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アララ停止で横浜市の電子申請、メール認証が要る人はログインできず

アララのメール配信が止まり、TKCの仕組みを使う横浜市の電子申請は、メールの二段階認証が要る人がログインできなくなりました。大阪市と姫路市の止まり方、TKC全体で最大223万812件の漏えい対象、自社のメール認証の依存先の確かめ方がわかります。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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アララ停止で横浜市の電子申請、メール認証が要る人はログインできず

この記事のまとめ

  • メール配信の停止で、横浜市の電子申請はメールの二段階認証が要る人がログインできません。
  • TKCへの説明は、漏えいはないとの報告から11月2日に最大223万812件へ変わりました。
  • 自社の確認コードと再設定のメールがどこから出ているかを、1通ずつ見ておきましょう。
こんな方に#30代#40代#50代#60代実務

メールが1通届かないだけで、役所の申請の入口が閉じることがあります。

横浜市の電子申請・届出システムは、10月31日17時40分ごろからメールを送れなくなりました。メールの二段階認証が必要な人はログインできません。11月3日21時45分の更新でも、復旧の見込みは未定です。

原因は市のシステムではなく、その先にあるメール配信サービス「アララ メッセージ」の緊急停止です。アララの件は約7700万件の漏えいとして伝わりました。ただ、配信を任せていた側には、止まり方というもう1つの問題が出ています。

3つの市で、止まったものが違う

横浜市、大阪市、姫路市の申請の仕組みは、いずれもTKCの提供です。メールの配信はそのTKCからアララへの委託で、姫路市の発表の言葉では「再委託」にあたります。

委託の形は同じでも、影響の書かれ方は市ごとに異なります。

市 止まったもの 使えるもの 漏えいの説明
横浜市 利用者登録、メールアドレスの変更、パスワードの再設定、確認メール、メールの二段階認証が必要な人のログイン 二段階認証が不要な人のログイン(1分程度かかる)、ログインが要らない手続き メールアドレスと利用者名など。有無と件数は確認中。登録は約82万件
大阪市 利用者登録、メールアドレスの変更、パスワードの再設定、メールの送信 メール送信のほかの機能 メールアドレスや氏名など。有無も含めて確認中
姫路市 申請完了の通知などのメール 申請状況はマイページか担当部署で確認 メールアドレスと氏名など。有無を確認中。カードの情報は含まない
横浜市の2026年11月3日の記者発表資料の2ページ目。漏えいした可能性のある個人情報は利用者メールアドレス、利用者名など。漏えい対象件数と市の利用者情報への影響の有無は委託事業者とメール送信サービス提供事業者が確認中。システムの影響は、利用者登録、メールアドレス変更、パスワードの再設定が行えない、ログイン時にメールによる二要素認証ができないためログインできない、利用者へ確認メールが送信されない。ログインが不要な手続きは影響なし
横浜市の11月3日の記者発表。メールの認証ができずログインできない出典: 横浜市「横浜市電子申請・届出システムが使用するメール送信サービスにおける個人情報の漏えいの可能性について」(引用)

いちばん重い影響は、横浜市のログインでしょう。同じシステムの中でも、メールの二段階認証が要る人と要らない人で分かれました。どんな人にメールの二段階認証が必要なのかは、お知らせに書かれていません。本人が選んだ設定なら、認証を増やした人ほど入れないという皮肉な形です。

もちろん、二段階認証をやめようという話ではありません。考えたいのは、2つ目の要素がメールだけで、そのメールを1社の配信サービスに頼っている作りです。大阪市と姫路市の発表はログインの停止にふれていません。メールの二段階認証を使っていないのか、書いていないだけなのかは分かりません。

横浜市のお知らせには、もう1つ細かい記述があります。ログインに1分程度かかり、申請のあとに読み込み中の表示が続いても、1分ほど待てば完了するそうです。メールの送信が終わるのを待ってから次へ進む作りなら、こうなります。配信サービスの停止が、画面の遅さとしても出ているとみています。

止まる先は申請だけでもありません。TKCが影響を受けると挙げたシステムには、マイナンバーカードの交付予約と、緊急連絡先の登録も入っています。姫路市の発表によると、ひょうご防災ネットのメール配信にも影響が出る可能性があります。

関西の利用者の目線では、アララ不正アクセスで止まる関西のメール 防災はアプリ、申請はマイページ(西のITメディア)で読めます。

影響も漏えいもないという説明は、数日で変わった

委託元に届く説明の変わり方も、情シスには他人事ではありません。

日付 TKCと各市に届いた説明、各市の動き
10月28日 アララがTKCに不正アクセスを報告。姫路市にもTKCから報告。横浜市のシステムは14時ごろからメールを送れなくなった
10月29日 横浜市のお知らせ(16時15分更新)が、調査の結果「当システムで利用している環境において、不正アクセスによる影響および情報漏洩がない」と確認されたと伝え、復旧
10月30日 「TKCの利用環境からの情報漏えいはない」との報告(TKC)。姫路市にもTKCから、情報漏えいはないとの報告
10月31日 緊急停止。TKCの環境は会計事務所向けが17時10分、地方公共団体向けが17時37分。横浜市のお知らせは、第三者による不正アクセスが「新たに確認された」との連絡を受けたと説明
11月2日 アララが公表。TKCは第2報で、漏えい対象にメールアドレス最大223万812件が含まれると公表。横浜市には18時ごろ、姫路市には18時30分に報告
横浜市の記者発表資料の経緯の表。10月31日17時31分ごろ委託事業者から緊急メンテナンスでメール送信サービスを停止する旨の連絡、17時40分ごろ停止。11月1日12時41分ごろ第三者による不正アクセスが検知された旨の報告。11月2日9時ごろメール送信サービス提供事業者がホームページに掲載、18時ごろ委託事業者から報告があり、スマート申請システム(横浜市電子申請・届出システム)も対象であることが判明
横浜市の発表の経緯。11月2日18時ごろに影響を受けるシステムと判明出典: 横浜市「横浜市電子申請・届出システムが使用するメール送信サービスにおける個人情報の漏えいの可能性について」(引用)

10月29日と30日に「ない」と伝えられたものが、11月2日には最大223万812件になりました。TKCのアドレスの内訳と、各市の利用者が含まれるかは、まだ分かっていません。

時間を重ねると、もう1つ見えてきます。アララの第2報の表では、サービスを経由した持ち出しは10月29日1時36分から30日2時22分で、把握は31日の午前です。TKCの環境がこの区分かは書かれていません。そうだとすれば、横浜市のお知らせが「ない」と伝えた10月29日16時15分は持ち出しの最中で、確認した側がまだ気づいていなかった時間です。

責めたいわけではありません。調査が進めば答えは変わります。アララ自身も、10月30日の続報では、ほかの環境での流出はないとしていました。

委託先の影響なしという答えは、その時点の回答として受け取りたいものです。社内に流すときは、いつの、だれの、どの範囲の確認かを添えておきましょう。段数が増えるほど、この情報は落ちやすくなります。今回はアララからTKCへ、TKCから市へ、市から市民へと3段ありました。

会社に関係するのは2つの場面

まず、TKCの企業向けのシステムを使っている会社です。TKCの第1報は、次のシステムでメールを送れないとしています。

  • FXクラウド、FX4クラウド、SX2、SX4クラウド
  • PXまいポータル、TKCまいポータル
  • 証憑保存機能、インボイス・マネジャー、月次決算速報サービス

代わりの運用があるものは、利用者に個別に案内しているそうです。顧問の税理士に勧められて使い始めた仕組みは、情シスの台帳に載っていないことがあります。経理に聞いてみるのが早いでしょう。

次に、自治体の電子申請を事業者として使っている会社です。横浜市の約82万件の登録には、事業者のアカウントも含まれます。届け出の担当者がログインできないなら、期限のある手続きは、早めに市の担当部署へ相談することになります。

アララもTKCも使っていない会社に、直接の影響はありません。ただ、同じ作りは自社の中にもありえます。

自社の確認メールはどこから出ているか、確かめること

  1. 重要なSaaSと社内のシステムから、確認コード、パスワードの再設定、招待のメールを1通ずつ集めます。ヘッダーのReturn-PathとDKIMのd=を見ます。配信サービスのドメインが見えれば、そこが依存先です。Amazon SESの独自のMAIL FROMやSendGridのドメイン認証を使う送り主では、自社名や送り主のドメインしか見えません。そのときは、そのサブドメインのCNAMEやMXを引くか、Receivedの最初の送信元を見ます。SaaSから届くメールでヘッダーから先が分からなければ、そのSaaSの委託先の一覧か窓口で確かめます。
  2. 管理者のアカウントから順に、メール以外の認証要素を足します。ログインや再設定の手段がメールだけなら、配信が止まった日は、セッションが切れた管理者から順に入れなくなります。緊急用のアカウントも、別の要素で1つ用意します。
  3. パスワードの再設定ができない日の答えを、ヘルプデスクと決めておきます。だれが本人を確認し、だれが再設定するか、の2つです。
  4. 自社で作ったシステムは、テスト環境で配信先を止めてみます。画面が送信の完了を待って止まるなら、送信を別の処理に分けます。切り替え先の候補はメール配信サービスの地図で比べられます。
  5. 次の契約の更新で、委託先に3つ聞きます。メール配信の再委託先はどこか、止まったときと漏れたときの連絡はいつ来るか、影響がないと答えるときの根拠は何か、です。

今夜、委託先のメールが止まったとします。最初に入れなくなるのはだれでしょう。答えが「管理者」なら、今週の優先順位はもう決まっています。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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