デジタル庁は2026年10月20日、「Androidのマイナンバーカード」の提供を開始しました。対応するAndroid端末のGoogle ウォレットに追加すると、実物のカードを取り出さず、端末の顔・指紋認証で行政サービスを利用できます。情シスが社員に案内する際は、対応端末であることと、利用先も対応していることを分けて確認する必要があります。
Google ウォレットに追加、既存の電子証明書からも更新
追加には、最新のマイナアプリと、実物のマイナンバーカード、暗証番号などが必要です。対象は、一定の基準を満たすセキュリティチップを搭載したAndroid端末です。Androidであれば、どの端末でも使えるわけではありません。対応機種は、マイナアプリのよくある質問ページで案内しています。
既存のAndroidスマホ用電子証明書を利用している場合は、最新版アプリから更新できます。今回は、従来の電子証明書機能に加えて、住所や年齢などの属性を証明するための「属性証明機能」を新たに提供します。ただし、この機能を使うサービスの広がりについては、今後の予定も含まれています。
行政手続などに利用、店舗での本人確認は今後拡大へ
デジタル庁によると、マイナポータルへのログインや署名、薬・医療費・年金の記録確認、引越し手続に利用できます。また、準備が整った医療機関や薬局では、マイナ保険証として受付ができます。コンビニでは、住民票の写しや印鑑登録証明書などの取得にも使えます。
今後は、サービスの会員になるときやイベントに参加するときに、本人であることを確かめる用途へも広げる予定です。酒やたばこを購入できる年齢かを確かめたり、住所を基に住民向け割引の対象かを判断したりする場面も、活用の拡大先に挙げています。これらを、すでにすべての店舗や窓口で使えるものとして案内しないことが重要です。
使える場所やサービスは、端末や店舗・窓口の対応状況によって異なります。デジタル庁は、利用できない場合に備え、実物のマイナンバーカードも携帯するよう案内しています。社内向けの説明も、「スマートフォンへの追加」と「実物のカードが不要になること」を同じ意味にしないようにします。
Googleの説明:見せる情報を選べる、端末に残す情報は最小限
Googleも同じ日、公式ブログで提供の開始を伝えました。デジタル庁の案内にない点として、次のことを説明しています。
- 見せる情報を自分で選べる: 相手に提示するときは、名前・住所・年齢など、その場で必要な情報だけを選んで共有できる
- 端末に残す情報は最小限: 端末には必要最小限の情報だけを保存し、税や年金などのプライバシー性の高い情報はスマートフォンに記録しない
- 紛失への備え: 不正な情報の抜き取りに対抗するデータの消去の機能と、なりすましを防ぐ暗証番号・生体認証によるロックを、標準で備える
- 国際標準に準拠: ISO 18013-5などの国際標準に沿った技術を使う
- 今後の使い道: 店舗での年齢確認、携帯電話会社のサイトなどオンラインでの本人確認、銀行口座の開設、決済アプリでの銀行からのチャージ、各サービスのアカウントの守りの強化などで、順次使えるようになるとしている
ここでも、使い道の多くは「順次」とされています。社員への案内では、今すぐ使える行政手続と、これから広がる民間の本人確認を分けて書きます。製品としての紹介は、TECHNOVAの記事でも取り上げています。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 対象となるAndroid端末を利用し、社員から設定や更新の相談を受ける会社です。既存のAndroidスマホ用電子証明書を使っている場合は、最新版アプリからの更新も案内対象になります。
- 影響する: 会員やイベント参加者の本人確認を行う会社、酒やたばこを販売する会社、住民向け割引を提供する会社です。ただし、これらの用途は今後の活用拡大として示されています。自社の受付ですぐ使えるかは、発表には書かれていません。
- 影響しない: 今回の対象となるAndroid端末を利用しない会社の端末運用です。他の端末向けの変更は、今回の発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- 今日、マイナアプリのよくある質問ページで対応機種を確認します。社用Android端末について問い合わせを受ける場合は、相談対象の機種と照合し、対応の有無を回答できるようにします。
- 設定案内を出す前に、最新のマイナアプリを使うこと、実物のカードや暗証番号などが必要なことを手順に記載します。既存の電子証明書を使う人には、最新版アプリから更新できることも併記します。
- 今日、ヘルプデスクと総務・人事に案内内容を共有します。利用先の対応状況で使えない場合があることと、実物のカードも携帯するようデジタル庁が案内していることを、社員向けの説明に入れます。
- 本人確認や年齢確認を行う事業部門には、今後の活用予定と、現時点で利用できるサービスを分けて伝えます。自社の受付方法を変更する前に、利用する端末や店舗・窓口の対応状況を確認する担当者を決めます。
- 社用のAndroid端末に、社員個人のマイナンバーカードを入れてよいかを決めます。Googleは端末に残す情報は最小限とし、ロックや消去の仕組みも備えるとしていますが、端末を返す・初期化する・紛失するときの扱いを、社内の決まりに書いておくと迷いません(当社の見立て)。
2026年10月20日 更新: Googleの公式ブログ(10月20日)をもとに、見せる情報を選べること、端末に残す情報が最小限であること、紛失への備え、国際標準への準拠、今後の使い道を書き足し、やることに社用端末の扱いを加えました。