Microsoftは2026年10月15日、Microsoft Foundryの9月更新まとめを公開しました。作業を自動で進めるAIエージェントの定期実行機能「Routines」が一般提供となり、ツールの読み込みや運用分析にも更新が入りました。利用を検討する際は、一般提供と公開プレビューを分け、実行条件と費用への影響を確認する必要があります。
定期実行とツールの読み込みが一般提供に
Routinesは、時刻を指定した実行に加え、対応するGitHub・Teamsのイベントをきっかけに実行できます。ただし、エージェントが予定するリマインダーツールはプレビューのままです。定期実行が一般提供になったことと、関連する機能がすべて正式提供になったことは分けて捉える必要があります。
ツール定義を必要に応じて読み込む「Tool Search」は、2026年9月24日に一般提供が発表されました。Microsoftは、入力トークンの費用を減らせる可能性があるとしています。トークンは、モデルが扱う文章などの量を数える単位です。削減を保証する発表ではないため、自社の処理で費用がどう変わるかを確かめてから判断するのがよいでしょう。
「Toolboxes」は、ホスト型エージェント向けでは引き続き一般提供です。一方、プロンプト型エージェント向けは公開プレビューとなりました。同じ機能名でも、利用するエージェントの種類によって提供段階が異なります。
分析機能は試験段階、モデルにも利用条件
エージェントの分析機能「Insights」は公開プレビューです。Microsoftによると、処理の記録であるトレースを基に、繰り返し起きる問題や改善案を示します。利用時には、監視や評価用モデルの費用が追加される場合があります。機能の試用と、運用予算への組み込みは分けて検討したいところです。
「Model Router」には、関連する要求で同じ適格モデルを優先する「セッションアフィニティ」と、ルーティング情報のプレビュー機能が加わりました。ただし、同一モデルの使用や、保存済みの処理結果などを再利用するキャッシュのヒットは保証されません。関連する要求を必ず同じモデルで処理する前提では、設計しないようにします。
モデルでは、GPT-6 Astra、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Lunaが一般提供になりました。GPT-6.1 Solでツールを呼び出すにはResponsesが必要です。モデルを切り替える前に、開発担当者による呼び出し方式の確認が必要になります。
なお、日本での提供は発表には書かれていません。Model Routerは32リージョンへの拡大が示されていますが、日本のリージョンが含まれるか、日本語への対応、日本向け価格は、この発表の情報だけでは確認できません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Foundryでエージェントを運用し、時刻指定や対応するGitHub・Teamsイベントによる実行を検討している会社です。Routinesの一般提供を受け、実行条件の確認が検討対象になります。
- 影響する: Tool SearchやInsightsの利用を検討している会社です。入力費用の削減可能性だけでなく、分析に伴う追加費用も確認対象になります。
- 影響する: Model Routerの利用中、またはGPT-6.1 Solへの切り替えを検討中の会社です。モデル選択の保証範囲や、ツール呼び出しの条件を確認する必要があります。
- 影響しない: Foundryを利用しておらず、導入予定もない会社は、今回の機能追加に伴う自社環境の変更確認は対象外です。
- 影響しない: ホスト型エージェント向けToolboxesを利用する会社では、今回、一般提供という提供段階に変更はありません。ただし、個別環境への影響の有無までは発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- Foundryの運用設定と構成資料で、利用中の機能とエージェントの種類を確認します。運用担当者と開発担当者で、Routines、Tool Search、Toolboxes、Insightsの利用有無を一覧にし、次の変更判断までに一般提供とプレビューを分けておきます。発表には具体的な管理画面の操作経路は書かれていません。
- Routinesを試す前に、業務担当者へ実行したい時刻と、きっかけにしたいGitHub・Teamsイベントの確認を依頼します。リマインダーツールはプレビューのままであることも共有し、同じ提供段階だと扱わないようにします。
- Tool SearchやInsightsの試用前に、費用管理担当者と比較方法を決めます。現在の入力トークン費用を確認し、Insightsでは監視・評価用モデルの費用も確認対象にします。削減の可能性だけで本番利用を決めないことが重要です。
- モデル変更前に、開発担当者へGPT-6.1 SolのResponses利用条件と、Model Routerが保証しない事項を伝えます。日本での提供条件も確認できるまでは未確認として管理し、利用できることを前提に導入日を決めないようにします。