JVN iPediaは2026年10月13日、VMwareのRabbitMQ Java Clientにある認証情報漏えいの脆弱性を掲載しました。同データベースには、無限ループと不正なUTF-8処理に関する脆弱性も掲載されています。3件で対象版と修正版が異なるため、利用中のアプリに組み込まれたクライアントの版を確認する必要があります。
認証情報が例外やログに残る恐れ
認証情報漏えいの問題はCVE-2026-106123です。対象はRabbitMQ Java Client 5.35.0未満で、5.35.0で修正されています。
JVNによると、接続先などを表すAMQP URIの解析に失敗した際、例外に加工されていないURIが入ります。URIに平文の認証情報を含めていると、ログなどを通じて漏れる恐れがあります。確認する対象はライブラリの版だけでなく、接続情報の記載方法と、例外を記録するログです。
脆弱性の深刻度を示すCVSS v3基本値は、NVD値で5.5の「警告」です。攻撃元区分はローカルとされています。JVNはベンダ情報を確認し、適切な対策を取るよう案内しています。
サービス停止につながる2件は修正版が異なる
無限ループの問題、CVE-2026-106121は5.37.0未満が対象で、5.37.0で修正済みです。JSONデータを読み取るJSONReaderは、文字列や行コメントの途中で入力が終わると処理が停止しません。標準のJSON-RPCマッパーが、この読み取り処理を使用します。
途切れた文字列ではヒープメモリを使い切る恐れがあります。また、終端のない行コメントではCPUを消費し続け、サービスを妨害するDoSにつながる恐れがあります。
不正なUTF-8処理の問題、CVE-2026-106122は5.36.0未満が対象で、5.36.0で修正済みです。不正なUTF-8の変換によってAMQPのshortstr制限を超え、不正なRPCメッセージに応答する際に例外で処理が中断する恐れがあります。さらに、同じメッセージがキューに戻されると、代わりに処理するコンシューマも無効化されるとしています。
この2件は、いずれもCVSS v3基本値がNVD値で7.5の「重要」です。攻撃元区分はネットワークで、攻撃に特権を必要としません。認証情報漏えいの修正版である5.35.0に更新しただけでは、この2件の修正版には届きません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: RabbitMQ Java Client 5.35.0未満を使う会社は、3件すべての対象版に該当します。認証情報漏えいについては、AMQP URIに認証情報を含めているか、例外がログに記録されるかを確認してください。
- 影響する: 5.35.0を使う会社は、無限ループと不正なUTF-8処理の対象版です。5.36.0以上5.37.0未満を使う会社は、無限ループの対象版です。標準のJSON-RPCマッパーの利用状況も確認対象になります。
- 影響しない: RabbitMQ Java Client 5.37.0以上は、今回の3件について示された対象版には該当しません。これは、ほかの脆弱性がないことを意味するものではありません。
- 影響しない: RabbitMQ Java Clientを使っていない会社は、今回示された製品・版の対象外です。RabbitMQのサーバーだけで判断せず、アプリ側のクライアントの有無を確認してください。
情シスが今日やること
以下は社内対応の進め方の提案です。資料には、更新期限や共通の管理画面の確認手順は書かれていません。
- 今日、開発部門と保守委託先に、アプリごとの依存ライブラリ一覧でRabbitMQ Java Clientの有無と版を確認してもらいます。回答にはアプリ名、利用版、保守担当者をそろえ、未確認のものも区別します。
- 対象版が見つかったら、開発担当にAMQP URIへの認証情報の記載と、標準のJSON-RPCマッパーの利用状況を確認してもらいます。ログ管理担当には、解析失敗時の例外ログに認証情報が残っていないか確認を依頼します。認証情報そのものを問い合わせ票へ転記しない運用にします。
- 更新計画を立てる前に、開発担当と保守委託先がベンダ情報を確認します。3件それぞれの修正版を照合し、選ぶ更新先がどの問題を解消するかを記録します。今回の対象版の境界は5.35.0、5.36.0、5.37.0です。
- 今日の確認結果を業務システムの責任者へ共有し、対象アプリごとに検証担当、更新予定日、業務への影響を確認する日を決めます。更新後は、実際に組み込まれたクライアントの版を再確認し、対応記録に残します。