GitHub Advisory Databaseは、ノートブック形式のipynbファイルを変換するnbconvertに、任意の場所へファイルを書き込まれる欠陥があると案内しています。対象は7.17.1以前で、修正版は7.17.2です。資料では公表日を確認できませんが、利用企業は導入版と変換先の形式を確認する必要があります。
対象は4形式への変換、ファイルを受け取る運用も確認
この欠陥には、脆弱性の識別番号CVE-2026-114140が付いています。勧告が示す影響条件は、悪意あるipynbファイルを被害者がnbconvertで変換することです。対象となる変換先は、markdown、latex、rst、asciidocの4形式です。
そのため、nbconvertが入っているかだけでは、対応の優先順位を決められません。社外から受け取ったノートブックや、ほかの担当者が作成したノートブックを、この4形式へ変換する業務があるかを併せて調べてください。手作業の変換と、自動処理に組み込まれた変換を分けて確認すると、担当者への問い合わせ先を整理できます。
日本での提供は発表には書かれていません。国内向けの別の修正版や提供時期についても、資料では確認できません。
出力メタデータのファイル名から書き込み先を操作
原因は、セルの出力に付くメタデータのfilename属性にあります。この値を通じて、本来の出力先とは別の場所を指定できる「パストラバーサル」が起きます。
勧告によると、出力を取り出す処理で、攻撃者が指定したパスを正規化して確認しないまま、出力先と結合します。その結果、攻撃者は任意の場所に、任意のデータを持つファイルを書き込めるとされています。被害例として挙げられているのは、authorized_keysの上書きです。
また、Jupyterでセルを実行すると出力が更新され、悪意ある出力が除かれると説明されています。ただし、これは修正版への更新とは別の説明です。今回の対策では、セルを実行したかどうかだけに頼らず、実際に変換を行う環境が7.17.2になっているかを確認してください。
影響する会社・しない会社
- 影響する: nbconvert 7.17.1以前で、悪意あるipynbファイルをmarkdown、latex、rst、asciidocへ変換する環境がある会社です。
- 影響する: 上記の版と変換処理を利用し、受け取ったipynbファイルを変換する運用がある会社は、ファイルの入手元も確認対象にしてください。
- 影響しない: nbconvert 7.17.2へ更新済みの環境は、今回の欠陥の修正版に該当します。
- 影響しない: nbconvertによる変換を行わない会社は、勧告が示す発生条件には該当しません。ただし、部署ごとの利用有無は確認が必要です。