Microsoft は、クラウド 上の開発用PCを払い出すサービス「Microsoft Dev Box」を、2028年9月18日に提供終了 すると発表しました。Azure の更新情報には、2026年10月8日に追加されています。開発チームにDev Boxを配っている会社は、移行 の計画を今から立てる必要があります。
この記事は、Microsoftの公式のページに書かれていることだけで書いています。書かれていないことは、そう明記します。
いつ何が終わるのか
Azureの更新情報とMicrosoft Learnの案内を合わせると、日程は次のとおりです。時刻はどちらもUTC(世界協定時)です。
日付
内容
2026年9月14日 16:00 UTC
閉鎖期間(closing-down period)が始まる。日本時間は9月15日の午前1時
2028年9月18日 17:00 UTC
Dev Boxが提供終了。日本時間は9月19日の午前2時
今日(2026年10月9日)は、すでに閉鎖期間に入っています。
Azureの更新情報は、Dev Boxを「メンテナンスモード」にあると書いています。Microsoftの開発者向けクラウド環境への投資は、Windows 365に集中しているとも書いています。
Microsoft Learnの提供終了ガイド。終了日と閉鎖期間の開始日が囲みに書かれている 出典: Microsoft Learn「Microsoft Dev Box retirement guide」 (引用)
公式が書いている「止まり方」
何が止まるのか、公式の記述を分けて見ます。
既存の環境: 移行の期間中は引き続きサポートされます。Learnのガイドは、新しい移行計画を作って実行する間、一時的な対応として使い続けてよいと書いています。
機能の追加: Azureの更新情報に「新しい機能の開発は計画されていません」とあります。
新規の作成: Learnのガイドは「現在の製品と契約の画面で、新しく作れるかを確かめてください」と書いています。止まる日付は書かれていません。ただし、終わるサービスに長く続く依存を新しく作らないよう求めています。
終了後: Dev Boxは使えなくなります。ガイドは、残った顧客のワークロードは削除されると見込むよう書いています。データの保全と移行は、期限までに終える必要があります。
閉鎖期間に具体的に何が変わるか(たとえば新規の申し込みの停止日)は、確認したページに書かれていません。
移行先はWindows 365、ただし同等の置き換えではない
公式が「今後の推奨」としているのは、Windows 365です。Learnのガイドは、次のように説明しています。
Intuneで管理でき、Microsoft Entra ID、条件付きアクセス、コンプライアンスポリシーと組み合わせられる、永続的なクラウドPCです。
Windows 11の開発者向け構成のイメージに対応しています。
16 vCPU、32 vCPU、GPU付きのクラウドPCなど、複数の構成があります。
大事なのは、Learnが「1対1の置き換えではない」と書いていることです。構成、ライセンス、管理、ネットワーク、イメージの配り方、開発者のセルフサービスが、Dev Boxと違うことがあります。「機能が同じとは考えないで、利用の場面ごとに確かめる」とあります。
自動の移行ツールについても、ガイドは「Windows 365は1対1の置き換えではない」と書き、移行先のクラウドPCの用意、ポリシーや設定の作り直し、アプリの配布、利用者のデータの移しを、自分たちで計画するよう求めています。自動の移行ツールがあるとは書かれていません。個別の本番の移行を始める前に、Microsoftの担当窓口に連絡するよう書かれています。
Windows 365 is the recommended path forward for virtualized developer environments.
出典: Microsoft Learn「Microsoft Dev Box retirement guide」
ガイドが書いている移行の進め方は、おおよそ次の順番です。
移行先のWindows 365の種類とライセンスの形を選びます。
ID、端末の管理、ネットワーク、イメージ、アプリ、保存先、容量、性能の条件を決めます。
代表的な開発の作業で試験をします。
事業の優先度、準備の状況、地域、サポートの体制で、移行の波を分けます。
利用者を移す前に、移行先のクラウドPCを用意して確かめます。
必要なデータと設定を、決めた手順で移します。
切り替えを監視し、確認が済んだらDev Boxの資源を消します。
日本での扱い
日本での提供の状況、日本向けの日程や案内の違いは、確認した公式のページには書かれていません。Learnには日本語のページがあり、2026年10月9日の確認時点で、日本語版にも2028年9月18日17:00 UTCの終了と、移行の案内が出ていました。
影響する会社・しない会社
影響する: 開発チームにDev Box(dev center、プロジェクト、プール)を配っている会社。2028年9月18日までに移行が必要です。
影響する: Dev Boxを、外部の委託先や協力会社の開発者に貸している会社。委託先の作業環境の移行も、契約と費用の整理が要ります。
影響する: Dev Box用のイメージ、Azure Compute Gallery、ネットワーク接続、自動化の手順を作っている会社。移行先で作り直す部分が出ます。
影響する: 入口にWindows Appを使っている会社。接続先の一覧からDev Boxが消える日が来ます。詳しくはWindows Appでリモート PC 接続が一般提供になった記事 の、Dev Boxの記述もあわせて見てください。
影響しない: Dev Boxを契約していない会社。今回の発表は、Windows 365やAzure Virtual Desktopの終了を示すものではありません。確認したページに、その2つの終了は書かれていません。
影響しない: 試験的に作ったDev Boxを、すでに全部消している会社。消した資源の確認だけで済みます。
情シスが今日やること
Dev Boxの資源を棚卸しします。 AzureのポータルでDev Boxのdev center、プロジェクト、プール、定義、ネットワーク接続、イメージ、有効なdev boxを一覧にします。公式は、Azure Advisorの「Service Retirement」ワークブックで、影響を受けるサブスクリプションと資源を確認できると書いています。ワークブックで出ないものは、手作業の一覧で補います。
使っている人と用途を分けます。 誰が、どのプロジェクトで、何のために使っているかを部署ごとに書き出します。Windows 365に直接移せる用途と、追加の計画が要る用途に分けます。
契約と費用を確かめます。 Windows 365のどの種類とライセンスで移すかを、購入元と相談します。16 vCPUやGPU付きの構成が要る用途があれば、容量が確保できるかも聞きます。担当の窓口がある会社は、Microsoftの担当者にも連絡します。
移行の計画と試験の時期を決めます。 期限は2028年9月18日ですが、試験は早いほど余裕が出ます。1つのチームで先に試し、イメージ、ネットワーク、Intuneの設定、開発ツールの動きを確かめます。
新しい依存を増やさないと決め、社内に知らせます。 新しいプロジェクトにDev Boxを割り当てる前に、移行先を先に決めるよう、開発チームに伝えます。