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防弾ホスティングVirtualineを押収 利用者3,000超のデータも 自社のログを確認

米FBIとオランダ警察などが2026年10月27〜28日、犯罪者にサーバーを貸していた「防弾ホスティング」のVirtualineのドメインとサーバーを押収しました。押収で止まるものと止まらないもの、自社のファイアウォールやプロキシの記録で確認することを書きます。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆編集部が確認:
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防弾ホスティングVirtualineを押収 利用者3,000超のデータも 自社のログを確認

この記事のまとめ

  • 米FBIは10月27日(米国時間)、犯罪者向けのサーバーを貸していたVirtualineのドメインを押収しました。オランダ警察も28日、同じ業者の物理サーバー数十台を押収したと発表しています。
  • 警察は3,000を超える利用者のデータを押さえました。ただし運営者は別のドメインで疑いを否定し、通信の基盤も完全には止まっていません。
  • 2月から使われていたAS番号(AS202412)などで、ファイアウォールやプロキシの記録を引き、社内から外へ出た通信があれば端末を調べます。
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業者のドメインが押収されれば、その業者のサーバーから来る攻撃も止まる。そう考えたくなりますが、今回の押収は、そこまでを約束していません。

米連邦捜査局(FBI)は2026年10月27日(米国時間)、犯罪者にサーバーを貸していたVirtualineの主なドメイン「virtualine.net」を、裁判所の許可を得て押収しました。オランダ警察は翌28日、同じ業者がリンブルフ州のデータセンターに置いていた物理サーバー数十台を押収したと発表しています。Virtualineは、苦情や捜査機関の求めに応じないことを売りにする「防弾ホスティング」の業者です。

押収から数時間後、運営者は別のドメインに公開書簡を載せ、疑いを否定しました。「名前を変え、新しいサイトを作って続けることもできる。1日もかからないかもしれない」という一文もあります。

押さえられたのは、ドメインと数十台のサーバー

米国の発表は、東部バージニア地区の連邦検事局とFBIのワシントン支局が出しました。発表の中身は、発表を引いたChainalysis、TRM Labs、Silent Pushの3社の分析から書いています。捜査には、ドイツのヘッセン州警察、中部オランダ警察、英国の国家犯罪対策庁(NCA)が加わりました。民間からは、悪質なホスティングを追う研究者の集まりOverRIPEと、米通信会社Lumenが協力しています。Chainalysisは、暗号資産の流れの分析で捜査を支えたとしています。

オランダ警察の発表で目を引くのは、利用者の側の情報です。警察は、サーバーを犯罪に使っていた3,000を超える利用者のデータを手に入れ、その利用者への次の捜査を進めているとしています。物理サーバーを押収したことで、その上で動いていた仮想サーバー数百台も止まりました。同じ時期に、FBIとドイツの警察は、容疑者への捜査、暗号資産の差し押さえ、通信の基盤の停止を進めました。逮捕の有無は、発表に書かれていません。

警察によると、この業者は2022年から、ランサムウェアの攻撃、ボットネット、インフォスティーラー、フィッシングを手助けしていた疑いがあります。児童の性的虐待の画像の配布に関わった疑いも挙げられています。

オランダ警察のウェブサイトの発表の冒頭。題は「Internationale politieactie tegen bulletproof hoster」。公開日は2026年10月28日、場所はユトレヒトとリンブルフ州。本文は、中部オランダ警察のサイバー犯罪の班が悪質なホスティング会社のサーバー数十台を押収し、会社はサイバー犯罪の手助けを疑われていると書いている
オランダ警察の10月28日の発表。リンブルフ州でサーバー数十台を押収出典: オランダ警察(Politie)(引用)

「防弾」の業者は、何を売っていたのか

Chainalysisが引く米司法省の発表によると、VirtualineはSecury、Massgod、Spamhouse、Lanedo、Omegatechの名前でも営業していました。客を集めていたのは、ロシア語の犯罪フォーラム「Exploit」と「HackForums」です。2024年9月の書き込みでは、フィッシング、カード情報の不正利用、迷惑メール、ポートスキャンを挙げ、違法な活動に何でも使ってよいとしています。

2026年3月には「追加の保護プラン」も売り出しました。捜査機関から求めが来たら、客の犯罪用のサーバーを、Virtualineと関係のない名目上の会社に移してから動かし直す、という内容です。苦情を受けて止めたように見せ、中身は残すための仕組みでした。

支払いはビットコインで、取引所を通さない財布で受けていました。料金は月0.79ドルからで、2019年から営業していると自称しています。TRM Labsは、Virtualineの財布に直接入ったお金の出どころを、次のように分けています。

支払った相手(TRM Labsの分類) 直接の入金に占める割合
ロシアの薬物の闇市場 約44%
性的な画像で脅す詐欺の組織 約17%
ミキサー(資金の出どころを隠すサービス) 約13%
ランサムウェアのグループ 約5%

ランサムウェアの割合は小さく見えます。それでも、TRM Labsによると、インフォスティーラー「StealC」の運営者は2026年に入ってからずっと支払いを続けていました。同社が分類する防弾ホスティングの業者の中で、2026年に犯罪由来とみられる暗号資産を最も多く受け取ったのも、Virtualineだったといいます。会社のPCから認証情報を盗むマルウェアの裏方に、こうした業者がいるということです。

押収されても、回線は消えていない

Silent Pushは2026年2月11日、通信の基盤の引っ越しを見つけていました。防弾ホスティングとして知られるRailnetのAS番号(AS214943)から、新しく登録されたOmegatechのAS番号(AS202412)への移行です。AS番号は、インターネットの上でIPアドレスのまとまりをネットワークごとに区別する番号です。Omegatechのアドレスの範囲の中に、Virtualineが入っていたといいます。

押収のあと、Omegatechのアドレスの範囲は、インターネットの経路の上でほとんど見えない状態になりました。運営者の側で大きな問題が起きているときの形ですが、完全には止まっていない、とSilent Pushは書いています。

業者が名前を替えて戻るのにかかる時間は、長くありません。米CISAなど6か国の9機関が2025年11月に出した指針によると、防弾ホスティングの業者は新しいAS番号を2〜5営業日で手に入れ、同じ悪質なアドレスの範囲をそちらへ移せます。Silent Pushが追う防弾ホスティングの業者のうち50社が、この12か月でAS番号を失いました。業者がやめたのか、別の名前で戻ったのかは、外からはすぐには分かりません。

ログに出てきたら、通信の向きで読み分ける

CISAなどの指針は、防弾ホスティングの使われ方として、マルウェアの指令サーバー、マルウェアの配布、フィッシング、違法なコンテンツの公開を挙げています。Virtualineも、広告でポートスキャンや迷惑メールを挙げていました。自社の記録にこうしたアドレスが出てきたとき、意味は通信の向きで変わります。

通信の向き 考えられること 次に見るもの
社内のPCやサーバーから外へ マルウェアの指令サーバーや、盗んだ情報の送り先への通信 その端末のEDRの記録、同じ時刻のDNSの問い合わせ
外から自社のVPN・メール・公開サーバーへ ポートスキャン、パスワードの総当たり、脆弱性を探す通信 認証に成功した記録が無いか
社員が受け取ったメールのリンク先 フィッシングのサイト リンクを押した人と、IDやパスワードを入力したか

公開しているサーバーには、外からの探りが毎日のように届きます。外から届いた記録があるだけなら、慌てる必要はありません。急ぐのは、社内の端末から外へ出ていった記録です。インフォスティーラーは、ブラウザーに保存したパスワードやセッションの情報を、気づかないうちに外へ送ります。

関係あるのは、外への通信の記録を持つ会社

自社でファイアウォールやプロキシ、DNSの記録を数か月分残している会社は、過去にさかのぼって確認できます。Omegatechへの移行が2月なので、少なくとも2026年2月以降の記録が見られれば、AS202412の範囲を引けます。それより前は、RailnetのAS214943も対象です。

VPNやメールのサーバーを自社で公開している会社は、外からの通信が届いていた可能性が高いでしょう。見るのは、認証に成功した記録だけで足ります。

記録をほとんど残していない会社や、通信の検査をクラウドのセキュリティサービスに任せている会社は、さかのぼって調べるのが難しいはずです。サービスの脅威情報が更新されているかをベンダーに聞き、記録の保存の期間を見直すところから始めます。

AS番号ごと止めるか、アドレスで止めるか

遮断の範囲は、迷いどころです。CISAなどの指針は、AS番号ごとの遮断がいつも効くとは限らないとしています。防弾ホスティングの基盤は、複数のASに少しずつ散らばっていたり、まともな事業者から借りた回線に紛れていたりします。AS番号ごと止めると正当な通信まで止まり、業者がAS番号を替えれば、古い番号で作った一覧はすぐに役に立たなくなります。

米CISAのウェブサイトの資料のページ。題は「Bulletproof Defense: Mitigating Risks From Bulletproof Hosting Providers」、公開日は2025年11月19日。CISAがNSA、国防総省サイバー犯罪センター、FBIと各国の機関と共同で、ISPとネットワークを守る側に向けた指針を出したと説明している
米CISAなどの防弾ホスティングへの対策の指針(2025年11月)出典: 米CISA(引用)

指針がネットワークを守る側に求めているのは、次のような運用です。

  • 「確度の高い」悪質なアドレスの一覧を、商用・無料の脅威情報や情報共有の枠組みから作る。
  • 一覧を自動で定期的に見直し、新しいアドレスを足し、まともな事業者に移ったアドレスを外す。
  • ログを集める仕組みで、AS番号とIPアドレスの両方を記録し、一覧に当たる通信で警告を出す。
  • 境界で遮断するときは、AS番号ごと、アドレスの範囲、個別のアドレスのどれで止めるかを、正当な通信への影響と比べて決める。決めた日と理由を記録し、変更は手順を決めて管理する。
  • 誤って止めた通信について、問い合わせを受ける手順を用意する。

無料の一覧として、指針はSpamhausの「DROP」、ipapi.isの悪用の多いAS番号とアドレスの範囲の一覧、abuse.chとSpamhausのThreatFoxを挙げています。UTMや次世代ファイアウォールが悪質なアドレスの一覧を自動で取り込んでいるなら、手作業の遮断を足すより先に、その更新が止まっていないかを見るほうが効きます。

今週のうちに確認すること

  1. ファイアウォールかプロキシの記録から、2026年2月以降に外へ出た通信の宛先のIPアドレスを書き出し、AS番号を付けて、AS202412とAS214943を探します。ログを集める仕組みにAS番号を付ける機能があれば、それを使います。
  2. 社内の端末から外へ出た通信が見つかったら、その端末のEDRの記録で、同じ時刻に動いていたプログラムを調べます。インフォスティーラーが疑われるなら、端末を切り離し、その端末で使っていたパスワードと、ブラウザーに保存していた認証情報を変えます。
  3. UTMやファイアウォールの悪質なアドレスの一覧が、自動で更新されているかを管理画面で見ます。AS番号で遮断を足すなら、足した日と理由を書き残し、見直す日を決めます。指針は、ISP向けの項で90日などの期限を決めて遮断する例を挙げています。
  4. ファイアウォール、プロキシ、DNSの記録を何日分残しているかを確認します。2月までさかのぼれなかった会社は、次に同じことが起きたときのために、保存の期間を延ばす費用を見積もります。

利用者3,000超のデータが、次の捜査につながる

今回の押収でいちばん大きいのは、業者のサーバーそのものより、借りていた側の手がかりかもしれません。オランダ警察は、押さえたデータを、サーバーを犯罪に使った利用者の捜査に使うとしています。フィッシングのサイトや指令サーバーを動かしていた側の摘発が、ここから続く可能性があります。

そうなったとき、被害を受けた会社の記録は、捜査とつき合わせる材料になります。どのアドレスから、いつ、何が届いたか。運営者の言う「1日もかからない」引っ越しが本当に起きるかどうかとは別に、自社の記録を消さずに残しておく理由は、そこにあります。

よくある質問

Q押収されたなら、Virtualineのアドレスからの攻撃はもう来ませんか。

A来なくなるとは限りません。Silent Pushは、押収のあともVirtualineが使っていたAS番号のアドレスの範囲が完全には止まっていないとしています。米CISAなどの指針によると、この種の業者は新しいAS番号を2〜5営業日で手に入れ、同じアドレスの範囲を移せます。悪質なアドレスの一覧は、押収のあとも更新を続ける前提で使います。

QファイアウォールでAS番号ごと止めてもよいですか。

A止める範囲は、正当な通信への影響と比べて決めます。CISAなどの指針は、防弾ホスティングの基盤が複数のASに散らばり、まともな事業者の回線に紛れることもあるとして、AS番号ごと・アドレスの範囲・個別のアドレスのどれで止めるかを、通信ごとに決めるよう求めています。決めた理由と日付も記録に残します。

QログにVirtualineのアドレスが出てきたら、侵入されたということですか。

A通信の向きで意味が変わります。外から自社のVPNやメールのサーバーに届いた通信は、ポートスキャンやパスワードの総当たりのことが多く、それだけで侵入とは言えません。社内のPCやサーバーから外へ出た通信があれば、マルウェアの指令サーバーや、盗んだ情報の送り先への通信を疑い、その端末を調べます。

出典・参考

編集部が確認:。確認した監修者は、この下に載せています。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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