GitHubは2026年10月6日付の発表で、Copilotの利用状況の集計(Copilot usage metrics)でエージェントの利用が減って見える原因を明らかにしました。直すには、各開発者のIDE(開発ツール)の更新が必要です。Copilotのライセンスを会社で買っている情シスは、この数字をそのままライセンスの見直しや経営への報告に使わないよう注意してください。
何が起きていたのか
GitHubの発表によると、Copilotの利用状況でエージェントの活動や、エージェントが書き換えたコードの行数が減る一方で、Copilotの利用は伸びている会社がありました。原因は、いくつかのIDEがCopilotのエージェントの動作を「Copilot SDK」という仕組みに移したことです。
移行後のエージェントの動作は、どのIDEから来たかを示していませんでした。このため集計が正しく振り分けられず、活動の大部分が報告から外れ、一部はCopilot CLI(コマンド操作用のCopilot)の活動に数えられました。影響を受けるのは、エージェントのモードでCopilot SDKを使う版のIDEだけです。それより前の版の開発者は、これまでどおり数えられます。
いつから欠けていたかの日付は、発表には書かれていません。「最近」とだけ書かれています。
直る版と時期
Agent activity is counted again once developers are on these versions.
出典: GitHub Changelog「Update your IDE to restore agent activity in Copilot usage metrics」
GitHub Changelogの、IDEごとの直る版と提供時期の表出典: GitHub Changelog(引用)
発表の表を、編集部で日本語にして並べます。
| IDE |
直る版 |
提供の状況(発表のとおり) |
| Visual Studio Code |
1.139.0 以降 |
提供中 |
| Visual Studio |
18.12 |
未提供・2026年10月に提供予定 |
| JetBrains系のIDE |
次のプラグインのリリース |
未提供・2026年10月の終わりまでに提供予定 |
| Eclipse |
次のプラグインのリリース |
未提供・2026年11月までに提供予定 |
| Xcode |
次のプラグインのリリース |
未提供・2026年11月までに提供予定 |
GitHubは、各IDEの版が出るたびに、ドキュメントの対応IDEの一覧に追加するとしています。日本での提供は発表に書かれていません。
集計の見え方で、情シスが注意すること
発表は、報告の見え方を次のように説明しています。
- 課金は影響を受けません。変わったのは利用状況での振り分けで、請求ではありません。
- 該当する版を使う開発者は、更新するまでエージェントの操作回数と、エージェントによる追加・削除の行数が少なく出ます。企業・組織・利用者のどの報告でも、1日単位と28日単位の両方です。
- 欠けた分は後から戻せません。IDEが分からないので、あとから振り分けられないためです。更新した人から順に、少しずつ回復します。
- Copilot CLIの数字は多めに出ている可能性があります。ほかのSDK系のクライアントの活動が混ざったためで、過去の分は直せません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 開発者にCopilotのライセンスを配り、利用状況の画面かAPIでエージェントの利用を見ている会社。特にVS Code、Visual Studio、JetBrains、Eclipse、Xcodeでエージェントのモードを使う人がいる場合です。
- 影響する: 利用状況の数字をライセンスの更新数や経営への報告の根拠にしている会社。直近の数字が低く出ている可能性があります。
- 影響する: Copilot CLIの利用状況を見ている会社。ほかのクライアントの活動が混ざって、多めに出ている可能性があります。
- 影響しない: エージェントのモードを使っていない開発者の分。発表は、Copilot SDKをエージェントのモードで使う版だけが対象と書いています。
- 影響しない: 請求の金額。発表は課金が影響を受けないと書いています。
- 影響しない: Copilot CLIの利用者の更新作業。CLIの利用者は更新不要と書かれています。
情シスが今日やること
- 利用状況の画面かAPIで、エージェントの数字の推移を見る。 最近の週でエージェントの利用や行数が下がり、利用者数は伸びていないかを確認します。下がっていれば、今回の問題の可能性があります。
- 利用者ごとの報告で、IDEの版を確認する。 発表によると、利用者ごとの報告の totals_by_ide に last_known_ide_version と last_known_plugin_version が入ります。VS Codeが1.139.0より古い人を洗い出します。
- 更新の方針を決める。 発表は、更新の管理を一括でしている会社は、直る版へ直接移す計画が立てられるとしています。VS Codeは今すぐ可能です。そのほかは提供の時期を待ち、提供されたら更新します。
- 欠けた期間を、報告に注記する。 ライセンスの見直しや経営への報告に使う資料には、この期間の数字が欠けている可能性があることと、後から戻らないことを書き添えます。判断は、ライセンスの割り当ての一覧(Copilotのユーザー管理のAPIが基準と、Docsに書かれています)も合わせて行います。
- テレメトリの設定も見直す。 発表は、IDEのテレメトリ(利用情報の送信)が切られている、プロキシやファイアウォールで送信先が止められている、IDEや拡張機能が古い、のどれでも集計が欠けると説明しています。ついでに確認しましょう。
関連する情報
Copilotの機能そのものについては、本誌では扱いません。この発表と同じ話題の TECHNOVA の記事は、確認した時点では見つかりませんでした。
2026年10月10日時点の発表をもとに書いています。IDEの提供状況は変わるため、GitHubの発表とDocsの対応IDEの一覧でご確認ください。