Microsoft は、開発チームが決まったテンプレートからAzure の環境を作れるサービス「Azure Deployment Environments(ADE)」を、2027年2月22日に提供終了 すると発表しました。Azureの更新情報には、2026年10月8日に追加されています。
終了まで、今日(2026年10月9日)から136日です。同じ仕組みを使うMicrosoft Dev Boxは2028年9月18日までで、ADEのほうが約1年7か月早く終わります。Dev Boxの感覚で構えていると間に合わない可能性があります。Dev BoxについてはMicrosoft Dev Boxが2028年9月18日に提供終了した記事 に書いています。
この記事は、Microsoftの公式のページに書かれていることだけで書いています。書かれていないことは、そう明記します。
いつ何が終わるのか
Azureの更新情報とMicrosoft Learnの案内を合わせると、日程は次のとおりです。
日付
内容
2026年9月14日
ADEが閉鎖の手続き(closing-down process)に入る
2027年2月22日
ADEが提供終了。終了後はサービスを使えない
どちらも、時刻とタイムゾーンは確認したページに書かれていません。日本時間への換算はできないため、「2月22日の終わりまで使える」とは考えず、余裕を持って前日までに移行 を終える計画にしてください。
Learnの提供終了ガイドは、2026年9月15日に更新されています。更新の内容の一覧は書かれていません。
Microsoft LearnのADE提供終了ガイド。2027年2月22日に提供終了と書かれた囲みがある 出典: Microsoft Learn「Azure Deployment Environments retirement guide」 (引用)
終了日に何が止まるのか
Learnのガイドは、終了日に起きることを次のように書いています。
止まる操作: ADEの作成、デプロイ、再デプロイなどの書き込みの操作が止まる見込みです。
残る操作: 一覧の参照、読み取り、ログ、削除の操作は、期間を区切った片づけの期間だけ残る予定です。その期間の長さは書かれていません。
移行の期限: 本番の移行は、2月22日より前に終えるよう求めています。
閉鎖の手続きが始まった2026年9月14日から、具体的に何が変わるか(たとえば新規の作成の停止日)は、確認したページに書かれていません。
ADE create, deploy, redeploy, and other write operations are expected to be blocked. Inventory, read, log, and delete operations are planned to remain available for a time-bound cleanup period.
出典: Microsoft Learn「Azure Deployment Environments retirement guide」
移行先は1つに決まっていない
ガイドは、ADEに「すべての用途の1対1の置き換えはない」と書いています。用途ごとに、次の候補を比べるよう求めています。
候補
ガイドの説明
Azure Resource ManagerテンプレートとBicep
サブスクリプション、リソースグループ、ID、ポリシー、デプロイの手順、寿命の管理を、社内の基盤チームの手順でできる会社向け
Azure Verified Modules
標準化された部品を使いたいとき。対応範囲、版管理、ポリシーとの連携、持ち主を移行前に確かめる
Azure DevOpsとGitHub のワークフロー
環境の用意を、リポジトリとパイプラインに組み込めるとき。ADE専用のコマンド、SDKの連携、Dev Center向けのazdの設定は作り直す
パートナーの製品
「BicepかARMの寿命の管理に直接対応するものは、確認できた範囲になかった」と書かれている。AzureではBicepかARMを直接使う
選ぶ前に、作成、更新、削除、ポリシー、ID、ログ、失敗からの復旧、費用の管理を、代表的な場面で試すよう書かれています。
自動の移行ツールは、確認したページに書かれていません。ガイドが求めているのは、テンプレート、カタログの参照先、パラメーター、設定を残し、移行先を決め、環境の用意の自動化を作り直し、試してから利用者と自動化を移す、という手作業の進め方です。
日本での扱い
日本での提供の状況、日本向けの日程や案内の違いは、確認した公式のページには書かれていません。Learnには日本語のページがあり、2026年10月9日の確認時点で、日本語版にも2027年2月22日までに移行する案内の囲みが出ていました。
影響する会社・しない会社
影響する: ADEで、開発用や検証用のAzure環境を、テンプレートから作って配っている会社。2027年2月22日までに、環境の作り方を別の手段に移す必要があります。
影響する: ADEをCI/CDのパイプラインやazd(Azure Developer CLI)から呼んでいる会社。ADE専用のコマンドやSDKの呼び出しは、作り直しになります。
影響する: 委託先や協力会社の開発者に、ADEの環境を使わせている会社。契約と費用、権限の整理も、移行に合わせて必要です。
影響する: ADEと同じdev centerで、Dev Boxも使っている会社。ADEだけ片づけるときに、Dev Boxが使う親の資源を消さないよう注意が要ります。
影響しない: ADEを使っていない会社。Azureのほかのサービスの終了を示す発表ではありません。
影響しない: ADEを試しただけで、環境と関連する資源をすでに全部消している会社。消し残しの確認だけで済みます。
情シスが今日やること
使っているADEの資源を棚卸しします。 環境、環境定義、カタログ、環境の種類、プロジェクト、dev center、デプロイ先のサブスクリプション、ID、ロールの割り当てを一覧にします。公式は、Service Retirementのワークブックと、Azure Resource Graphで、自分が見られるサブスクリプションのADEの資源が分かると書いています。ただし、動いている環境そのもの(インスタンス)にはAzure Resource ManagerのリソースIDがありません。開発者ポータル、Azure CLI、ADEのデータ面のAPI、運用の記録から、別に洗い出してください。
テンプレートと設定を移せる形で残します。 環境定義のテンプレート、カタログのリポジトリの参照先、パラメーター、設定を、ADEが止まっても読める場所に保管します。Bicepに変えられるものと、作り直しが要るものを分けます。
移行先を用途ごとに決めて試します。 上の表の候補を、使っている場面ごとに当てはめます。作成、更新、削除、ポリシー、ログ、費用を1つのチームで先に試し、使う人と自動化を移す順番を決めます。
権限を確かめます。 ADEのためだけに付けた、環境の種類、ID、ロールの割り当て、デプロイ用の高い権限は、移行が終わってから外します。移行先で必要になる権限は、先に決めて申請します。
片づけの計画を作ります。 ADEの環境を消しても、環境が作った資源がすべて消えるとは限りません。管理されたリソースグループの外にある資源は動き続け、課金も続きます。Azure Cost Managementで、止めたい費用が止まったかを確かめてください。dev centerやプロジェクトは、Dev Boxの依存が無いと確かめてから消します。