Googleは2026年10月16日、Google Kubernetes Engine(GKE)にWizの脅威検知を統合すると発表しました。「Wiz Runtime Sensor」をGKEが運用管理するアドオンとしてプレビュー提供し、センサーの展開や認証情報の注入、更新をGKE側で管理します。対象はStandardとAutopilotで、新規クラスターだけでなく既存クラスターにも導入できます。
実行中の不審な動作を検知、Wizへデータを送信
Googleによると、Wiz Runtime SensorはeBPFという技術を使い、実行中のワークロードの脅威を検知します。システムコール、プロセス、ネットワーク接続、ファイルアクセスを常時監視し、不正な権限昇格やコンテナの外へ抜け出す動作などを捉える仕組みです。
GKEの実行時データはWiz Security Graphへ送信されます。Wizとの連携により、脆弱なコードが実際にメモリ内で動作しているかも確認できるとしています。脆弱性の存在に加え、実際の稼働状況を確認するための情報が得られる点が特徴です。
ルールに基づいて脅威を自動で遮断・停止する機能もあります。導入検討では、検知結果を誰が確認するかだけでなく、どの動作を自動停止の対象にするかも、開発・運用担当と整理する必要があります。
認証情報はクラスター外で管理、更新も自動化
アドオンは、コマンドで操作するgcloud CLI、またはプログラムから操作するGKE APIで有効にできます。Googleによると、Wizの認証情報はクラスター外のSecret Managerに保管し、キーを更新すると、クラスターの再起動や手動操作なしでセンサーに自動同期します。
センサーはGKE本体やノードとは独立して、定期的に自動更新されます。各ノードのセンサーには固定のメモリ上限を設けるとしていますが、具体的な上限値は今回の発表には書かれていません。
通信面ではHTTPと、相互認証を行うmTLSのプロキシ設定に対応します。また、組織ポリシーを使い、センサーを導入していないクラスターの新規作成を拒否できます。これは新規作成に関する制御であり、既存クラスターへの有効化とは分けて検討する項目です。
現段階はプレビュー提供です。日本での提供は発表には書かれていません。日本語対応、日本向けの価格、対象リージョンについても記載がなく、国内環境への導入判断には追加の確認が必要です。
影響する会社・しない会社
- 影響する: GKEのStandardまたはAutopilotを利用し、実行中の脅威検知を導入・見直しする会社です。新規だけでなく、既存クラスターも検討対象になります。
- 影響する: GKEの認証情報やセンサー更新を管理している会社です。Secret Managerでのキー更新と、GKE本体から独立したセンサー更新を、運用手順にどう組み込むか確認する必要があります。
- 影響しない: GKEを使っていない会社は、今回発表されたGKE向けアドオンの導入対象ではありません。他の環境への提供条件は発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- GKEの利用状況を確認する。 まずクラウド運用担当に、StandardとAutopilotの利用有無、既存クラスターの一覧、新規作成の予定を確認してください。日本のリージョンを使っている場合は、提供対象の確認が済むまで導入可否を未確定として扱います。
- 有効化の前に、提供条件を問い合わせる。 Google CloudまたはWizの窓口へ、日本での利用可否、対象リージョン、価格、プレビューの利用条件を確認します。有効化手段として示されているのはgcloud CLIとGKE APIです。具体的な設定手順は、検証に着手する前に確認してください。
- 検証前に認証情報と通信経路を整理する。 セキュリティ担当とクラウド運用担当で、Secret Managerに保管するWiz認証情報の管理者、キー更新の担当、プロキシ設定の必要性を決めます。実行時データの送信先がWiz Security Graphである点も、社内のデータ管理担当に共有します。
- 本番導入を決める前に、停止ルールと作成制限を確認する。 開発・運用担当と、自動遮断・停止の対象にする動作、検知時の連絡先を整理します。センサー未導入クラスターの新規作成を拒否する組織ポリシーは、既存環境への導入状況とは別に適用範囲を決めてください。