シンガポール サイバーセキュリティ庁(CSA/SingCERT)によると、MariaDBはMariaDB Serverの脆弱性5件に対するセキュリティ更新を公開しました。条件によって、サービスの停止や任意コード実行、データベース内の権限昇格につながる恐れがあります。発表日は資料に記載されていません。
対象は6系列の一部、修正版番号は資料に記載なし
CSAが挙げた影響対象は、次のバージョンです。系列名だけで判断せず、稼働しているバージョンの末尾まで照合する必要があります。
- MariaDB Server 10.6.1~10.6.27
- MariaDB Server 10.11.1~10.11.18
- MariaDB Server 11.4.1~11.4.12
- MariaDB Server 11.8.1~11.8.8
- MariaDB Server 12.3.1~12.3.2
- MariaDB Server 13.0.1
CSAは、対象製品の利用者と管理者に最新版への速やかな更新を推奨しています。ただし、資料には修正済みバージョンの番号がありません。更新先は、適用前にMariaDBの公開情報で確認してください。
日本での提供は発表には書かれていません。
FILE権限やファイル配置が関わる問題も
5件は、悪用に関わる権限や操作が異なります。CVSS v3.1という深刻度の評価指標では、スコアは7.2~8.5です。数値だけでなく、自社の設定と悪用条件を照合することが重要です。
CVE-2026-107814はスコア8.4です。CSAによると、FILE権限でホームに起動用ファイルを書き込めます。そのファイルが、管理者がmysqlのログインシェルを開く際に実行される恐れがあります。
CVE-2026-107815はスコア8.5です。認証済みユーザーがCONNECT経由でクラッシュを起こせるほか、任意コード実行につながる恐れもあります。
CVE-2026-107818はスコア8.4です。再起動するサービスの環境値を不正に設定できる問題です。悪用には、FILE権限と、/run/mysqldへの書き込みを許す設定が必要とされています。
CVE-2026-107821はスコア8.0です。細工したFRMファイルによって、本来の範囲を外れた読み書きが起こります。同ファイルをデータディレクトリに置くと、停止や任意コード実行の恐れがあります。
CVE-2026-107823はスコア7.2です。特定の権限を持つ認証済みユーザーが、データベース内で権限を引き上げる恐れがあります。悪用には、CREATE USER権限と、GRANT OPTION付きのCREATE VIEW権限が必要です。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 上記の対象バージョンのMariaDB Serverを利用・管理している会社です。まず稼働バージョンを確定し、更新対象を洗い出す必要があります。
- 影響する: 対象版でFILE権限を付与している会社は、CVE-2026-107814とCVE-2026-107818の条件を確認してください。後者では、/run/mysqldへの書き込みを許す設定も確認対象です。
- 影響しない: MariaDB Serverを利用していない会社は、今回挙げられた製品の更新対象ではありません。ただし、利用有無が不明なシステムは、未利用と扱わず運用担当者に確認してください。
対象範囲にないバージョンについて、すべての脆弱性がないと判断できる情報は資料にありません。また、特定の権限がないことだけで、5件すべての影響を否定しないようにしてください。
情シスが今日やること
- 今日、IT資産台帳とサーバーの運用記録でMariaDB Serverの利用先を探し、各環境のバージョンを上記の範囲と照合します。不明なものは、システムの運用担当者や委託先に実稼働版の回答を依頼します。資料に管理画面の指定はありません。
- 対象版の管理者に、データベースの権限設定でFILE権限の付与先を確認してもらいます。あわせて、/run/mysqldへの書き込み設定と、CONNECTの利用状況を確認事項として渡します。
- 更新先を決める前に、MariaDBの公開情報で修正済みバージョンを確認します。委託先が管理している場合は、適用予定版と更新日程の回答を求めます。資料には具体的な更新期限はなく、CSAは速やかな更新を推奨しています。
- 今日中に、対象システムの責任者へ該当版と確認できた悪用条件を共有し、更新日程の調整を始めます。更新後は実稼働バージョンを再確認し、台帳に結果を残してください。