Metaなどは2026年10月13日、西アフリカを拠点とする詐欺網への合同摘発の成果を発表しました。MetaはFacebookとInstagramのアカウントなど370万超を削除し、Microsoftも詐欺活動との関連が疑われるアカウントを停止しました。投資だけでなく、求人や被害金の回収を装う詐欺も対象で、情シスには社内の相談手順を点検する材料になります。
アカウント削除と捜査情報の共有を並行
摘発対象は、ナイジェリア、ガーナなど西アフリカを拠点とする詐欺組織です。英国国家犯罪対策庁(NCA)がロンドンで主催し、米司法省やFBIなどと連携しました。2026年10月6日から、企業と各国の捜査機関がNCA本部に集まり、情報を共有しました。
参加企業にはMeta、Coinbase、Google、Microsoft、OpenAI、Starlink、Adobeが含まれます。ガーナ、ナイジェリア、豪州、カナダ、ニュージーランド、インドの捜査機関も参加しました。Metaは、西アフリカの詐欺網を広く対象にした合同摘発は初めてとしています。
Metaによると、削除対象の大半は米英の利用者を装い、米英の人々を狙っていたとみられます。また、30カ所超の詐欺拠点に関する手掛かりを捜査機関と共有しました。捜査機関は28人の逮捕を確認し、ガーナの詐欺施設では、労働を強制されていた人身売買被害者117人を救出したとしています。
日本の利用者への被害や、日本企業のアカウントへの影響は発表には書かれていません。日本向けの新機能や対策サービスの提供についても、発表には書かれていません。
求人や「被害金を取り戻す」という勧誘も対象
対象となった手口には、暗号資産を含む投資詐欺や、恋愛関係を装ってだますロマンス詐欺がありました。偽の求人やオンライン作業を持ちかけ、前払い金などを要求する詐欺も含まれます。さらに、被害金の回収を約束して手数料を取り、被害者を再びだます詐欺も対象でした。
Metaの発表によると、Coinbaseは被害が進行中の65人超を特定し、415,000ドル超の損失を未然に防ぎました。FBI長官は、凍結できる可能性のある資金を少なくとも1,100万ドル特定したとしています。これは回収済みの金額ではなく、凍結の可能性がある資金です。
社内向けの周知では、投資の勧誘だけを取り上げないことが重要です。今回の対象を踏まえ、求人、作業の報酬、被害金回収という名目も、相談時に確認する項目へ加えることを勧めます。
影響する会社・しない会社
- 影響する: FacebookやInstagramで社外の相手とやり取りする会社。今回の削除対象となったサービスで、不審な勧誘の相談先を確認する意味があります。ただし、日本企業が削除対象になったかは発表には書かれていません。
- 影響する: 求人やオンライン作業、投資、被害金回収に関する勧誘の相談を受ける会社。広報・採用・経理と情シスで、今回示された手口を共有する対象になります。
- 影響しない: 発表されたFacebook、Instagram、Microsoftのアカウント措置に関係しない会社には、その措置による直接の影響は示されていません。ただし、詐欺対策が不要という意味ではありません。対象プランや企業規模の条件も発表には書かれていません。
情シスが今日やること
以下は、発表が求める作業ではなく、社内点検の提案です。特定の管理画面や設定変更、対応期限は発表には書かれていません。
- 今日、社内のアカウント台帳でFacebookとInstagramの業務利用を確認します。担当部署と相談先が記録されているかを見て、不明な場合は広報・マーケティング担当に確認を依頼します。
- 今日、問い合わせ記録を確認します。投資、求人、オンライン作業の前払い、被害金回収の手数料に関する相談があれば、情シスの責任者へ共有します。相談がないことだけで被害なしとは判断しないでください。
- 広報・採用・経理へ、今回対象となった手口を知らせます。外部から前払い金や回収手数料を求められた場合、支払い前に誰へ相談するかを決め、社内の問い合わせ窓口に案内を置くことを提案します。
- 不審なやり取りが見つかった場合は、相手のアカウント情報、メッセージ、支払い要求の内容を社内の対応記録に残します。送金や返信を続ける前に、情シスの責任者と関係部署で対応を確認してください。
業務用SNSの管理責任が曖昧な場合は、広報・マーケと情シス:SNS・ドメイン・広告アカウントの持ち主は誰?も、担当を整理する参考になります。