NVIDIAとMicrosoftは2026年10月7日付の発表で、Windows PC向けのRTX Sparkを発表しました。両社は、作業を自動で進めるAIエージェントをPCで動かすためのハードとソフトを共同開発しています。NVIDIAによると、RTX Sparkではデータをクラウドに送らずにAIモデルを実行できます。
ノートPCは10月16日、小型デスクトップは11月発売予定
RTX Sparkは、ノートPCと小型デスクトップ向けです。発表では、搭載ノートPCの予約受付を2026年10月7日に開始し、2026年10月16日に発売する予定としています。小型デスクトップの発売は2026年11月の予定です。
搭載製品のメーカーとして、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft、MSI、Gigabyteが挙げられています。Microsoftは、RTX Sparkを搭載するSurface Laptop Ultraも発表しました。
RTX Sparkは、演算を担うNVIDIA Blackwell RTX GPUを最大6,144コア、中央処理装置であるNVIDIA Grace CPUを最大20コア搭載します。CPUとGPUが共有するユニファイドメモリーは最大128GBです。これらは最大仕様なので、調達時には候補となる製品ごとの構成確認が必要です。
日本での提供は発表には書かれていません。日本向けの発売時期、日本語対応、日本での価格も、今回の資料には記載がありません。発表された発売予定だけを根拠に、日本での納入日や予算を確定しないことが重要です。
AIの常時実行を支えるソフトも一般提供
Microsoftは、Microsoft Execution Containers(MXC)の一般提供も発表しました。同社によると、MXCはOSの管理下で、AIエージェントを安全に常時バックグラウンド実行できる仕組みです。画面で操作していない間にも処理を続けるAIを、OS側で管理する位置付けです。
RTX Sparkの小型デスクトップは、24時間365日の稼働を想定した設計です。ただし、常時稼働を想定した設計であることと、自社のAI業務を停止なく運用できることは分けて評価する必要があります。
RTX SparkはNVIDIA CUDAプラットフォーム全体に対応します。CUDAは、NVIDIAのGPUを使う開発基盤です。NVIDIAによると、RTX SparkからDGX Stationへモデルやツールを移す際に、書き直しは不要です。
同じイベントでは、NVIDIA DGX Station for Windowsも先行公開されました。従来のDGX StationはLinuxで動作していましたが、今回はWindows版が示されています。先行公開であり、今回の資料には発売時期の記載はありません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Windows PCでAIモデルやAIエージェントを動かす環境を検討している会社です。ノートPCと小型デスクトップが、端末調達の検討対象になります。
- 影響する: NVIDIA CUDAを使ってAIを開発し、DGX Stationへの移行も検討している会社です。モデルやツールの移行について、書き直し不要という説明を評価できます。
- 影響しない: 今回の端末やMXCを導入しない会社について、既存PCの交換や設定変更が必須になるとの記載はありません。
- 影響しない: 特定のWindowsの版や契約プランを使う会社が対象外になるかは、発表には書かれていません。会社の規模による条件も不明です。
情シスが今日やること
以下は、発表を受けた確認手順の提案です。メーカーが指定した対応期限ではありません。
- 今日、IT資産台帳とPC調達計画を開き、AI用途で更新予定のWindows PCを抽出します。ノートPCが必要なのか、常時稼働を想定した小型デスクトップが必要なのかを、利用部門に確認します。
- 次の見積もり依頼までに、調達担当と販売窓口へ、日本向けの提供予定、価格、納期、日本語対応、製品ごとの構成を問い合わせます。発表の最大仕様を、そのまま購入機の仕様として扱わないよう共有します。
- 検証を始める前に、AI開発担当と情報セキュリティ担当へ、利用するモデルやツールの一覧を提出してもらいます。端末内でモデルを動かせるという説明だけで、業務全体が外部送信なしになると判断せず、各ツールのデータ送信先を確認します。
- 常時実行の試験前に、MXCで利用できるWindowsの版、必要な設定、実行権限、停止方法、ログの確認方法を公式資料で確認します。今回の資料には管理画面や設定手順がないため、運用担当者を決め、確認できた条件を試験計画に記録します。