GMOランシステムは2026年10月15日、バックオフィス業務を外部に委託するBPOサービス「GENBA AI byGMO」の提供を開始しました。定型業務をAIが処理し、例外対応や最終確認は人が担います。契約時間はAIの処理時間ではなく、AIによる定型処理後に人が実際に働く時間を基準とします。
定型処理はAI、例外対応と最終確認は人
対象は経理・人事・総務・営業事務などです。同社は、勤怠集計、請求書処理、問い合わせの一次対応などを自動化するとしています。
業務を処理するAIエージェントについて、同社は2026年10月時点で業務別のテンプレートを150種以上保有しています。そのまま一律に導入するのではなく、顧客の業務に合わせて調整します。すべての判断をAIに任せるサービスではなく、人による例外処理と品質の最終確認を組み合わせる構成です。
同社によると、AIエージェントは自社AI基盤「RUN AI Platform」上で稼働します。監査ログ、権限管理、個人情報のマスキングを一元管理するとしています。マスキングは、個人情報を隠す処理です。
処理件数、エラー率、SLA遵守状況は月次レポートで報告します。SLAは、合意したサービス水準を指します。具体的な水準や、管理機能を顧客がどの画面で確認できるかは、今回の発表には書かれていません。
今後は、複数のAIエージェントが連携して業務全体を一貫処理する運用を目指します。これは今後の方針であり、現時点の提供内容と分けて見る必要があります。
料金は人の実働時間が基準、未使用分は繰り越し不可
初期費用は無料で、月額パック制です。20時間プランの月額料金は、12ヶ月契約で49,000円、6ヶ月契約で59,000円、1ヶ月契約で69,000円です。いずれも税別です。
12ヶ月契約では、30時間プランが月額74,000円、50時間プランが月額99,000円です。こちらも税別です。未使用の契約時間は翌月に繰り越せません。
月額料金には、AIエージェントの作成・提供、PoCと呼ばれる導入前の実証、動作検証、人による例外処理と品質の最終確認を含みます。生成AIの利用量に応じて発生するトークン費用も、通常の業務利用の範囲内では月額料金に含まれます。大量の処理が必要な場合は、事前相談の上で対応します。
プラン選びでは、現在の業務時間をそのまま契約時間に置き換えないことが重要です。確認したいのは、AIで処理した後に、例外対応や確認作業がどれだけ残るかです。「通常の業務利用」の具体的な範囲も、契約前の確認事項になります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 経理・人事・総務・営業事務の外部委託を検討する会社です。勤怠集計、請求書処理、問い合わせの一次対応は、発表で挙げられた対象業務です。
- 影響する: 本サービスの契約を検討する会社です。人の実働時間を基準とする料金と、未使用時間を繰り越せない条件を、予算・契約担当と共有する必要があります。
- 影響しない: 本サービスを利用せず、導入も検討していない会社です。今回の発表に伴う既存システムの変更や更新義務は示されていません。
- 影響しない: 対象外となる業種・会社規模の条件は、発表には書かれていません。自社の規模だけで利用可否を判断せず、委託したい業務が対象になるか確認してください。
情シスが今日やること
- 今日、経理・人事・総務・営業事務の責任者に、委託候補の業務を聞き取ります。業務一覧に処理件数、現状の作業時間、例外対応の内容を記録し、定型処理と人の判断が必要な処理を分けてください。
- 初回相談までに、候補業務で使うシステムの権限設定と、受け渡すデータの項目を確認します。個人情報を含む項目を洗い出し、GMOランシステムにマスキングの対象、アクセス権、監査ログの確認方法を質問してください。専用管理画面の名称や操作手順は発表に記載されていません。
- 見積もり依頼時に、業務担当と契約担当へ料金条件を共有します。人の実働時間の見積もり方、通常利用に含まれる処理量、大量処理時の扱いを確認し、契約期間と時間枠を選んでください。
- 導入前の動作検証では、業務責任者と例外ケースを確認します。人へ引き継ぐ条件と最終確認の担当を整理し、月次レポートで確認する処理件数・エラー率・サービス水準の基準を、契約前に合意してください。