Cloudflareは2026年10月9日、WorkersとDurable Objects向けに、必要なときにCPU・メモリの使用状況を調べる機能を発表しました。本番稼働中の処理を観測し、どの関数がCPU時間やメモリを使っているかを確認できます。操作はCloudflare DashboardまたはCLIから行えます。
本番の処理を関数ごとに確認
プロファイルとは、プログラムの処理ごとにCPU時間やメモリ使用量を記録したものです。今回の機能では、分析用に新しい実行環境を起動するのではなく、実際の本番実行を観測します。Cloudflareによると、CPU分析中もWorkerは通常のリクエスト処理を続けられます。
Dashboardでは、対象WorkerのObservabilityタブで「Flamegraph」を選びます。分析の実行時間と、対象にするWorkerのバージョンを指定できます。Durable Objectsでは、名前を使って特定のオブジェクトを分析できます。
結果は、操作可能なフレームグラフで表示されます。これは、関数の呼び出しを矩形で並べ、処理に使った資源の量を見比べる図です。各矩形は関数呼び出しを示し、その幅がCPU時間やメモリ使用量を表します。関数をクリックして表示を絞り込み、カーソルを重ねて詳細を確認できます。
図だけでなく、表形式での確認もできます。プロファイルファイルをダウンロードし、追加分析に使うことも可能です。CLIはコマンドを入力して操作する方法で、利用にはcfパッケージのインストールが必要です。APIからプロファイル取得を要求する方法もあります。
日本での提供は発表には書かれていません。日本語対応、日本向けの価格、対象プランについても、今回の資料では確認できません。
測定を始めるタイミングに制約
この機能は、明示的に開始操作をして使います。問題が起きた時間帯を逃す可能性があるため、過去の不調をいつでもさかのぼって分析できる機能としては扱わないほうがよいでしょう。
また、実際の本番実行を観測する仕組みなので、トラフィックが少ないWorkerでは分析が難しい場合があります。メモリ分析の対象は測定期間中に割り当てられたメモリだけです。起動時の割り当ては見逃す可能性があります。
TypeScriptを使う場合、Cloudflareは関数名の難読化を避けるため、ソースマップの有効化を推奨しています。分析結果を読む準備として、開発担当者に設定を確認してもらう項目です。
Cloudflareは、自動でサンプルを取得する継続的プロファイリングも開発中です。今回発表された手動開始の機能と、開発中の機能は分けて考える必要があります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Workersを利用する会社です。CPU時間やメモリを使う関数を調べる際、本番実行からプロファイルを取得する方法が加わります。
- 影響する: Durable Objectsを利用する会社です。名前で特定のオブジェクトを選び、分析する方法が示されています。
- 影響しない: WorkersとDurable Objectsのどちらも使っていない会社です。今回の発表で示された分析対象には含まれません。
会社の規模による条件は発表には書かれていません。利用サービスが対象でも、自社の契約で使えるかは別途確認が必要です。
情シスが今日やること
- まず利用対象を確認します。 開発担当者や運用委託先に、WorkersまたはDurable Objectsを使っているかを今日確認します。利用している場合は、分析したいWorkerと担当者を整理します。
- 対象Workerの画面を確認します。 Cloudflare Dashboardで、WorkerのObservabilityタブにある「Flamegraph」を確認します。試す前に、対象のバージョンと測定時間を開発担当者と決めます。画面上で利用できるかも、この段階で確認してください。
- 測定前に条件を共有します。 開発担当者へ、TypeScriptのソースマップ設定の確認を依頼します。あわせて、手動開始であること、低トラフィックでは分析が難しい場合があること、起動時のメモリ割り当てを見逃し得ることを伝えます。
- 結果と測定条件を一緒に残します。 測定後はフレームグラフや表を確認し、必要に応じてプロファイルをダウンロードします。対象バージョンと測定時間も記録し、改善を担当する開発者や委託先に共有します。発表には導入期限は示されていないため、まずは利用対象と測定の準備を確認する進め方でよいでしょう。