone)
10ドル
なし
GitHub Docsの比べ方。新しい契約は席料0ドルで、含まれる枠は無い 出典: GitHub Docs「What's changing with GitHub Enterprise and Copilot billing」 (引用)
AIクレジットは1クレジット0.01ドルです。数字の上では、Businessの席料19ドルと、含まれる1,900クレジット(19ドル分)は、ほぼ同じ額になります。補完しか使わない人が多い会社なら、新しい契約で請求は下がりやすいでしょう。反対に、チャットやエージェントをよく使う会社では、上限を決めないまま切り替えると、請求が読めなくなります。
課金の対象は、Copilot Chat、Copilot CLI、クラウド で動くエージェント、Copilot Spaces、Spark、ほかの会社のコーディングエージェントです。発表は、コードレビューも予算が要る機能に挙げています。
コードの補完と次の編集の提案は、AIクレジットを使いません。予算が0ドルでも、上限に達しても使えます。予算が尽きても席は外れず、予算の要らない機能はそのまま残ります。
「全員に付く」と書かれていても、席の割り当ては要る
発表の文面は「ライセンスを持つ全員にCopilotが付く」と読めます。しかし、GitHub Docsは、Copilot accessでも開発者に自動でCopilotが付くわけではないと書いています。席を割り当てるのは、これまでと同じく企業のオーナーです。
もう1つの制約は、混ぜ方です。ライセンスのある人とStandaloneの人を、同じ企業のアカウントで並べることはできます。ただ、Copilot accessとBusiness・Enterpriseの席を、同じ企業のアカウントで一緒に使うことはできません。一部の組織だけBusinessに残す形も取れません。
いま切り替えられるのは、営業の担当がいる会社だけ
GitHubやMicrosoftの営業の担当がいる会社は、10月28日から使えます。自分で申し込んで契約している会社は、まだ対象外です。GitHubは、段階的に広げ、日付は数週間のうちに知らせるとしています。今の契約には影響しません。
GitHubの変更履歴。予算が尽きても席は残り、補完は動く 出典: GitHub「GitHub Enterprise now includes access to GitHub Copilot」 (引用)
GitHub FreeとGitHub Teamの組織、自分で始めたGitHub Enterprise Cloudの試用も対象外です。BusinessやEnterpriseから移る会社は、営業の担当に申し出て、月の初日から切り替えます。申し出ただけで、使える機能や請求が変わることはありません。
切り替える前に、今の請求と比べる
GitHub Docsは、同じ月、同じ人数、同じ使い方で比べるよう勧めています。今の請求の席料と超過分を足し、利用のダッシュボードかエクスポートで、利用の総量を出します。
ここで見落としやすいのが、共有の利用枠で賄われている分です。いまは席料に含まれていて請求に出ませんが、新しい契約では、その分も最初から請求されます。超過分だけを見て比べると、新しい契約の費用を小さく見積もることになります。
ライセンスの無い人の数に10ドルを掛け、使った分の見込みと足せば、比べる数字がそろいます。個別の価格や移行の条件は、営業の担当に確かめます。
予算は4つの層で決める
予算は、利用者・コストセンター・組織・企業の4つの層で設定できます。金額はドルで決め、利用はAIクレジットで数えます。
層
決めるもの
設定できる人
利用者
1人が1か月に使える上限。全員の既定、コストセンターごとの既定、個人ごとの例外の3種類
企業のオーナー、請求の管理者
コストセンター
部署などのまとまりで使える額
企業のオーナー、請求の管理者
組織
組織が払う席の利用者が使える額
企業のオーナー、請求の管理者、組織のオーナー
企業
企業全体で使える額
企業のオーナー、請求の管理者
利用者ごとの上限は、超えると必ず止まります。0ドルにすれば、クレジットを使う機能だけを止められます。個人ごとの例外には期限を付けられるので、障害の対応や短い開発で一時的に上げるときに使えます。コストセンター・組織・企業の上限で利用を止めるには、「Stop usage when budget limit is reached」を有効にします。
AI ControlsのAIクレジットの有料利用のポリシーは、初めから有効です。Copilot accessでは、これを無効にすると、クレジットを使う機能がすべて止まります。BusinessやEnterpriseのときと同じ感覚で切ると、チャットもエージェントも使えなくなるので注意が要ります。
組織に入れたGitHub Appが、利用者のログインなしにCopilotを呼ぶ使い方もあります。この分は組織に請求され、アプリごとの予算は作れません。
通信の許可リストに1行足す
社内のファイアウォールでCopilotの通信先を絞っている会社は、切り替えの前に許可リストを見直します。Copilot accessは、GitHub.comではCopilot Enterpriseと同じ通信先を使います。いまBusinessで「.business.githubcopilot.com」だけを許していると、切り替えた日から通信が止まります。「 .enterprise.githubcopilot.com」を足しておきます。
データの置き場所を選べるGHE.comを使っている会社は、通信先が別に決められています。
関係する会社と、まだ関係しない会社
すぐに検討できるのは、GitHub Enterprise Cloudを営業の担当から契約している会社です。BusinessやEnterpriseを使っていて、補完が中心の会社ほど、比べてみる意味があります。
自分で申し込んでGitHub Enterprise Cloudを契約している会社は、案内が来るまで変わりません。GitHub FreeやGitHub Teamの会社は対象外です。社内にサーバーを置くGitHub Enterprise Serverについて、今回の発表は触れていません。
営業の担当と話す前に、社内で決める手順
直近の1か月分の請求から、Copilotの席料と超過分を出し、共有の利用枠で賄った分も含めた利用の総量を控えます。
Copilotを渡す人を決めます。GitHub Enterprise Cloudのライセンスの無い委託先などは、1人10ドルかかります。
全員の既定の上限と、部署ごとの上限を決めます。開発の部署と、ときどき使う部署で額を分けると、上限を個別に作る数が減ります。
AI Controlsで、使える機能・モデル・MCPを企業全体で決めるか、組織のオーナーに任せるかを決めます。社内の生成AIの利用規程と照らし、コードを外のサービスに送る扱いをそろえます。
ファイアウォールの許可リストに「*.enterprise.githubcopilot.com」があるかを、ネットワークの担当に確かめます。
開発者のIDEとCopilotの拡張機能を新しくします。GitHub Docsは、VS Code 1.120、Visual Studio 2022の17.14.33、JetBrainsのプラグイン1.9.1などより古いと、料金や利用の表示がずれることがあるとしています。
切り替えは月の初日です。経理と請求の締めの日を合わせ、最初の月は週に1回、利用のダッシュボードを見ます。
席料が無くなると、Copilotの費用は「何人に配ったか」から「どれだけ使ったか」に変わります。費用の説明を求められるのは、おそらく情シスです。切り替える前に、上限と通知の宛先まで決めておきたいところです。
この記事は、GitHubの変更履歴(2026年10月28日)と、そこからリンクされたGitHub DocsのCopilotの課金・予算・通信・ポリシーのページをもとにしています(2026年10月29日確認)。Copilotの機能やモデルそのものの紹介は扱っていません。