GMOインターネットグループのGMOプライム・ストラテジーは、2026年10月15日、「KUSANAGI Enterprise Edition byGMO」の提供を開始しました。Webサイトの作成・管理に使うWordPress向けに、基盤ソフトの更新やセキュリティ監視を自動化する新エディションです。対象は中堅・中小企業から大企業までで、サイト運用の更新作業や点検を見直す選択肢になります。
自動化するのは基盤更新と日々の点検
同社によると、OSとミドルウェアの更新を自動適用し、実行時間も指定できます。ミドルウェアは、Webサイトを動かすためにOSとアプリの間で働くソフトです。「SafeUpgrade」では、Webサーバーのnginxと、WordPressの実行に使うPHPを、停止せずにメジャーバージョンアップできるとしています。
WordPress向けに負荷を軽減したマルウェア・ウイルススキャンを毎日自動実行します。監査機能では、ファイル改ざんや不正ログインのリスク、ログイン失敗数を検知します。IPアドレスのリストによるアクセス制御と、ID・パスワードでアクセスを制限するBasic認証も設定できます。
複数サーバーの管理には、無償ツール「KUSANAGI Portal」を提供します。同社によると、セキュリティ状態と更新状況を可視化できます。導入を検討する際は、自動処理の有無だけでなく、誰が結果を確認するかも決めておきたいところです。
WordPress用のAIアシストプラグインも同梱します。同社によると、プラグインやサーバーの状態をAIに相談できます。一方、アクセスログ・エラーログのAI解析支援は今後の提供予定です。現時点で利用できる機能と、予定機能は分けて判断する必要があります。
月額目安と国内の提供先
料金は1サーバー当たり月額約50,000円(税別)です。これは1か月720時間の連続稼働を想定した目安で、ライセンス料とサポート料を含みます。クラウドサービスの利用料金は別途必要です。
1サーバーにつき1ライセンスで、CPUコア数による追加課金はありません。契約は時間従量課金制または月額課金制です。複数サーバーを管理する場合も、Portalが無償であることと、各サーバーのライセンス費用は分けて整理しましょう。
AWS、Microsoft Azure、Google Cloudのマーケットプレイスで提供します。国内ではConoHa VPS byGMOで提供し、ホスティング事業者は順次拡大予定です。サポートは日本語・英語に対応し、利用者ポータルで24時間365日受け付けます。ただし、対応は営業日であり、常時対応とは区別が必要です。
1か月間の無料トライアルも用意しますが、クラウド利用料金は別途発生します。ConoHa VPS byGMOでは、製品紹介サイト経由の申し込みに限り、8GBプランが1か月相当無料になります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: WordPressを運用し、OSやミドルウェアの更新、毎日のスキャンを自動化したい会社です。中堅・中小企業から大企業までが対象です。
- 影響する: 対応OSのAlmaLinux OS 9、またはRed Hat Enterprise Linux 9で導入を検討する会社です。後者は同社窓口への相談が必要です。
- 影響しない: WordPressを運用していない会社は、今回のWordPressセキュリティ運用自動化の直接の対象ではありません。
- 影響しない: 新エディションを導入しない会社の既存環境が、自動的に切り替わるという発表ではありません。既存版からの移行条件は発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- 今日、自社のサイト運用担当者や委託先に、WordPressの利用有無、サーバー数、OS名と版、利用クラウドを確認します。対応OSと提供先に合うかを導入検討の前提にしてください。
- 試用を申し込む前に、経理・購買担当へライセンスとクラウド料金を分けた費用見積もりを共有します。無料トライアルでもクラウド料金が発生すること、ConoHa VPS byGMOの特典には申し込み経路の条件があることを伝えます。
- 自動更新を有効にする前に、サイト運用担当者と更新の実行時間、更新後の確認担当を決めます。WordPress本体や個別プラグインの更新をどこまで自動化するかは、今回の発表だけでは確認できないため、同社窓口に確認してください。
- 試用時にはKUSANAGI Portalでセキュリティ状態と更新状況を確認します。検知結果の確認担当と、問題が見つかった際の連絡先を決め、サポートの受付時間と対応時間の違いも委託先・社内担当者に共有してください。