Zoomは、2026年11月7日に最小バージョンを引き上げます。最小バージョンとは、これより古いと使い続けられなくなる下限のバージョンです。11月6日には、Zoomが公表しているIPアドレスの範囲も変わります。稼働状況ページには、ライフサイクル更新が8月7日、IPアドレスの変更が10月7日(いずれも米国時間)に載りました。
11月7日に上がるのは、VDIプラグイン、Zoom Phone Local Survivability(ZPLS)モジュール、Meeting SDK(Web)の3つです。会議室接続のDNSの変更は別の話なので、Zoom、会議室接続のDNSを11月に変更へをご覧ください。
公式の資料で確かめられたこと
| 項目 |
内容 |
出どころ |
| 最小バージョンが上がる製品 |
VDIプラグイン、ZPLSモジュール、Meeting SDK(Web)の3つ |
稼働状況ページ |
| 上記以外の製品 |
2026年8月の適用と同じ要件のまま |
稼働状況ページ |
| 適用日 |
2026年11月7日 |
稼働状況ページ、ポリシーの記事 |
| 稼働状況ページの時間帯 |
11月7日16時から17時(PST) |
稼働状況ページ |
| IPアドレスの変更 |
2026年11月6日23時59分(PST)から、11月7日0時まで |
稼働状況ページ |
| IPの変更の影響 |
題は「運用への影響なし」 |
稼働状況ページ |
| 次の次の適用日 |
2027年2月6日(バージョンは未定) |
ポリシーの記事 |
ライフサイクル更新のお知らせ(稼働状況ページ)出典: Zoom稼働状況ページ(引用)
上の図は、ライフサイクル更新のお知らせです。対象の3製品と、記載のない製品は8月の要件のままであることが書かれています。
日付を日本時間に直す
稼働状況ページは「PST」と書いています。11月は米国の夏時間が終わっているため、PSTは協定世界時より8時間遅い時刻です。
| お知らせ |
稼働状況ページの時刻(PST) |
日本時間 |
| ライフサイクル更新 |
11月7日16:00から17:00 |
11月8日(日)9:00から10:00 |
| IPアドレスの変更 |
11月6日23:59から11月7日0:00 |
11月7日(土)16:59から17:00 |
稼働状況ページの時間帯が、バージョンの引き上げの開始と終了の時刻そのものかどうかは、書かれていません。日本時間の換算は編集部によるものです。日付は米国の11月7日なので、日本では8日にずれる点にご注意ください。
最小バージョンの中身
Zoomのポリシーの記事(2026年8月7日更新)は、2月、5月、8月、11月の最初の週末に最小バージョンを適用すると書いています。次の適用の約3か月前に、次のバージョンを公開します。
11月7日に変わる3製品は、表のとおりです。
| 製品 |
8月1日の最小バージョン |
11月7日の最小バージョン |
| VDIプラグイン |
5.16.16 |
6.0.10 |
| ZPLSモジュール |
4.11.0.20251121.174 |
5.2.0.20260206.213 |
| Meeting SDK(Web) |
3.6.0 |
4.0.0 |
同じ表で、次の製品は11月7日も8月から変わりません。
- Zoom Workplaceアプリ: Windowsは5.17.5、macOS・Linux・Android・iOS・Intuneは6.0.2、Blackberryは6.0.0
- Zoom Rooms(コントローラ、スケジュール表示ディスプレイ、ホワイトボードなど): 6.0.0
- VDIクライアント: 6.0.10
古いバージョンのままだとどうなるか
ポリシーのFAQは、製品全般について次のように書いています。
- 最小バージョンより古いアプリのユーザーは、サインアウトされ、更新するまで全機能を使えません
- Zoom Phoneのユーザーは、緊急通報を含め、通話の発着信ができなくなります
- Zoom Roomsの機器はメンテナンスモードになり、管理者に更新が必要と通知されます
- 更新できないときは、ウェブアプリで会議に参加する選択肢が示されます
これはFAQ全体の説明です。今回の3製品それぞれに、どの動作が当てはまるかは、2026年10月13日に確認した資料には書かれていません。
IPアドレスの変更の中身
お知らせは、公開しているIP範囲が更新され、廃止された範囲の削除と、マスクの変更(範囲の書き方の変更)が含まれると書いています。ファイアウォールなどにZoom専用のルールを持つ管理者には、できるだけ早い更新を勧めています。
| サービス |
外れる範囲(IPv4) |
加わる範囲(IPv4) |
| Meetings・Webinars |
3.235.96.0/23、69.174.108.0/22 |
3.235.96.26/31、3.235.96.158/31、69.174.110.0/23 |
| Phone |
8.5.128.0/24、69.174.108.0/22 |
69.174.110.0/23 |
| Contact Center |
3.235.96.0/23 |
3.235.96.26/31、3.235.96.158/31 |
全体の一覧は、公式のtxtファイルで配られています。お知らせには、Zoom.txt、ZoomMeetings.txt、ZoomPhone.txt、ZoomCC.txtなど7本が挙がっています。ドメインを含む完全な一覧は、サポートの記事「Zoom のネットワーク ファイアウォールまたはプロキシ サーバーの設定」にあります。
We recommend that network administrators with Zoom-specific firewall or network rules update their systems as soon as possible.
出典: Zoom 稼働状況ページ
編集部の補足: 公式の一覧は2か所でずれていた
2026年10月13日に、編集部が2か所を比べました。
- txtファイル(Zoom.txt、ZoomMeetings.txt、ZoomPhone.txt、ZoomCC.txt)は、すでに新しい範囲になっていました。外れる範囲は含まれていません
- サポート記事の表(2026年9月14日更新)は、旧い範囲(3.235.96.0/23、69.174.108.0/22、Phoneの8.5.128.0/24)のままでした
自動で取り込むのはtxtを、手作業で写すのはサポート記事の表を使うことが多いため、どちらから写したかで食い違いが出ます。許可リストを更新するときは、txtを基準にするのが確実です。
もう1つ、数の比較です。3.235.96.0/23は512個のアドレスで、新しい/31は2個ずつです。69.174.108.0/22は1,024個で、新しい69.174.110.0/23は512個です。新しい範囲は旧い範囲の中に収まっているので、旧い範囲を許可したままなら、新しい範囲も通る計算です。これは編集部の計算で、公式には書かれていません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: VDI(仮想デスクトップ)の環境でZoomのVDIプラグインを配っている会社。11月7日までに6.0.10以降が要ります。
- 影響する: Zoom Phone Local Survivability(ZPLS)モジュールを入れている会社。5.2.0.20260206.213以降が要ります。
- 影響する: Meeting SDK(Web)を使って自社のシステムにZoomを組み込んでいる会社。4.0.0以降が要ります。
- 影響する: ファイアウォールやプロキシに、ZoomのIPアドレスを固定で書いている会社。外れる範囲と加わる範囲を確かめます。
- 影響しない: 11月7日の変更については、Zoom WorkplaceとZoom Roomsだけを使い、VDIプラグイン、ZPLS、Meeting SDK(Web)を使っていない会社です。ただし8月の最小バージョンより古い端末や機器があれば、8月の要件の対象です。
- 影響しない: ZoomのIPアドレスを固定で許可していない会社。この変更で作業は要りません。
情シスが今日やること
- VDIプラグインとZPLSの有無を調べる。 台帳か配布ツールで、VDIプラグインとZPLSモジュールを使っているか確かめます。使っていなければ、バージョンの引き上げの作業は要りません。
- 配っているバージョンを比べる。 Zoomのウェブポータルのダッシュボードでは、クライアントバージョンが「サポートされていないバージョン」「更新が必要なバージョン」などに分かれて見られます(ビジネス・教育機関・APIプランの管理者が対象)。VDIは専用の欄があります。該当する利用者の一覧は、メール、クライアントのバージョン、最終ログイン時間つきで出ます。
- Meeting SDK(Web)を組み込んだシステムを確かめる。 自社や委託先の開発チームに、使っているSDKのバージョンを聞きます。4.0.0で必要な作業は、公式のお知らせには書かれていません。
- 許可リストを更新する。 11月6日(日本時間では7日)より前に、公式のtxtを基準に、外れる範囲を削除し、加わる範囲を足します。変更の履歴と、更新した人を残します。
- Zoom Roomsの機器の状態を見る。 ZoomのウェブポータルでRoomsのバージョンを確かめ、6.0.0より古い機器がないか調べます。会議室の機器の保守委託先がある場合は、更新の担当を確認します。
書かれていないこと
次の点は、2026年10月13日に確認した公式の資料には書かれていません。この記事でも書きません。
- 3製品(VDIプラグイン、ZPLS、Meeting SDK(Web))で、古いバージョンのまま11月7日を迎えたときの具体的な動作
- Meeting SDK(Web)の3.6.0から4.0.0への移行で変わる点
- 稼働状況ページの時間帯(16:00から17:00 PST)に何が起きるか
- 外れる範囲を許可リストに残した場合の影響