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DX推進室と情シスの役割分担は?導入したツールの運用で困らない決め方

「DXは企画、情シスは保守」と分けると、導入したツールの運用が宙に浮くことがあります。公開されている声10件とIPA・JUASの調査から、すれ違う場面と、役割分担の表、最初の打ち合わせで決める7つのこと、受け渡し票をまとめました。どちらかを悪者にしない進め方です。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
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DX推進室と情シスの役割分担は?導入したツールの運用で困らない決め方

この記事のまとめ

  • DX推進室は早く試したい、情シスは止めずに続けたい。どちらも会社のためで、ぶつかるのは運用の持ち主が決まっていないときです。
  • IPAの調査で、経営者・IT部門・業務部門が協調できている割合は、成果が出ている企業72.9%、出ていない企業37.1%でした。
  • 最初の打ち合わせで、業務の持ち主、決める人、運用の窓口、やめる条件、費用を決め、受け渡し票に残すと、すれ違いを減らせます。
こんな方に#30代#40代#50代実務

「全社で使えるようになりました」とDX推進室が発表した翌週、情シスの窓口に「ログインできません」が届き始める。情シスは、そのツールの名前を発表で初めて知りました。DX推進室にも、早く成果を見せたい事情があります。

この記事では、DX推進室(DX推進部など、名前は会社ごとに違います)と情シスがすれ違う場面を、公開されている声と調査から整理します。後半には、役割分担の表、最初の打ち合わせで決めること、受け渡し票を付けました。

DX推進室と情シス、すれ違うのはどこ?

DXを「攻めのIT」、情シスを「守りのIT」と呼ぶことがあります。攻めも守りも会社に要る仕事で、どちらかが悪いわけではありません。

DXを進める場面のずれを、業務改善を支援するコンサルタントのnote(隼人、2026年1月27日)は短く書いています。現場は「楽になりたい」、情シスは「止めたくない」。

公開されている声を読んで整理すると(公開されている声10件、編集部)、すれ違いは次の3つの場面に集まります。

場面 DX推進室から見ると 情シスから見ると 起きること
作ったアプリや自動化の運用 現場に広げて、定着させたい 問い合わせと改修が窓口に来る 作った人が異動すると、誰も直せない
新しいツールを試す順番 早く試して、成果を見せたい ログイン、権限、データの扱いを先に見たい 決まってから情シスに届く
誰が決めるか 決める権限がなく、確認待ちが続く 決める場にいないのに、運用を任される お互いに「相手が決める」と思って止まる

あるある1: 「DXは企画、情シスは保守」で分けたら、運用が宙に浮いた

企画と保守で分けると、間にある仕事がこぼれます。問い合わせの受け付け、権限の変更、ちょっとした改修、使われなくなったものの片づけです。kintone(サイボウズの、業務アプリを作るサービス)の管理者の方は、現場にアプリ作りを開放したときのことを、こう書いています。

管理者の異動や退職で引き継ぎがされず、放置されたアプリの改修依頼がシステム部門に舞い込む日々。仕様を一から解読する羽目になり、「これなら最初から自分が作った方が早いのでは…?」と疲れ果て、一度は市民開発を諦めていたのです。

出典: note「【kintone】過去のトラウマを乗り越え「市民開発」に再挑戦!」シマ(2026年7月23日)

この方は、研修を受けた人にだけ作る権限を渡す、使われていないアプリの棚卸しと削除の条件を決める、などの仕掛けを整えて、もう一度開放しています。

心配しているのは、情シスだけではありません。これから市民開発(業務部門の人が自分でアプリや自動化を作ること)の支援に関わる筆者は、こんな場面を例に挙げています。Power Automateは、マイクロソフトの、作業を自動化するサービスです。

「このPower Automate、誰が作ったの?」

「○○さんです」

「○○さん、もう異動してるよ……」

「エラーになっているんですけど、誰も中身が分かりません」

出典: Qiita「DXが進まない理由。「ツールを導入した」で終わっていませんか?」sayagon(2026年8月20日)

同じ筆者は、作ったアプリやフローの保守を誰が担うのかを、組織として考えることの1つに挙げています。情シスの立場のnote(くろひつじ、2023年12月2日)にも、「でもそのツール、誰がメンテナンスするのでしょう」という問いがあります。DXを進める側と情シスが、同じところを心配しているわけです。

あるある2: 決まってから届く「進捗してしまった案件」

2つ目は、順番です。DXに携わる筆者は、DXと情シスが同じ組織にいた経験から、こう書いています。

DXと情シスのマネジャー陣が良好なコミュニケーションを取っていると、DX施策の実現も早いですし、早期にセキュリティリスクを織り込むなど多角的な観点で物事を進められます。情シスから見ても、進捗してしまった案件をいきなり突きつけられるより、様々な準備ができてスムーズでしょう。

出典: note「DXと情シスは同じ組織にすべき?」shore(2025年4月2日)

この筆者は記事の後半で、攻めと守りは大事にするものが違うので、組織を分ける考え方にも理があると両論を並べています。組織の形より、早い段階で話せるかどうかが分かれ目だと読めます。

あるある3: 誰が決めるのか曖昧。DX推進室も困っている

3つ目は、決める人です。ここは、DX推進室の側も苦しんでいます。IT部門で働いたあと、いまはDX推進室に勤める筆者は、DX担当者がぶつかる壁の1つに「権限の壁」を挙げています。

「現場で調整してね」と任されたものの、決定権がなく、全てが上長確認待ち……。

出典: note「経営層がDXを理解していないと、ほぼ100%失敗します。その理由と4つの壁」丸木@現役DX推進担当者(2025年3月17日)

同じ記事には、「DXはIT部門がやればいい」と丸投げされる、という壁も出てきます。情シスの立場のnote(keita、2024年6月25日)は逆に、新しく作った「DX推進室」的な部門に、社内でDXを丸投げするパターンを挙げています。変わるのは現場の業務なので、誰かに任せきりにはできない、という指摘です。

DX推進室と情シスは、どちらも丸投げを受ける側にいるわけです。決める人が決まると、動きは早くなります。

法人のDX推進部で開発を担う筆者(Zenn・ひーさん、2026年4月2日)は、部署が正式にできて「これ勝手に作っていいの?」という迷いが消えたそうです。承認も早くなったと書いています。

調査でも、部門の協調と成果はつながっている

IPAの「DX動向2026」(2026年7月30日公開)は、国内企業1,799社への調査(2026年4〜6月、IPAの呼び方では2025年度調査)の結果です。DXに取り組む企業で、経営者・IT部門・業務部門の協調ができているかを、成果の有無で比べると次のとおりでした。

DXの成果 協調が「十分にできている」「まあまあできている」の合計
成果が出ている企業 72.9%
成果が出ていない企業 37.1%
DXに取り組む企業の全体 48.9%

IPAは、部門間の協調とDXの成果の創出が強く関係しているとしています。協調すれば成果が出る、という因果まではこの数字だけでは言えません。

JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査報告書2026」は、IT部門長が回答した957社の調査です(2026年4月公開)。「DX推進体制が不明確」という課題への施策には、専任の部署づくりなどが挙がっています。IT部門と事業部門の責任を明確にするため、「事業がDX推進の主体でありITは支援」という役割分担を全社のルールにした企業もあったと書かれています。

役割分担の表(編集部の整理)

製造業の情シスマネージャーのnote(まさ、2024年3月17日)は、イベントで聞いたサッカーのたとえを紹介しています。ユーザー部門がフォワード、情シスがディフェンダー、間で試合を組み立てるデジタル推進の人材がミッドフィルダーです。DX推進室をこの真ん中に置くと、分担を考えやすくなります。

次の表は、公開されている声と調査をもとにした、編集部の整理です。会社の規模や体制で変わるので、案として使ってください。

仕事 主に担う 協力する
何を変えるか、目的と成果の指標を決める 業務部門と経営 DX推進室(企画と進め方)
ツールの候補選びと試行 DX推進室 情シス(ログイン、データ、連携を試す前に確認)
ログインの方法、権限、データの扱いの決まり 情シス DX推進室(現場の使い方を伝える)
現場への展開、研修、相談会 DX推進室 業務部門(推進役を出す)
問い合わせの一次窓口 業務部門かDX推進室(最初に決める) 情シス(ログイン、端末、障害の二次窓口)
アプリや自動化の改修 作った部門 情シス(作り方の決まり、使ってよい機能)
アカウント、契約、更新日の台帳 情シス DX推進室(使われ方の報告)
年1回の棚卸しと、やめる判断 業務部門とDX推進室 情シス(使われていないものの一覧)

最初の打ち合わせで決める7つのこと

新しい施策の最初の打ち合わせに、情シスを1人呼びます。30分ほどで、次の7つを確かめます。

決めること 中身の例
1. 目的と業務の持ち主 何がどう変わればよいか。使う部門と責任者
2. 決める人 試行を始める、本運用にする、やめる、を決める人の名前
3. 扱うデータ 個人情報や機密が入るか。外部のサービスとつなぐか
4. ログインと権限 会社のアカウントで入るか。管理者は2人以上いるか
5. 運用の担当 問い合わせの一次窓口、改修の受け付け、障害のときの連絡先
6. 本運用とやめる条件 試す期間、本運用に上げる条件、使われないときに消す条件
7. 費用 導入費と、2年目からのライセンス費と手間を、どの予算で持つか。更新日

6は、先ほどのイベントの報告が参考になります。ある製造業の会社は、ノーコードの開発に次のようなルールを設けていると紹介されています。

  • 仕様書を残す
  • 作った当初は試行の扱いにする
  • 運用が続けられて初めて本運用に上げる
  • 品質の責任は部門側が持つ

3と4は、DX推進を担う筆者のブログ(dai365のお部屋、2025年12月19日)にも出てきます。市民開発を増やそうと言うだけでは「ガバナンスが爆発します」として、最小の規約を5つ挙げています。データの分類、保存先、権限、誰が何のために作ったかの記録、相談窓口で、分類と権限には「ガチガチにしないこと」と添えています。

7の費用の分け方は、SaaSの請求書とカード払いは誰が管理する?も参考になります。

受け渡し票のひな形と言い方の例

試行から本運用に上げるときは、DX推進室から情シスへ、次の票で引き継ぎます。情シスは、足りない欄だけを聞き返します。

【DX施策の受け渡し票】
施策名:
目的(何がどう変わるか):
業務の持ち主(部門・責任者):
決める人(本運用・変更・やめる):
DX推進室の担当 / 情シスの担当:
使うツールと契約(プラン・費用・更新日):
扱うデータと連携先(個人情報・機密の有無、つなぐサービス):
ログインの方法(会社のアカウント・多要素認証):
管理者(2人以上・氏名):
問い合わせの窓口(一次 / 二次):
改修の受け付けと担当、仕様のメモの置き場所:
本運用の開始日、棚卸しの時期、やめる条件:

アカウントの一覧と棚卸しの記録には、次の台帳がそのまま使えます。

言い方の例も挙げます。

言いがちな言い方 こう言い換える
(DX推進室)もう決まったので、設定をお願いします 来月から試したいので、決める前に、ログインとデータの扱いを一緒に見てもらえますか
(情シス)うちは保守しかやりません 引き受ける前に、問い合わせの一次窓口と改修の担当を決めさせてください
(DX推進室)情シスが止めるから進まない 気になっている点を3つに絞ったので、どれから片づけるか一緒に決めませんか

今日からできること

  1. いま動いている施策とツールを、DX推進室と情シスで一覧にする。業務の持ち主、窓口、改修の担当、更新日の空欄に印を付ける
  2. 役割分担の表を自社の言葉に直し、両方の部長と業務部門の代表に見てもらってから社内に出す
  3. 次の新しい施策から、最初の打ち合わせに情シスを1人呼び、7つのことをその場で確かめる
  4. 受け渡し票を共有の場所に置き、本運用に上げる前にDX推進室と情シスで一緒に埋める
  5. 年1回、作ったアプリと自動化の棚卸しを一緒にやる日を決める

現場からのツールの要望の受け方は、「このツール使いたい」にどう答える?にまとめています。

DX推進室は変える力を、情シスは続ける力を持っています。どちらか一方だけでは、新しい仕組みは会社に根づきません。運用の持ち主を最初に決めておくと、「聞いていません」が「最初から一緒に決めました」に近づきます。

よくある質問

QDX推進室と情シスは、同じ部署にしたほうがいいですか?

A公開されている声でも意見が分かれます。同じ組織でマネジャー同士の連絡がよいと早く進むという経験談と、攻めと守りで大事にするものが違うので分ける考え方にも理がある、という見方の両方を、同じ筆者が並べています。どちらの形でも、役割の表と受け渡しの手順を決めておくと、すれ違いは減らせます。

QDX推進室が広めたアプリの改修は、誰がしますか?

A決まった答えはありません。公開されている例では、作った部門が品質を持ち、情シスは作り方の決まりや使ってよい機能、棚卸しを受け持つ形があります。最初の打ち合わせで、改修の受け付けと担当を名前で決めておきます。

Q情シスが1人しかいない会社でも、この分け方は使えますか?

A使えます。問い合わせの一次窓口は業務部門かDX推進室に置き、情シスはログイン、権限、台帳に絞ります。全部を1人で引き受けると、その人が休んだときに運用も止まります。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月18日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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