HKCERTは2026年10月20日、BeyondTrust Remote Supportの脆弱性「CVE-2026-102764」を公表しました。実際の攻撃で悪用されており、遠隔の攻撃者がセキュリティ上の制限を回避する恐れがあります。利用企業は、自社や委託先での使用状況を確認し、対応の要否を調べる必要があります。
メッセージの送信元確認に不備、データ改ざんの恐れ
問題はRemote Supportの内部コンポーネントにあります。受信したメッセージについて、送信元を十分に検証していなかったことが原因です。
HKCERTによると、悪用された場合、対象システムのデータが改ざんされたり、なりすましが起きたりする恐れがあります。また、特定の条件下では、攻撃者がアプライアンス上のファイルを操作し得るとしています。アプライアンスは、特定の用途に使う機器やシステムを指します。
HKCERTのリスク評価は「High Risk」です。単に欠陥が見つかったという情報ではなく、実際の攻撃での悪用が報告されている点が、対応の優先度を判断する材料になります。一方、悪用の報告だけで、自社の環境も侵害されたと判断することはできません。
対象バージョンや修正方法は、別途確認が必要
今回提示された情報には、影響を受けるバージョン、修正版、更新手順、回避策は書かれていません。ファイル操作が可能になる具体的な条件や、悪用の痕跡を調べる方法も示されていません。このため、製品名が一致するだけでは、自社環境の該当性や必要な作業を確定できません。
日本での提供は発表には書かれていません。日本向け環境が対象かどうかも、今回の情報だけでは判断できません。
情シスとしては、「製品を使っているか」「自社の環境が対象か」「侵害が起きたか」を分けて確認することが重要です。修正方法が確認できていない段階で、更新済み、あるいは対応不要と扱わないようにします。
影響する会社・しない会社
- 影響する: BeyondTrust Remote Supportを利用している会社は、該当性の確認が必要です。ただし、対象バージョンや構成条件は発表には書かれていません。
- 影響する: 遠隔支援を委託しており、委託先が同製品を使っている会社も、利用環境と対応状況を照会する対象になります。これは、利用実態を把握するための確認です。
- 影響しない: 自社でも委託先でも同製品を利用していないと確認できた会社は、今回の対象製品について対応する必要はありません。他のBeyondTrust製品への影響は、発表には書かれていません。
情シスが今日やること
以下は、今回の情報を受けた社内対応の提案です。発表に更新期限が示されているわけではありません。
- 今日中に利用先を洗い出します。 IT資産台帳と遠隔支援サービスの契約一覧で、BeyondTrust Remote Supportの記載を確認します。ヘルプデスク責任者と保守委託先にも、利用の有無と管理担当者を照会します。
- 利用が確認できたら、環境情報をそろえます。 管理担当者に、製品バージョンと管理対象のアプライアンスを確認してもらいます。今回の情報には管理画面の名称や確認箇所がないため、操作手順は保守窓口へ確認します。
- 保守窓口へ識別番号を伝えて問い合わせます。 CVE-2026-102764を示し、対象版、修正版、回避策、侵害の確認方法を質問します。回答待ちの場合も、社内の対応票に担当者と次の確認予定日を残します。
- 今日中にセキュリティ担当と運用責任者へ共有します。 悪用が報告されていることと、自社への影響は未確定であることを分けて伝えます。利用を継続する際の扱いや、更新作業の判断を誰が行うかも決めておきます。