フランスのCERT-FRは2026年10月12日、DanfossのAK-SMシリーズとAK-SCシリーズへの侵害について警告を公表しました。対象製品で多数の侵害を把握しており、機器への接続を切断するか、アクセスを制限するよう勧告しています。対象機器を使う会社は、管理画面の公開状況と、遠隔管理を担う委託業者の接続経路を確認してください。
管理画面の公開を見直し、接続元を絞る
CERT-FRは、対象製品の管理画面をインターネットに公開することは、適切な運用に反すると指摘しています。今回の警告でまず確認したいのは、修正の適用状況だけでなく、外部から誰が管理画面に接続できるかです。
遠隔管理が必須の場合には、暫定策として、信頼するIPアドレスだけにアクセスを制限する方法を挙げています。IPアドレスは、通信相手を識別するための番号です。遠隔管理が必要だからといって、接続元を制限しない運用を続けるよう求めているわけではありません。
CERT-FRは、自らの堅牢化指針と推奨事項に従うことも勧めています。堅牢化とは、設定などを見直して攻撃を受けにくくすることです。
日本での対象製品の提供は発表には書かれていません。日本国内での被害や、影響する会社の規模についても記載はありません。この警告だけで、日本の特定の店舗や設備に被害が出ているとは判断できません。
侵害が疑われる場合は、初期化と再設定も勧告
侵害が疑われる場合、CERT-FRは対象機器へのネットワークアクセスを委託業者だけに制限するよう勧告しています。通常時の公開範囲の点検と、侵害を疑った後の対応は、分けて整理する必要があります。
そのうえで、機器を工場出荷時の状態に戻し、利用可能な全てのセキュリティ修正を適用するよう求めています。認証用の秘密情報の更新、既存アカウントの確認、機器全体の再設定も勧告に含まれます。
つまり、侵害が疑われる機器については、アクセスを制限するだけで対応を終える内容ではありません。初期化や再設定を誰が実施するか、情シス・設備担当・委託業者で確認することが実務上の課題になります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: DanfossのAK-SMシリーズまたはAK-SCシリーズを使用する会社です。特に、管理画面をインターネットに公開している場合は、公開状況と接続元の制限を優先して確認してください。
- 影響する: 対象機器で侵害が疑われる会社です。アクセス制限に加え、初期化、修正適用、認証情報の更新、アカウント確認、再設定が勧告されています。
- 影響しない: 両シリーズを使用していない会社は、今回の警告で示された製品の対象には入りません。ただし、他の機器の安全性を保証する発表ではありません。
情シスが今日やること
以下は、今回の勧告を社内で確認するための手順です。発表には、具体的な管理画面名や操作手順、対応期限は書かれていません。
- 今日、対象機器の有無を確認する。 社内の機器台帳でメーカー名とシリーズ名を調べます。台帳だけで判断できなければ、設備担当と委託業者にAK-SM・AK-SCシリーズの使用有無を照会してください。
- 対象が見つかったら、公開設定を確認する。 ネットワーク担当や委託業者に、機器への接続を公開している設定箇所と、許可している接続元の一覧を提示してもらいます。遠隔管理が必須かも確認し、接続の切断かアクセス制限のどちらで対応するかを決めます。
- 設定変更の前に、現場と作業を調整する。 設備担当と委託業者に警告の対象と勧告内容を知らせ、変更する接続範囲、作業担当、実施時点を共有します。現場との調整方法は、工場の古いPCは更新できない?製造現場と情シスの止めてよい時間の合わせ方も参考になります。
- 侵害が疑われる場合は、復旧作業の項目をそろえる。 委託業者と、アクセス制限、工場出荷状態への初期化、全ての利用可能な修正、認証情報の更新、既存アカウントの確認、全体の再設定を一覧化します。対応を完了扱いにする前に、各項目の実施状況を確認してください。