マイクロソフトの月例のセキュリティ 更新は、通常は毎月の第2火曜日に出ます。2026年10月は13日(米国時間)で、日本時間では14日です。この更新を入れる前に、公式の既知の不具合のページを読み、まだ直っていないものを確かめました。2026年10月12日の時点で、Windows 11 とWindows Server 2025・2022に残っているのは3件です。
10月12日時点で直っていない既知の不具合は3件
Microsoft の「Windows release health」(更新プログラムの既知の不具合を載せる公式のページ)には、版ごとに「既知の不具合」の表があります。2026年10月9日に更新されたページの内容を、未解決のものだけ抜き出します。
不具合
状態
影響する版
最終更新(米国太平洋時間)
AC-3の音声を使うアプリが突然閉じる
確認済み(Confirmed)
Windows 11 26H2・25H2・24H2
2026年10月2日
USBオーディオ機器が起動しない、音が出ない
緩和済み(Mitigated)
Windows 11の各版、Windows 10、Windows Server 2025・2022ほか
2026年9月29日
サインイン後に黒い画面になる
緩和済み(Mitigated)
Windows 11 26H2・26H1・25H2・24H2
2026年9月29日
「確認済み」はMicrosoftが不具合を認めた状態、「緩和済み」は回避策や一部の修正が示されている状態、「解決済み」は修正が出た状態です。3件とも、完全な修正はまだ出ていません。
Microsoft Learnの26H2の既知の不具合の表(英語) 出典: Microsoft Learn「Windows 11, version 26H2 known issues and notifications」 (引用)
1. AC-3の音声を使うアプリが突然閉じる
AC-3は、ドルビーデジタルとも呼ばれる音声の形式です。2026年9月22日に出た更新(KB5124010)以降を入れると、この形式の音声を読み込む古いアプリが、起動しなかったり、途中で閉じたりします。
項目
内容
影響する版
Windows 11 26H2・25H2・24H2。Windows Serverは対象外と書かれています
原因の更新
2026年9月22日の更新(KB5124010)。ビルドは26H2が26300.9550、25H2が26200.9550、24H2が26100.9550
症状
アプリが起動しない、または音楽の再生など特定の機能を使ったときに、警告なしで閉じる。ゲーム、メディアプレーヤー、一部の業務アプリで起こりうると書かれています
回避策
記載なし。「今後のWindowsの更新で修正を出す」とされています
状態
確認済み。2026年10月2日(15時06分)に登録、同日15時41分に更新
Microsoftは、多くの新しいアプリはこの処理をWindowsに頼らず自前で持つため、影響を受けないとも書いています。問題になるのは、Windows標準の音声のデコード(圧縮された音声を元に戻す処理)に頼る古いアプリです。
AC-3の不具合の説明(英語)。対象は26H2・25H2・24H2で、回避策の記載はない 出典: Microsoft Learn「Windows 11, version 26H2 known issues and notifications」 (引用)
2. USBオーディオ機器が起動しない、音が出ない
USB Audio Class 1.0という規格のUSBヘッドセットやスピーカーなどが、9月8日の更新のあとに動かなくなる不具合です。対象の範囲が、3件のうちいちばん広くなっています。
項目
内容
影響する版
Windows 11 26H2・26H1・25H2・24H2・23H2、Windows 10 22H2・21H2、Windows 10 Enterprise LTSC 2019・2016。Windows Serverは2025・2022・2019・2016・2012 R2・2012
原因の更新
2026年9月8日のセキュリティ更新。24H2はKB5124008、Server 2025はKB5122871、Server 2022はKB5122882。26H2のページでは「該当なし」
症状
デバイスマネージャーに「このデバイスは起動できません(コード10)」と出る。音が出ない。音量の操作が効かない、またはゼロのまま。サウンドの設定が開かない
一部の修正
9月14日の更新で、8チャンネルと3Dオーディオのときに動かない症状は解決。Windows 11の25H2・24H2はKB5129195、Server 2025はKB5129235、Server 2022はKB5129237
回避策
残りの症状に即効の回避策が必要な管理者は、Microsoft Support for Businessに問い合わせるよう書かれています
状態
緩和済み(一部解決)。最終更新は2026年9月29日
8チャンネルや3Dオーディオで動かない場合は、2チャンネルの設定に切り替えると音が戻ったという報告があると、公式のページに書かれています。ただし、この症状は9月14日の更新で解決したとされています。
3. サインイン後に黒い画面になる
仮想デスクトップの環境で、サインイン後にデスクトップが表示されない不具合です。主に、Azure Virtual Desktop(Microsoftのクラウド上の仮想デスクトップ)のホストで、FSLogix(ユーザーのプロファイルを持ち歩く仕組み)を使う環境で見つかったと書かれています。一部の既存のユーザープロファイルで起こりやすい、ともあります。
項目
内容
影響する版
Windows 11 26H2・26H1・25H2・24H2。Windows Serverは対象外と書かれています
原因の更新
25H2・24H2は8月27日の非セキュリティのプレビュー更新(KB5120998)以降。26H2は「26H2と、その後の更新を入れたあと」
症状
サインイン後に黒い画面のまま、デスクトップが自動で読み込まれない。手動で開始するまで使えない。アプリケーションのイベントログにエクスプローラーの異常終了が出る
回避策1
Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開き、「新しいタスクの実行」でexplorer.exeを起動する(一時的)
回避策2
Known Issue Rollback(KIR。問題を起こす変更だけを元に戻す仕組み)のグループポリシーを入れる。26H2・25H2・24H2は「KB5124010 260924_20021」、26H1は「KB5124006 260924_20071」。設定したあと端末を再起動する
状態
緩和済み。最終更新は2026年9月29日
KIRのグループポリシーは、問題を起こす変更を、修正が出るまで止める働きをします。修正が出たあとに自動で元に戻るとは書かれていません。使った端末は、台帳に控えておくと後で外し忘れません。
9月に解決した不具合は6件
次の不具合は、公式のページで「解決済み」になっています。10月の更新より前に、その修正が入っているかを確かめる目安にしてください。
不具合
解決した日と更新
影響する版
Credential Guardで守られたマシンアカウントが、ドメインとの信頼を失う
2026年9月22日の更新(KB5124010)以降。状態の更新は10月8日
Windows 11 26H2・26H1・25H2・24H2
リモートデスクトップサービスが応答しなくなる
9月14日の臨時の更新。25H2・24H2はKB5129195、Server 2025はKB5129235、Server 2022はKB5129237
Windows 11、Windows 10、Windows Server各版
Hyper-VのLinux仮想マシンで、ホストのフォルダー共有(Plan9)が見えない
9月14日の臨時の更新(KB5129195)
Windows 11、Windows 10 21H2・22H2(WSLなどが影響を受けると書かれています)
ArmのPCでTeamsと新しいOutlookが起動しない
9月8日の更新(KB5124008)
Windows 11 26H1・25H2・24H2
日本語など英語以外のWindowsで、マウスの設定が初期に戻る
9月8日の更新(KB5124008)
Windows 11 25H2・24H2
一部の端末でデスクトップの背景が黒くなる
9月8日の更新(KB5124008)
Windows 11 25H2・24H2
もう1件、「Microsoft Defender Antivirusが無効です」と誤って通知される不具合も、2026年9月30日に解決済みになりました。Defenderの更新(バージョン4.18.26080.4、9月17日配信)で直っています。Windowsの更新ではなく、Defender自体の更新で直っています。
ドメインとの信頼を失う不具合は、9月22日より前の更新のままの端末だけ、回避策が要ります。Microsoftは、Known Issue Rollbackか、Machine Identity Isolation(マシンIDの分離)の設定を無効にする方法を示しています。無効にしたあとは再起動し、セキュアチャネルの修復コマンドを実行します。
10月の更新と同じ時期に予定されている変更
既知の不具合ではありませんが、Microsoftのメッセージセンターには、10月の更新に関わる予告が出ています。月例更新の検証のとき、あわせて確かめましょう。
予定
公式の説明
確かめる人
AD FSの鍵の管理の保護を強制する
10月の更新から、AD FSのDKMコンテナーのアクセス権の強化が「強制」の段階に入る。対応するWindows Serverでは、管理者が除外を設定しない限り、修復が既定で動く。Windows Server 2012・2012 R2は手動の修復が必要
AD FSを使う会社
メモリ整合性を広げる
10月以降の品質更新で、条件を満たす端末のメモリ整合性が有効になっていく。一部の端末では仮想化ベースのセキュリティも有効になる。管理者や利用者がすでに決めた設定は変わらず、無効にしていた端末は自動では変わらない
古いドライバーを使う端末が多い会社
Windows Server 2022の通常サポート終了
10月13日に終わり、10月の更新が最後の通常サポートの更新になる。その後は延長サポートで、2031年10月14日まで毎月のセキュリティ更新を受け取れる
Server 2022を使う会社
Windows 11 24H2のHome・Proの更新終了
10月13日で終わる
24H2のHome・Proを使う会社
24H2の更新終了は、Windows 11 24H2のHome・Pro更新終了まで3日 情シスが確かめること に詳しくまとめています。26H2の配り方は、Windows 11 26H2の配信開始 情シスの確認項目と社員へのお知らせ文例 を見てください。
影響する会社・しない会社
3件の未解決の不具合は、使っている機器とアプリの条件がそろったときに起こります。次の分け方で、自社に当てはまるかを確かめます。
影響する: 古い動画再生ソフトや、ゲーム、音声を扱う業務アプリを使っている会社(AC-3の不具合)。Windows 11の24H2・25H2・26H2が対象です。
影響する: USBヘッドセットや会議室のUSBスピーカーを使っている会社(USBオーディオの不具合)。Windows 10やWindows Serverも対象に入ります。
影響する: Azure Virtual DesktopとFSLogixで、社員の仮想デスクトップを動かしている会社(黒い画面の不具合)。
影響しない: AC-3の音声を使うアプリがなく、仮想デスクトップもUSB Audio Class 1.0の機器もない会社。3件のどれにも当たりません。
影響しない: Windows Serverだけの環境では、AC-3の不具合と黒い画面の不具合。どちらもServerは対象外と書かれています。USBオーディオの不具合だけは、Serverの各版も対象です。
情シスが今日やること
公式の既知の不具合のページを、自社で使う版ごとに開く。26H2・25H2・24H2、Server 2025・2022のページで、状態が「確認済み」「緩和済み」のものを控える。10月の更新が出た日にも、同じページをもう一度見る。
検証機で、AC-3の音声を含む古い動画やアプリを開き、USBヘッドセットで会議の音声を試す。仮想デスクトップは、既存のユーザープロファイルでサインインして確かめる。
黒い画面が出るAzure Virtual Desktopを持つ会社は、KIRのグループポリシー(KB5124010 260924_20021)を検証用のホストに入れて、サインインの動きを確かめる。入れた端末は台帳に控える。
9月22日の更新(KB5124010)より前のまま止まっているドメイン参加の端末がないかを調べる。あれば、10月の更新の前に9月分の更新を入れる計画を立てる。
10月13日までに、24H2のHome・Proと、Windows Server 2022の台数を数える。更新の終わりと、通常サポートの終わりに合わせ、移行や延長サポートの計画を決める。
2026年10月12日に確かめた内容です。更新プログラムが出たあとは、各ページの状態が変わります。