AWSは2026年10月5日、KiroでClaude Sonnet 5.5の提供を発表しました。提供は2026年10月2日に始まり、対象プランへ実験的サポートとして段階的に展開されています。開発で使うAIの選択肢が増えますが、利用可否とクレジット消費の条件を先に確認する必要があります。
対象は4プラン、クレジット乗数は1.3倍
対象プランはKiro Pro、Pro+、Pro Max、Powerです。提供対象には、統合開発環境のIDE、コマンド操作用のCLI、Crew、Webが含まれます。ただし、すべてが対象という説明は、対象者全員がすでに使えるという意味ではありません。実験的サポートとして段階展開中です。
提供地域として挙げられているのは、us-east-1(IAD)とeu-central-1(FRA)です。日本での利用可否、日本語対応、日本向けの価格は、発表には書かれていません。
クレジット乗数は1.3倍です。一方、長いコンテキストの利用に追加料金はかからないとされています。これは、通常のクレジット消費がなくなるという説明ではありません。試用では、回答の良し悪しだけでなく、消費量も確認するのがよいでしょう。
開発向けの性能と、試用で確認したい制約
Claude Sonnet 5.5は、Opus 5.5に続くClaude 5.5ファミリーの2番目のモデルです。AWSは、機能実装、バグ修正、コードレビューなど、日常的な開発での利用を想定しています。
Anthropicによると、出力生成はSonnet 5より30%以上高速です。評価指標のTerminal-Bench 4.0では70.6%、GDPval-AAではOpus 5.5とほぼ同等としています。ただし、これらの数値だけで、自社の開発作業が同じ割合で速くなるとは判断できません。導入判断には、実際に任せたい作業での比較が必要です。
AWSによると、Adaptive Thinkingで思考の深さとコストを調整できます。調整項目のeffortはlowからmaxまでの5段階です。一度に扱える情報の範囲を示すコンテキストウィンドウは1Mトークン、最大出力は128Kトークンに対応します。トークンは、AIが文章などを処理する際の単位です。
また、Opusシリーズ向けのサイバー関連の安全策と、代替処理の仕組みを備えています。リスクの高い一部のリクエストはブロックされる場合があります。AWSは、その場合にSonnet 5で再実行できると説明しています。業務上の処理が止まった場合に、誰が内容を確認し、再実行を判断するかも決めておきたい点です。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Kiro Pro、Pro+、Pro Max、Powerを契約し、発表にある提供地域でKiroを使う会社です。段階展開のため、対象条件を満たしても利用できるかは確認が必要です。
- 影響する: 対象プランでIDE、CLI、Crew、Webを開発業務に使う会社です。新モデルを試す場合は、effort設定、クレジット消費、リクエストのブロック時の扱いを評価項目に加えます。
- 影響しない: Kiroを業務で使っていない会社には、今回の提供による直接の設定変更はありません。
- 影響しない: 今回の発表だけで、対象として挙げられていないプランや地域も切り替え対象になるわけではありません。それらへの提供予定は、発表には書かれていません。
情シスが今日やること
以下は、社内で試用を進める場合の確認手順です。管理画面の具体的な操作経路や、モデル切り替えの手順は発表には書かれていないため、画面名やメニュー名を前提にしないで確認してください。
- 今日、契約条件を確認します。 契約記録と開発担当者への聞き取りで、Kiroのプラン、利用地域、IDE・CLI・Crew・Webのどれを使っているかを整理します。対象条件と照合し、利用できると決めつけないようにします。
- 試用前に、利用可否と設定を確認します。 開発担当者に、実際の利用環境でClaude Sonnet 5.5が使えるか確認してもらいます。使える場合は、試す作業とeffort設定を記録します。設定を混在させたまま比較しないためです。
- 試用前に、評価項目を共有します。 開発責任者と費用管理担当者へ、クレジット乗数が1.3倍であることを知らせます。機能実装、バグ修正、コードレビューのうち比較する作業を選び、出力品質、所要時間、クレジット消費を記録する方針を決めます。
- 継続利用を判断する前に、ブロック時の対応を決めます。 開発責任者と、リクエスト内容の確認者、Sonnet 5での再実行を判断する担当者を決めます。再実行できることと、社内ルール上その処理を認めることは分けて扱ってください。
AIに任せる範囲も見直す場合は、AIエージェントに渡す権限の決め方も参考にしてください。