国税庁は2026年10月16日、e-Taxを装う不審メールの注意喚起を更新しました。還付金の受取手続きを装い、アプリのインストールを促す箇所から偽サイトへ誘導する事例を追加しています。情シスは経理などの担当者と、メールから手続きに進まずに内容を確認する手順を共有してください。
還付金の案内から偽サイトへ誘導
今回追加されたのは、還付金の受取手続きを案内する件名のメールです。本文でアプリのインストールを促し、クリックすると偽サイトへ誘導します。国税庁は、この偽サイトで個人情報を盗み取られるとして注意を促しています。
国税庁は、還付金額を記載したメールは送らず、還付金を受け取るためにアプリのダウンロードを求めることもないと説明しています。還付の案内らしく見えても、これらの要求があればメールから手続きを進めないことが重要です。
今回の追加事例とは別に、e-Taxの利用開始届出書を模した偽サイトで、個人情報やカード情報を盗む例も示されています。こうした偽の案内で情報を入力させる手口が、フィッシングです。国税庁は、不審メール内のリンクをクリックしないよう呼び掛け、JPCERT/CCにサイト閉鎖へ向けた調査を依頼しています。
送信元や件名だけでは見分けられない
正規のe-Taxメールは、登録者にメッセージボックスへの情報格納などを知らせるものです。文面は定型で、原則として本文にURLを載せません。送信元アドレスは info@e-tax.nta.go.jp です。
ただし、不審メールでは送信元アドレスや表示名もe-Taxに偽装されています。正規メールと件名が一致していても、本文が異なる偽装事例があります。送信元や件名が合っていることだけを、安全と判断する根拠にしない運用が必要です。
イータ君やロゴを表示した偽装メールも確認されています。国税庁は、こうしたイラストやロゴ画像を添付したメールは送らないと説明しています。また、支払いの催促や差し押さえの予告をメールで送ることもありません。
e-Taxで宛名を登録している場合、正規メールの本文には登録した宛名が表示されます。国税庁は、担当者や納税者という一般的な呼び掛けを不審メールの特徴に挙げています。ただし、宛名だけで判断せず、本文の要求も併せて確認してください。
影響する会社・しない会社
- 影響する: e-Taxにメールアドレスを登録し、メッセージボックスへの通知を業務で受け取る会社です。正規の通知を確認する担当者に、偽装メールとの違いを共有する必要があります。
- 影響する: 還付金の受取案内や、アプリの取得を求める不審メールを受信した会社です。追加事例に当たる誘導がないか、メール内のリンクを開かずに確認してください。
- 影響しない: 会社の規模、利用環境、e-Taxの登録状況などによって対象外と判断できる条件は、発表には書かれていません。e-Taxを使っていないことだけを理由に、安全と扱わないでください。
情シスが今日やること
- 2026年10月16日中を目安に、経理と税務手続きの担当者へ今回の追加事例を知らせます。還付金額をメールに記載しないこと、受取のためのアプリ取得を求めないことを、社内の連絡手段で共有してください。これは社内対応の目安で、国税庁が定めた期限ではありません。
- e-Taxの通知を受け取る担当者に、受信箱で該当する案内が届いていないか確認してもらいます。送信元や件名だけで判定せず、アプリ取得の要求、還付金額の記載、一般的な宛名などを確認項目にします。確認中も本文のリンクは開かないよう伝えます。
- 通知内容を確かめる際は、メールのリンクを使わず、普段利用している経路からe-Taxにアクセスし、メッセージボックスを確認する手順にそろえます。受信担当者と実際に確認する担当者が別なら、連絡先と役割も決めてください。
- 不審メールを受け取った場合の社内報告先を明示します。報告時には、受信しただけか、リンクを開いたか、情報を入力したかを分けて伝えてもらいます。還付や支払いの処理に進む前に、情シスと経理で確認する流れを共有してください。