GitHub Advisory Databaseで、vLLMの画像・動画処理に関わる脆弱性「CVE-2026-114055」が公表されています。要求ごとの処理設定を通じてメモリを使い切らせ、サービスを停止させ得る問題で、修正パッチはマージ済みです。提供資料では公表日は確認できませんが、参照欄にはv0.31.0のリリース情報が掲載されています。
単一の要求でメモリを使い切る恐れ
問題の入口は、要求ごとに画像・動画の処理設定を指定する「mm_processor_kwargs」です。この要求フィールドはv0.7.3で導入されました。受信した値は、Hugging Faceや独自の画像・動画処理器に渡されます。
勧告によると、クライアント側から画像サイズ、画像を分割したパッチの数、動画のフレーム数などを操作できます。入力を拡大する処理器では、単一の要求でも過大なメモリ確保が起こり得ます。その結果、CPUまたはGPUのメモリが枯渇し、APIサーバーや処理を担うワーカーが停止する恐れがあります。APIは、システム同士が要求やデータをやり取りする窓口です。
停止したサービスの実行単位では、その全利用者が影響を受けます。問題のある要求を送った利用者だけに影響がとどまるわけではありません。また、勧告は対象が特定のモデル一覧に限られないとしています。
vLLMのAPIキー設定は任意です。勧告では、外部認証層がない構成では、権限を持たない相手から遠隔で到達できるとしています。利用モデルの名前だけでなく、要求を受け付ける経路と認証の構成を確認する必要があります。
修正は要求側の上書きを既定で拒否
修正パッチは「vllm-project/vllm#58830」でマージされています。対策は、全API要求スキーマで、空でないmm_processor_kwargsを既定で拒否するものです。要求スキーマは、APIが受け付ける項目や形式の定義を指します。
一方、信頼できるクライアントだけで運用する場合は、明示的に従来の上書きを許可する方針です。サーバー側の「--mm-processor-kwargs」と、オフラインLLMの上書きは維持されます。要求側から渡す設定と、サーバー側で管理する設定を区別することが、更新時の確認点になります。
資料の参照欄にはv0.31.0のリリース情報があります。導入候補版への修正取り込みは、このリリース情報で確認してください。日本での提供は発表には書かれていません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: vLLMで画像・動画を処理し、要求から渡されたmm_processor_kwargsによって入力を拡大できる構成の会社です。要求フィールドはv0.7.3で導入されました。参照欄のVulnCheck URLは、対象をv0.7.3以上v0.31.0未満として示しています。
- 影響する: 上記の構成で外部認証層を設けていない会社です。勧告では、権限なしで遠隔から到達可能とされています。ただし、認証があるだけでこの欠陥の対象外になるとは判断しないでください。
- 影響しない: 自社と委託先の対象システムでvLLMを利用していない会社は、このvLLMの欠陥への対応対象ではありません。
安全と判断できるモデル一覧は示されていません。モデル名だけで対象外とせず、導入版と修正の反映状況を確認してください。